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omae ga nozomu sekai no owari wa
暗い暗い雰囲気のお話。BLとしてじゃなくても映画化したら映えるような良く出来た話です。暗すぎるので私は見には行かなそうだけど。ハッピーエンドではありますがそれまでの過程が重すぎるのです。攻めも受けもその元カノも元彼もそれぞれ色んなものを背負っている。人間って生まれた場所や環境で心も体も早く大人になってしまう事は確かにあるなあと考えさせられました。15で不良と…の歌は世代なので私もよく知っています。今聴いてもキャッチーな歌詞だと思います。物語みたいな。
というわけで物語としては面白かったけど、BLとしての萌えは今ひとつだったので神評価にはなりませんでした。ちょっとこの暗さが純文学みたいな感じだったので。でも菅野先生はこういう作風だなって他の作品でも感じた事があります。実力者だとは思います。
2人の出会いとはじまりを描くことが当たり前になっているBL作品の中で、終わりと別れに真摯に向き合った稀有な作品です。
もちろん、メインの2人がくっつくまでをしっかり描いているので、そこは安心して読んでください!
ですが、この作品の主題は、受けと攻めがそれぞれ、自分の今までの恋人と向き合うこと、そして自分の過去と向き合うことにあると思いました。
そのことによってメインの2人の関係は少しも色あせていません。1人ではできなかったことが2人ならできた、という一際特別な関係にあります。
濡れ場のシーンは多くありません。なかなか進展しない2人にじれることもあるかもしれません。登場人物の心情も、すべてを語らずに読者に委ねる部分もあります。
王道のBL作品ではないと思います。しかし、この作品によって、BLというジャンルはまた1つ広がったと思います。
じっくりと深く、心に響く作品を読みたい方にオススメします。
草間さんのイラストがとても雰囲気あって
年下ワンコの情熱に年上美人が絆されるんだと予想して購入させていただきました。
ところが主人公にも脇にも予想より重い設定があったりして
色々と考えさせられました。
俳優もしているゲイの佳人は、
自身が監督を務める作品の操演(火や火薬を扱う演出)を
以前も頼んだベテランの瀧川に任せたかったのですが
打ち合わせに一緒にいた若者・孔太にやらせたいと瀧川に言われ、
更には仕事が終わるまで孔太の面倒見てくれとまで…。
一緒に暮らしているうちにきっと襲われちゃうんでしょ、
早く絆されないかなぁなんて呑気に読んでいたら
そんなに簡単に結ばれるお話ではありませんでした。
佳人からの別れの理由を告げられない元カレ・一哉、
別れを告げた佳人、
ずっと付き合っていてこれからも一緒に生きていくんだと信じていた折
急に突き放された孔太、
突き放した元カノ・繭子。
それぞれの想いに、シンクロとまでは言いませんが
そういう気持ちわかるかもしれない…となって
私は萌えるというよりツラさが感じられました。
でも、いくら好きになった相手でもどうしようもないことってあるし
新しく出逢った事でそこから見える先もあるんだろうな。
こどもは嫌いな佳人が、年下の男なんて無理だと言っていたのに
顔が一哉に似てる理由じゃなくて
遠慮なくあれこれ聞いてくるくせに、ふと核心をつく事を言ってのけたりとか
向き合わずにいられない孔太に自分を顧みる機会をもらったりとか。
自分は大人になっていたつもりがそうじゃなかった佳人、
悲しい過去をちゃんと受け止められたのはきっと孔太だったから。
年下の頼りなさと時折見せる頼もしさが共存していて
年下攻めの醍醐味を味わわせていただき
読後はとても心地よかったです。
操演、今はCGが主流になってしまったそうですが
(そうですよね、危険もありませんし、ちゃちゃっと爆発とかさせられますもんね)
瀧川親方と孔太の職人魂にグッときました…。
怖いと思うことが大事だとか、それでもプロだからやるんだとかいうのって
その世界にいなければ味わえない達成感等あるんでしょうね。
某アーティストのMVの青い焰をつい思い出し
確かに惹き付けられるものがあります。
今作で出て来た廃校舎を燃やす撮影、私も見てみたかったです。
親方の人情も素敵でした。
発売日近くに入手して読み始めるのもそれほど遅くなかったのに、やっと読み終えました。
お話のテーマはとても興味深いと思います。
しかし残念ながら、文章が私には合いませんでした。読んでいても、誰が話しているのか、何をしているのかを理解するのに時間がかかってしまって、登場人物の気持ちにすんなり入り込めなかったんです。
菅野彰さんの「レベッカ・ストリート」は大好きです。「毎日晴天!」の最新巻も揺さぶられました。だから、どうしてなのか不思議です。文章のタッチは同じなんだけどなぁ……
ひょっとして、私の「読み飛ばしに近い早読み」がいけないのかも。
じっくり腰を据えて、細部まで見落としがないように心掛けて読むべきお話だったのかもしれません。
この作品を、萌で評価するのは非常に難しいです。
色々、たくさんの内容が盛り込まれていて、そのどれもが、しっかりと練り上げられ、書き込まれていて、
引き込まれて、凄く集中して読んだ。
そして、とっても疲れた。
大きくまとめると、時の流れを理解することのお話なのかなと思う。
佳人の心の動きというか、考えや思いが変化していく様がよくわかるように描かれているのだけれど、それは、佳人が、迷い、揺れ動き、自分自身で、自分の中の揺れや迷いを理解していくことを、佳人と一緒に体験しているようなもので、そりゃあ、疲れるわけだ。
甘さのない草間さんのイラストも、この作品に似合っている。
とりあえず、この作品は、体力に余力があるときに読んだ方がいいと思うよ。
あえて同性同士でなくても良い、のか? いやー、異性じゃアレか。
人間としてどう相手や社会や自分の人生と向き合っていくのか?
誰かが上手に解決してくれることはなく、末長く幸せに暮らしましたには当然ならない生きていくことを書かせると上手な作家さんですね。
きっと何度も読み返すでしょうし、その度新しい読みかたをしそうです。
萌っていうのとは違うのですが、評価の順番的にこの評価になりました。
全体的に暗いです。それでいて難しい内容です。
なので、読むなら一気読みする事、時間を気にしないでいい時を是非オススメします。
でも、休み休み読まなかったのはそれだけ面白かったのと、映画を観ているようにいつの間にか内容に夢中になっていました。
受けさんの佳人も攻めさんの孔太も、過去に未だに囚われていて。
団地という箱。15歳。それぞれの環境に対する葛藤。
2人の間には共通となるキーワードがたくさんありました。
佳人は、欲に楽に流されて初めてを経験した相手が現在はいない中、本当に好きだったのかと問い続け。
孔太は、10年付き合ってきた彼女から別れを告げられた事で、初めて今までの自分と向き合っていく事になり。
そんな2人が仕事がきっかけで同居する事になり、お互いに通じるものがあるのか、最後まではしないものの精神的には寄り添い合っていき、過去に向き合う事から逃げずに2人で立ち向かっていく…
みたいな、本当に難しいお話でした。
途中で分かるタイトルの意味も深くて、読み終わった今は脱力感ハンパないです。
でも1度読んだだけでは分からなかったとこもあるので、またいずれ読み直したいと思える
ストーリー性の高い忘れられない1冊でした。
表紙の草間さかえさんの絵に惹き込まれて手に取りました。
ひらすらに内省的で、そこはかとなく重苦しく、とにかく作者さんの思い入れが強いことがよく伝わってくる小説です。
成り行きから年下の男の面倒を見ることになり、その痛々しい愚かさ稚さに、己の過去をも突きつけられていく受け。次第に受けに心を開き、いっそ盲目的ながらも、世界というものを知っていく攻め。
傷付いた幼い子どものままの心を抱えた2人は傷を舐めあい、2人での仕事を通じてそれを少しだけ乗り越えて、少しだけ明日を向いて大人になる、という物語。
序盤で明け透けな性生活についてのやり取りが為され、そういうテーマの物語なのかと思いきや全然、それだけで収まるような話ではありませんでした。
好きという気持ちとセックス。団地という箱庭、そこでしか生きられなかった馬鹿な子ども、彼らが得た罪。そんな世界を終わらせたい、という願望と、それを象徴する炎。終わらない明日への不安。
文庫一冊の中にそんなテーマが複雑に渋滞して、とにかく作者さんの熱意は伝わるのですが…正直、結局何に焦点を当てて読めば良いのか、がいまいちはっきりしない。
筆が先走ったような、とでも言うのか、文章も晦渋な言葉を使っている訳でもないのにやや描写が分かりづらく、読みにくい。
登場人物の過去に関わる人間もエピソードも多すぎて、とっちらかって散漫な印象。
それでも、複雑さは奥の深さでもあり、内省的な心理描写はとにかく繊細で、本当に色々なことを考えさせられるお話でした。
2回、3回と読んだらもっと得るものが大きいだろうな、という一冊。
また、ヒューマンドラマ的要素が強いためあまり"萌える"という作品ではなかったですが、それでも
物事を知らず視野が狭く依存心の強い子ども、それでいて仕事に対する責任感、矜持は確固たるものを持っている年下攻め
あけすけでドライ、図太い様で、本当はとても神経質で繊細で臆病な、綺麗な年上受け
(…などという、分かりやすく記号的なキャラクター性ではない、もっと複雑な2人なのですがともあれ)
そんな2人の関係性はなかなか美味しかったです。笑
そして噛み合わないなりに、とりあえず今一緒にいよう、明日どうなるかは分からないけれど。という彼らが、この先どういった人生を歩むにせよ、それぞれ幸せに生きて行ければ良いなあ…と思う。
そんな作品でした。