Krovopizza
aisare mitsugetsuryokou
華藤えれなさんデビュー20周年記念同人誌・春号。
次回は「秋号」または「冬号」になるとのことです。
この春号は、比較的最近の商業作品の番外編集。
攻め視点のエピソードが多く、彼らが恋人に振り回されたり、ヤキモチを焼いたりする姿にニヤニヤできる内容でした。
いくつか抜粋して感想を書きたいと思います:
■『甘い夜伽 愛の織り姫』番外編「愛され蜜月旅行〜パリの織り姫」
パリの『和の織物展』に参加するため、生まれて初めて海外へやって来た未紘。
フランス人に口説かれても気づかない未紘の天然ぶりに、気が気でない頼人ですが…
天然S?な未紘の毒舌が光るお話。
濃くて、暑苦しくて、いやらしくて…とフランス人のことを語っているのかと思いきや実は自分のことだった、と知ってショックを受ける頼人が面白いです。
天然なのか小悪魔なのか掴めないはんなりした言い回しがいかにも京都人という感じで、やはり華藤さんの描かれる京都BLはいいなと思えました。
本編はシリアスでしたがこの番外編はほのぼのコミカルな内容で、二人の可愛いやり取りを楽しめました。
■『獣王の貢ぎ嫁』番外編「獣王の遥かなるハネムーン」
朔良との新婚旅行でコート・ダジュールにやって来たアルベール。
甘い時間を過ごす筈が、朔良はアルベールにジャガーに変身してサハラ砂漠へ連れて行って欲しいと言い出し…
一度は断るアルベールですが、結局朔良の望み通り、彼を乗せてサハラ砂漠を疾走することに。
何だかんだ恋人に甘いところが可愛いです。
朔良は朔良で、砂漠にアルベールの仲間がいるかもという想いからサハラ行きを提案しており、二人のお互いを思う気持ちにキュンとできる番外編でした。
■『硝子のギムナジウム』番外編「ロジオンの回想」
前半は依吹とレックスのイチャイチャで、後半は依吹の養父・ルートヴィヒ視点の話。
彼はコンラートという魔性の男を80年間愛し続けているらしく…
このコンラートは『クリスマスワルツ 伯爵家の情人』に脇で出ていた人物と思われます。
ルートヴィヒとコンラートの話の続きは次の同人誌あたりで読めるとのことで楽しみです。
■その他気になったのは『花蝕の淫―狂おしく夜は満ちて―』の番外編(再録。加筆修正あり)。
本編未読なので詳細はよく分かりませんでしたが、京言葉×ヤクザものという取り合わせが絶妙で、淫靡な雰囲気が大変素敵でした。
機会があれば本編を読んでみたいです。
※ちなみにコラムによると、闘牛シリーズのSSは次回の同人誌に掲載予定とのこと。
闘牛はライフワークなので心の準備が必要とのことで、闘牛への熱い想いが伝わってきました。
秋号または冬号では、闘牛シリーズや『フリージングアイ』などの旧作の番外編も読めるといいなと思いますv