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oboreru taion
濃厚な濡れ場からはじまる冒頭に、甘いお話かと惑わされそうになる本作。読み進めるとなかなか仄暗い展開で、個人的に良い意味で裏切られました。
新聞記者の七飯と、新聞社近くにある居酒屋「かわ瀬」の一人息子で店の手伝いをしているリョウ。二人が深い仲になって約一年経つけれど、七飯は恋人とのセックスで毎度のこと体をトロトロに蕩けさせられしまいます。仕事のストレスをリョウに癒してもらっていると感じる七飯は、男としての不甲斐なさや年下に甘える疚しさを覚えることがちょっぴりあったとしても、離れがたい切なさの方が勝るのでした。
年下攻めに甘く責められまくる年上美人、よいではないの〜とニヤけだしたのも束の間。
同じ新聞記者だった七飯の兄の死と、兄が追っていた殺人事件、その真相解明を託された七飯の使命感が語られるにつれ、ストーリーはシリアスなトーンを帯びていきます。
容疑者だった兄の親友が自殺し、唯一の目撃者だった犠牲者の息子を追跡できないまま事件は時効を迎えようとしており、七飯は制限時間ギリギリまで兄が信じる親友の冤罪を晴らそうと粘っていましたが…
こういう、ダークトーンだけれども結末は明るいお話、大好物です。プラスしてエロも特盛!舞台が福井県っていう、北陸と関西圏(若狭弁)が共存する絶妙なローカル感がまた痺れます。
ちなみに、本シリーズはハイランドさんのラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ(Laquia Super EXtra Novels)略してラキア・"セックス"・ノベルズなので、エロに特化したレーベル作品です笑
ちるちるデータベースによると、本作のみ文庫版が出ているのでしょうか?この二人が気に入ったのなら、『熱病の花』『こぼれそうなハニー』とシリーズになっておりますのでぜひ。