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mushibami no tsuki
「蝕みの月」続編。
内容的には前作を踏襲しさらに掘り下げた感じです。
まさに~深淵~と言える一冊だなと思いました。
いや~~…面白かったです!
先祖の悲恋が絡んでオカルト現象の薄気味悪さもありながら、三兄弟の関係も前作とは違う視点のアプローチで見られて萌えながら一気に読みました。"呪われた一族"というキーワードに反応される方は是非どうぞヾ(*´∀`*)ノ
さてさて。
前作で丸く収まり蜜月期を楽しむ三兄弟。
画廊の経営も形を変えて3人で協力しあうようになります。
そんな中、次男が事故に遭い記憶喪失にーーー。
中学1~2年頃の時分に戻ってしまった次男。
当時は幼くて精神不安定だった三男をベッタリ溺愛していました。
また長兄に対しては畏怖の念を持っていて距離があった頃です。
現在の恋人関係とは違いすぎる過去は双方に戸惑いしか生みません。
記憶が戻るまで静養をさせようと件の別荘へ。
そこで次男は度々悪夢にうなされるようになりーーーと展開します。
前作でも語られた「汐月家の呪われた血」
昔の出来事が次男の悪夢を通して次々に明らかになっていきます。
汐月家の財を築いた曾祖父(弥一)の言葉が繰り返し響きます。
義弟と通じ合わないまま終わってしまった悲恋。
殺されてしまったのに責を追えなかった悔恨。
汐月家のために全部犠牲にしてきたと子孫への呪い。
曾祖父の怨霊?の勝手な言い分には呆れるばかりですが(別荘で行われていた凄惨な売春も自分がやったことなのに子孫に責任をおしつけるとかバカじゃないのと思ってしまった)、大正~昭和初期特有の陰鬱な雰囲気が纏う口に出せなかった片恋は作品にマッチしていてググッと世界観に入り込みました。
で。
記憶を失った次男は萌えを引き起こしてくれます!
三男へは「子供を溺愛」するように接する。
ご飯をわけてあげたり、お風呂で体を洗って上げようとしたり。
"自分が側にいてあげなきゃ!"と言う思いが強いのですね。
三男の姿がないと追い求めて泣きじゃくる不安定な状態になります。
そんな次男を苦い思いでみている長兄がーーー!(∩´///`∩)
次男の態度が違いすぎてそりゃーもう嫉妬の嵐なんですよ。
そんでドンドン闇に取り憑かれてしまって危ない方向へ…。
長兄は三兄弟の中で一番繊細で弱い人なんですね。
昔から次男を愛してたけれど報われることはないと諦めていた。
でも前作で次男は長兄を「愛してる」と言ってくれた。
長兄にとってはこれが最大の奇跡だったのです。
でも記憶喪失によってその奇跡も失ってしまった。
「一度目の奇跡が失われたら…二度目はない」
このセリフにズキューーーンですよ。
どんどん自分を追い詰めていって闇落ちしてくのホンッット萌えた!(;///;)
次男と三男が依存しあってるのを見てるだけの立ち位置が不憫でもう…ッ
長兄は見た目と違って内面が弱いところが良きなんですよ。
あと次男と三男がベッタベタに甘く依存してるのも萌えた…。
三男が側で優しくあやしてあげてるの良き…。
幼い頃の互いに存在が唯一だった片鱗が見られて萌え増しでした(;///;)
あと長兄と三男は"3人で"に少なからず不満があって
記憶喪失を機に自分だけのものにしようとしてるところも良かったです。
前作でアッサリ3Pに見えたからちょっとモヤモヤしてたんですよ。スッキリ。
前作は次男が評価のネックと書いちゃいましたが、
今作は怨霊に立ち向かい次男が啖呵切るとこカッコよく、見直しました。