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Sacrifice
こういう作品を待っていました、ありがとう!!
と感謝したいくらいに不幸な受けと身勝手な攻めに私のシリアス好きな心は満たされました。
夢中になって2日で読み終えてしまいました。
そのド不幸さに純粋に心が痛くなる受けでした。
実の父に売られ待ち受けていた攻めには不幸を望まれ監禁され体を暴かれ終いには兄になるよう強要される…。
最初は抗いつつも陥落してしまった体に心も砕かれついには兄になりきろうと必死になってしまう…それはそう命令され渋々従うのではなく、そうすれば愛してもらえる、愛がもらえる。弟の自分自身に向けられたものではないと分かっていても…。
攻めによって着々と変えられていく受けの姿が痛ましくも最高に萌えました。
なかなかに容赦のない展開に大満足です。
と、とても良かった。良かったのですが……正直ラストはちっとも感動しなかったです。
兄のあの気持ちは必要なかったとさえ思ってしまった。
家族愛とはまた違う形のものが見えて正直萎えてしまった。
そんな皆が皆男同士で好きにならんでいいよー…と。
また攻めも色々語ってくれますが、後から気付いたとはいえ受け自身を好きと思っていた部分がちっともリアルタイムで見えてこなかった。
少しでも無意識ながらのそこを匂わせてくれれば良かったのですが、都合のいい後付け部分としか思えなかった。
ラストは皆が望むようなハピエンの形に落ち着きますが、だからこそありきたりというかいつも通りの流れね…と思えてしまった。
この作品だからこそ…の個人的魅力は兄の真実に行き着くまででした。
そこまでは間違いなく神評価だった。
でもなかなかに読み応えある良作だと思うのですが、評価が少なくて驚きました。
シリアス好きには是非読んでほしいです!!
何度も読み返している作品です。
受けが徹底的に追い詰められていきます。
肉体的にハードなプレイがあるわけではないのですが、精神攻撃がキツイので、不憫受け好き界隈の中でも好き嫌いが分かれるかもしれません。
ハードなお話が好きな方、不憫受けが好きな方、少し古いお話ではありますが是非一読ください!オススメします!!
胸が痛い。本当に痛くて悲しくて、でも、カタルシスを思い切り味わえる作品でした。ですが本当に痛いです。苦しいです。わりと終盤まで全く救いや希望を感じられず、「え、これハッピーエンドになれるの?」と焦りさえしました。
なんといっても鴻上涼。彼は私がこれまで出会ってきたBL作品の受けの中で、一番と言っていいほど可哀想な子でした。
BLの受けの子は往々にして不幸な子が多いですが、涼はそれに輪をかけて不幸で不憫です。
代々法曹界に携わっている由緒正しい家系に生まれた涼は、幼い頃から出来のいい3つ上の兄と比べられて育ちます。
自分たちにとって有益か、鴻上の血統を守れるか、そんな判断基準で子どもに価値を見出すような人が両親でしたから、兄ほど出来の良くない涼はやがて親から愛されなくなっていきます。
とある理由も相まって完全に親からの関心を失い家庭内で孤立していた頃、自分をかばって兄が溺死するという不幸な事故が発生。それ以降、罪悪感から兄の俊に成り代わるようにして生きていきます。
そうやって自分を殺して生きている涼の前に、兄の高校時代の同級生だった高槻が現れ、俊を殺した罪を償えと陵辱され…。
おおまかな涼の境遇と物語のあらすじはこんな感じです。これだけでもヘビーですが、読み進めるともっともっとヘビーになります。
まず両親が本当に酷い人たちですし、そこに救いは一切ありません。実は心の底では息子を案じていた、とかそんな優しい展開はないです。父親なんかはもはや鬼畜。
そして攻めの高槻。この人…。読んでいて、終盤まで本当に許せなかった。涼の父親といい勝負な酷い奴です。酷いと言うか、身勝手。高槻は愛していた俊を亡くし、その腹いせに涼を傷つけ監禁し、俊になりきらせて生活させます。俊のうなじには傷があったからと言って、涼のうなじをハサミで切ったり…。その行動や言動に何度ゾッとして、涼を可哀想に思ったことか。
読んでいるこちらが、「もうそろそろ鬼畜な攻めにも情が芽生えてくる頃かな〜」なんて思っても全然芽生えてこない。「もうそろそろ、俊じゃなくて涼を求め始めるんじゃない?」なんて思っても俊を求める。
徹底してます。
自分を見てくれない、愛してくれない高槻に、それでも必要とされていたいと願ってしまう涼。彼はやがて精神のバランスを崩していき、ついには摂食障害にまでなってしまいます。始めの頃は威勢よく抵抗したり悪態をついたりしていた涼が、見る影もなく弱々しくなっていく姿は痛い。高槻コノヤローとなること受け合い。
そこからなんやかんやあってエンドを迎える訳ですが、そこから先はぜひ読んで確かめてください。可哀想な受けが好きな方のツボは外さないと思います。個人的にはもっと評価されて欲しい作品です。攻めが身勝手な人なのに、腹立つのに、それでも大好きな作品なんです。
純粋で寂しい、愛に飢えた子ども。そんな受けの涼が痛々しくも、とても魅力的でした。それに腹違いの弟、健史の存在もありがたかった。作中唯一の癒しでした。そんなに出番があったわけじゃないけど。
そして、今は亡き兄の俊。読み進めると彼の意外な真実(真意)が分かります。未読の方はお楽しみに。
どっぷりとカタルシスを味わいたい方、ぜひぜひ読んでみて下さい!おすすめです!
とても痛くせつないお話でした。
誰にも愛されない孤独な凉に泣けます。
タイトルに書いた『愛に飢えた・・・』はあとがきで作者様が凉のことを言っているのですが、そのとおりでした。
凉は本人も知らないある理由で親から愛されなくなります。
ある日兄である俊が凉を海へ誘うのですが、誤って岩場から落ちた凉を助け死んでしまいます。
その事件がきっかけで母親は凉にひどい言葉を残し家を出て行きます。
凉は自分だけが助かったことに罪悪感を持ちながら、兄の代わりに生きることが償いだと信じています。
そんな凉に俊を好きだった征一が薬を使って陵辱し、手錠と首輪で部屋に閉じ込めます。
俊に執着する征一が凉を責める気持ちはわかります。
でも実の兄を死なせてしまったことを一番悔やんでいるのは凉。
なぜそんなひどい仕打ちをするのかとやるせないです。
最初は抵抗していたものの、ある日を境に2人の関係が変わっていきます。
征一は凉のことを俊と呼び、凉は少しでも俊と同じようにと振舞います。
捨てられ、独りぼっちにされることを恐れ、自分を懸命に殺そうとして。
両親からも愛されなかった凉は身代わりでもいいから愛されたかったのかな。
俊と同じようにしなければ征一に愛想を尽かされる、そう思い込んだ凉は徐々に精神的、身体的に壊れてゆきます。
なぜそんな状態になっているのかを征一にはもっと早く気付いてほしかったです。
ラスト、凉の名を呼ぶ征一にホッ。
少し泣きたいなぁと想っている方にはいいのではないかと思います。