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文庫化再販になっている同名タイトルの新書版で、作者の同人誌版を
大きく膨らませて出版されたものです。
レトロな時代背景に、自分の意思ではどうする事も出来ずに諦めるように
生きてきた受け様が、攻め様と出会った事で生まれて初めての恋心に
戸惑い傷つき、それでも互いに惹かれあう気持ちを止められずなんて話。
実の叔父に愛人のように扱われ、実母が女郎だった事から周りにも
蔑まれ、父親に捨てられ、一人ではどうする事も出来なかった受け様。
そこへ現れるのが叔父で義父でもある画伯の内弟子としてやって来た攻め様。
互いに初めから惹かれあっている雰囲気だけど、攻め様は日本画家を
目指す為に、色事や遊ぶに目を向けることも無く、惹かれる気持ちを
叱咤するように、受け様の存在自体に目を背ける。
受け様はそんな攻め様の様子に嫌われていると思い込んでいて、それでも、
自分の生い立ちや、今の立場を軽蔑されているのだと悲しみと共に諦める。
互いに相愛なのに、互いの背負う背景が二人の仲を引き裂くような感じで、
攻め様はそのもどかしい思いから受け様をかなり傷つける事をするんです。
可愛さ余って憎さの世界でそこに更に嫉妬も含まれる。
それでも、時々見せる受け様に対する優しさに受け様は戸惑い、
攻め様への苦しい思いで、攻め様の事しか考えられなくなってしまう。
誤解と擦れ違いで、このまま流されるように離れて行ってしまうかに
思われる展開が、攻め様の突然の事故で思わぬ流れになる。
何もかも捨てて、互いだけを必要とするようなラストです。