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愚問だな。若葉が嫁で、俺が旦那だ。
yome ni koi ayakashi iyashi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
あらすじ:
山奥の大叔父の家で暮らすことになったフリーターの若葉(受け)。
大叔父の家に突如現れた虹龍(攻め)という謎のイケメンは、若葉を嫁と言って憚らず…
バイトはしているものの、特に目標もなく生きている若葉。
そんな姿を見かねた両親に、山奥の大叔父の家に送られてしまいます。
大叔父の家には謎のイケメン・虹龍だけでなく、子鬼や茶釜妖怪など様々な妖怪が出没。
最初は驚くも、徐々にそんな暮らしにも慣れ、デバガメな妖怪たちに悪態をつくほどに。
頼りない若者かと思いきや、意外と気が強く逞しいところが面白いキャラクターです。
虹龍は、昔若葉を嫁にすると約束したらしい謎多き人物(冒頭のシーンで読者には正体が分かってしまいますが)。
若葉に思い出してもらえなくても無理やりコトに及ぶようなことはせず(キスやハグはしますが)、ピンチのたび若葉を助けてくれる姿がカッコいいです。
若葉を溺愛するあまり言動にちょっと残念なイケメン感が漂っているところもご愛嬌で、ツンデレな若葉とのやり取りに萌がありました。
フリーターが特に何の努力もせずイケメンの嫁になり、大叔父に見出されちょっとした仕事も得る…という都合の良い展開はあまり好きになれませんでしたが、ほのぼのコミカルな雰囲気は良い感じ。
桜城ややさんの挿絵のおかげもあって、楽しげな作品に仕上がっていると思います。
フリーターの若葉(受け)はエリート一族の中であまり出来の良くなかったため、家族の中でも浮いた存在でした。
構ってくれない両親に反抗し高校もあまり行かず、辛うじて卒業しますが、就職もせずフリーターをしています。持て余した両親に田舎の大叔父のところに行くようにと体よく厄介払いされます。
若葉自身もこの家族の中にいるのに違和感を覚えるようになっており、大叔父もエリート一族の中では変人で、親戚の中で唯一気が合う人だったのでしばらく厄介になろうと訪ねていくことにします。
コンビニもスーパーもないような片田舎にやっとたどり着くのですが、そこには大叔父とは別に龍(攻め)という男がいて、なぜか嫁になるように迫ってくるのです。
若葉は小さい時からあやかしが視える体質で、大叔父からは後継者候補だと言われています。大叔父はあやかし専門の薬師で若葉は跡継ぎとして薬師になるための修行をするために大叔父に呼ばれたのでした。大叔父の住む家には幼稚園の時に一度訪ねただけでしたが、そのときに龍に会っており川で溺れているところを助けてもらい嫁になる約束をしていたのでした。が、その後熱を出してしまいその時のことはすっかり忘れてしまっています。名前の通り龍の本性は龍なのですが大叔父も龍も自分で思い出すようにと正体について教えてくれません。
龍は怪我をしているところを若葉が持っていた大叔父から貰った薬を付けてもらい、自分を恐れない若葉を気に入ります。その後、若葉が川で溺れているところを助けた後、嫁にする契約をして去ります。
自分のことに興味を持ってもらう為、自分からは正体について話そうとしてくれません。聞きたがったら教えようと思っていますが、意地っ張りな若葉が聞こうとしないため、正体をなかなか明かしません。
家守の小鬼や付喪神の茶釜や錦帯などがにぎやかであやかしとのじゃれあいはとても癒されました。が、なにせなかなか正体を明かさないせいで話が進みません。
大叔父について若葉が修行をしながら時間がすぎ、このまま終わっちゃうんじゃないかと思うくらい遅々としています。
起承転結の承が長く転結が一気にきたって感じでした。というか、私的には起承で終わったような感じがします。
古井戸とかよそからのあやかしとか若葉の修行になりそうとか伏線となるのかなと思われる話題はあったのに何も回収することなく、さらっと終わってしまったので、拍子抜けでした。
設定としては興味深かったし、二人の痴話げんか(いちゃいちゃ?)ももっと読みたかったし、薬師の話を読みたかったです。続きがあるならここで終わっていてもいいんだけど、これで終わりならちょっと消化不良です。続きがでるならぜひ読みたいです。
そして、桜城ややさんのイラストはとてもよかったです。龍はかっこいいし、本性の龍の姿のときは神々しいし若葉はかわいいしで話に華を添えていました。
20歳のフリーターの若葉(受け)は、父親から外聞が良くないと言われ、山奥に住む大叔父の元に送られる。大叔父宅は子供の頃に一度訪ねたことがあり、大叔父のことも好きだったので素直に従ったが、到着してみれば大叔父宅には不遜な色男・龍(攻め)がいて、若葉を「俺の嫁」呼ばわりしてきて…。
子供の頃に結婚の約束をした人外と再会、というファンタジーBLです。
花嫁ものファンタジーBLといえばこれ! 的なありがちな設定でした。受けが二十歳の時点で金髪ピアスのソフトヤンキーだというのがちょっと新鮮でしたが、それがほぼ活かされていなくて、何のために地元のスケボー仲間やらの描写が必要だったのか謎。他にも、伏線かなと思うようなエピソードや説明の空撃ちだらけ。たとえば大叔父宅にいる小鬼がやたら描写されていたのに何の役にも立たない。思わせぶりに名前まで付けたのに…これは後に受けが危機に陥ったのを小鬼が助ける流れでしょうよ…。他にも受けの小指の爪を大物の妖怪も欲しがると言ってたから後々そんな事件が起こるんだと思っていたのに起こらない。受けが親と折り合いが悪いって設定も、そのために大叔父の家に来たという理由にだけ使ってあとはほったらかし。何の事件も起こらないまま終わってしまって、事故に巻き込まれたのは受けの大叔父だけ、それを助けるために受けが攻めを頼り、それがきっかけで2人が結ばれましたというオチに至っては、何だそりゃ! と思ってしまいました。
受けが山奥に来るためだけの親との不仲設定や、個性感を出すためだけのソフトヤンキー設定など、あまり活かされない設定の説明にページを取られ、受けと攻めが関係を育む肝心なところがおざなりでした。攻めは大叔父を助ける以外には超小物な妖を追い払うくらいにしか活躍しないし、そのくせその程度のことや荷物を運ぶくらいの仕事にいちいち報酬を求めるし、セコすぎて格好良さも感じられなかった。