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utakata no tsuki
腐とは関係なしにその時代が好きだったため、手に取ってみました。
なお、私が読んだのはこの新装版が初めてで、以前のバージョンは読んでおりません。
激動の時代。革命をテーマとして扱っているため、全体的には重苦しくシリアスな雰囲気が漂っています。
ただし、メインはあくまでも恋愛。
二人の関係に萌え萌えしながら読んでいました。
そして、別離のシーンは本当に切なくて……。
最後まで読み終えると、本当によかったね……と言いたくなります。
個人的には、血を残したくないという思いが、男性同士の恋愛としてうまく噛み合っているなあと思いました。
なお、番外編は甘いです。最後まで読んだ人へのご褒美でした。
そして、下の方も書いておられる「周辺国の様子は史実通りなのに~」というのは、逆に私にとっては萌え要素でした。
本人たちが知らないうちに崩壊する箱庭のようで……。
「知らない幸せ」とでもいうのでしょうか、漂う儚さ、不気味さがよかったです。
2007年の作品の新装版。
書き下ろしアリです。
あらすじ:
明治35(1902)年、日本陸軍大尉の敦(受け・25歳)は、留学生と身分を偽り、東欧の大国アラニアに入国。
現政権を反ロシア派に変えるという任務を遂行しようとするが、謎の男・フェレンツ(攻め)に、秘密警察に正体をバラされたくなければ身体を差し出せと脅され…
日清戦争、日露間の摩擦など、史実通りの世界観。
周辺国の状況が比較的史実通りなのに対し、架空の国・アラニアの内政・外政の描写にどうしてもファンタジー感があり、近代モノとしてはちょっと物足りない印象です。
最初は強引傲慢な大人攻めとして登場したフェレンツですが、後の彼視点のエピソードで、実は敦より年下と判明。
その後の年下ワンコっぷりも可愛いと言えば可愛いですが、彼の正体や設定を考えると、色ボケな部分や子どもっぽい部分はあまり萌要素にはならないかなという感じ。
出来れば第一印象のままでいってほしかったです。
敦は、フェレンツに反発しつつも身体で懐柔されてしまうほだされ系のキャラクター。
国の大事な任務を任されるような優秀な人物には見えませんが、フェレンツを身を呈して庇う等、軍人らしいカッコよさも見せます。
全体として、設定が壮大な割にストーリー展開がチープで、どうしても作り物っぽさを感じてしまう内容。
10年後、20年後の番外編など、周辺国の様子は史実通りなのにアラニアだけ何事もなく平和なようで、それは流石に無理があるのでは…と感じてしまいました。
ただ、歳をとってもラブラブな二人の姿には萌。
特に20年後の番外編(書き下ろし)、40代になった二人の挿入なしのHシーンは、甘々かつ穏やかで良いなと思いました。
この書き下ろしが結構好きだったので、評価はギリ萌かな、という感じです。