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shinitaibyo ni kiku kusuri
受けの涼也は病んでる優男って感じです。
美しい容姿を持っているとされていますがそれ以外は普通の病んでる人です。
とにかく臆病で弱くて優柔不断。
そんなダメダメな涼也ですが私は嫌いになれませんでした。
むしろ共感する部分がかなりあったかも。
ふつーに女の人と恋愛して平凡な日々の中でたまに死にたくなったりして。
双樹とサラの双子それぞれと関係をしたあとに双子の男女それぞれを経験した倒錯的な興奮を素直に表現したり。素直ですよね。
そういう自分の欲望に素直な感じも悪くないなって思います。
双樹さんはとにかくスパダリです。
イケメンで仕事もできて女にもてます。
挿絵が美しくて双樹のかっこよさが際立ちました。
お気に入りの本です。
あらすじ:
自殺願望があるリーマン・涼也(受け・27歳)は、ある夜出会った美貌の男・双樹(攻め・27歳)と一夜を過ごすことに。
一夜限りの関係の筈が、後日思わぬ場所で再会し…
涼也は双子の兄を亡くし、そのことで母親から愛情をかけずに育てられた人物。
自分の人生は兄の人生でもあるという感覚で生きており、このため自殺願望があってもなかなか死ねずにいます。
ゲイではない涼也ですが、自分を罰するかのように行きずりの男との関係を繰り返しており、ある夜、双樹という同い年の男と一夜を過ごすことに。
後日、同僚の紹介で女性と付き合い始める涼也ですが、実はこの女性と双樹は双子の兄妹で…という展開。
涼也が恋をすることで兄の呪縛から解き放たれるような展開ですが、涼也が受け身すぎて、作品のテーマにいまいち説得力が感じられないのが残念。
黙って立っているだけで双樹や妹や、エステサロンの女社長に気に入られ、
それぞれと関係を持つも、誰に対しても自分からは積極的に好意を示さず、
妹に対しては同僚を通じて一方的に別れを告げ、
双樹からも逃げようとするも、追いかけてきてもらってめでたくラブラブに…
と、全体としてひたすら涼也に都合の良い世界という感じで、物語としての面白みがあまり感じられませんでした。
双樹と妹のお互いからの自立、というテーマもあったようですが、
二人とも涼也に対して物分かりが良すぎる面ばかりが目立ち、
彼ら自身の未熟さや成長といった要素は、作中の描写からはほとんど伝わってきませんでした。
双子同士のカプという設定や、流れ雲のような涼也の性格、お洒落な雰囲気など面白くなりそうな要素は多いだけに、展開としてあまり工夫が感じられなかったのは残念。
すみませんが、中立評価とさせていただきます。