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sayonara koi ni naranai hi
前半は淡々とストーリーが進んでいくのですが、
後半ある展開から一気に盛り上がっていきます。
私はこの盛り上がり方に感動して、思わず読んでて
うおおぉと声が出てしまいました笑
受けの雪谷は前半、クールで淡々とした人物なんですが後半ホテルに行ってからはかなり人間味溢れる感じになり、かつ慎に対しても気持ちを正直に話し始めて可愛げが出てきました。
個人的な趣向では湯原との組み合わせが好きなので、ホテルのシーンはかなりドキドキさせられました。湯原と松來サイドの話も気になるな〜
とにかく後半の展開が私好み過ぎたので、文句なく神評価です!
サラリーマンの受けが、カフェ店員の攻めと知り合い、行き場のない攻めをしばらくマンションに住まわせることになる、というお話です。
受けは、出来すぎた幼なじみ兼親友を持ったせいで、自分がいつも脇役で、親友のおまけのようだと感じている人。受け自身かなりの美人さんなのに、親友がイケすぎてて自分の家族までもが自分より親友に注目するという始末。
そんな受けはある日、行きつけのカフェの店員が泥酔して倒れているのを発見し、成り行きで自宅マンションに連れ帰ります。それがこれまでに味わったことのないドラマティックな展開で、ちょっと心が浮き立ちます。
攻めは、行方不明になった叔父を探すために大学を休学し、カフェでバイトしながら知り合い宅やネットカフェを転々としているイケメン。受けに「しばらくうちにいていいよ」と言われ、居候することに。
ページ数の半分くらいまで、延々出会いと回想と日常生活の描写です。同居するようになってからも延々日常描写で、恋愛が始まるような気配はありません。
受けの視点の話なのですが、受けは自分の気持ちにすら目隠しをしてクールを装っているキャラなので、ひたすらサラッとした描写。攻めは攻めで、叔父さんを探しているばかりで、それ以外のことには執着がない印象。
半分くらい過ぎたあたりでようやく身体の関係ができます。それからは、それまでのサラサラ感が嘘のような甘々いちゃいちゃな雰囲気になります。初めての受けが内心アワアワしながら抱かれるのがすごく萌えました。でも攻めの気持ちは相変わらず受けにも読者にもわからない感じ。
サラサラ、甘々のあと、一気にストーリーが展開します。これまでいい子ちゃんだった受けがドカンと爆発するのがなかなか面白く、それまでに別に攻めにムカついていた訳でもないのになぜか攻めザマァ感がありました。
受けの親友や、攻めの叔父も、あとあと絡んでくるとは思っていたけれど意外な登場で、楽しく読めました。エロはとっても良かったです。お初も、甘々も、ラストも、それぞれ違ったエッチの仕方で良かった。
ただ、やっぱり構成的に、起承転結の起(サラサラパート)と承(甘々パート)が長過ぎて、転結があっという間だったのはびっくりだったかな。
あと、個人的に、受けと受けの親友がデキちゃったほうが好みのカップリングな気がしちゃいました。(笑)
綺麗なタイトルとデザインが素敵です。
切ない恋物語が綴られるのを連想したのですが少し違いました。
読み始めは思ってたのと違うなーという残念さがあったのですが、
それでも全てが変わる後半にはキュンキュンしっぱなし!!
もし、あの時、1歩違えば。
もし、あの時、感情を鈍らせていなければ。
運命の歯車というのは些細な差なんだなぁーとシミジミ感じました。
出番は少ないですが脇CPも含めて4人の関係性が面白かったです(﹡´◡`﹡ )
優秀で人望のある幼馴染の影に隠れてしまうのが当たり前で、自分の存在価値が薄い受けと、
子供の時から叔父さんに恋をして、長年叔父さんだけを追い続けた攻め。
出会った当初から中盤までは非常に淡々としたモノでした。
充分なドラマチックの種は植えられてんですが、いかんせん主軸になる受けのモノローグが幼馴染と自分を比べては「自分は平凡だ」と何度も言い聞かせてるもんだから、淡々とした印象になっていく( ̄▽ ̄;)
幼馴染の影になるのが当たり前だったがゆえに、自分も1度くらいは主役になりたいと密かな思いに蓋をして諦めてきた人生。初めて訪れた非日常にワクワクしたり、「やっぱり自分は…」とシュンとしたり、浮き沈みのある受けのモノローグが可愛いです。
成り行きで受けの家に居候することになった攻めも控えめで出て来ず、会話も必要最低限。
見知らぬ他人の言葉にスルッと甘えるけど礼儀正しくて好印象…なんだけどどこか小骨が引っかかるというか。色々身の上話はするけれど何かを隠してる感じがして、それが吉と出るか凶と出るか…と思いながら読み進めてたのですが。。。
(萌え的な意味で)大吉だったーーーーー!!!!ヾ(*´∀`*)ノ
隠してた事実が受けを傷つける結果は個人的には大好きな設定ですw
下の名前で呼ばれる喜びを感じてた受けが、とある事実の発覚後は「名前呼ぶのやめて?」とやんわり拒否して、その言葉に攻めもショックうけて。名前の呼び方も2人の距離を表すバロメーターになってて、他人の状態から近づいて甘くなって遠くなって…と萌える箇所でした♪
幼馴染側の感情はなんとなく漂ってたのでやっぱりかーと思ったけど、とある事実は想像が及ばずただただビックリ。本人らにして見たら遣る瀬無い思いで深く傷つくんだけど、個人的にはすごく良いっ…(∩´///`∩)
前半の淡々とした流れに撒かれてたドラマチックの種が、後半になるとバンバン咲き始めて萌えを堪能出来ました♪全てが丸く収まった後は脇CPの存在のおかげで嫉妬祭り(と言う名のイチャイチャ)が開催されるのが最高です( ´艸`) ♡
20年近くも親友としてそばにいながら、雪谷に恋心を告げられなかった湯原と、湯原へのコンプレックスから誰も本気で好きになれなかった雪谷。二人は本当には心を開いて付き合ってはいなかったのですね。切ないし、もったいなかったと思いました。
湯原の転勤で、その後二人が本心を話す機会がなければ、それまでの年月は辛く、あまり意味のないままだったのでしょう。
湯原の恋人・松來が、慎がずっと好きだった叔父で、自分そっくりと知った雪谷は、初めて自分の中にある嫉妬や自己嫌悪など負の感情と向き合うことになります。そして、毎日を物足りなくしていたのは自分だったんだ、と気づきます。湯原も、松來を好きになり、自然と雪谷への気持ちに区切りをつけられて、長い間の片思いを過去のこととして雪谷へ明かすことができました。心からぶつかって、雪谷と湯原は、やっと本当の親友になれたのではないでしょうか。雪谷と松來がそっくりだったからこその展開で、偶然にも必然にも思えるその設定が面白いと思いました。
タイトルの「恋にならない日」は、湯原と雪谷の20年間のことだった気がします。物語は雪谷の視点でしたが、それぞれに心から好きな人を得て、前向きに幸せに生きていく結末だったので。
渡海さんの作品は初めて読みましたが、心理描写が細やかで、読み返すたびに引き込まれました。特に、慎に強く求められた雪谷が嬉しいと感じる気持ちが素直に伝わってきて、ドキドキしました。
年下ワンコ攻め×美人受けの同居もの。ややシリアスな作品です。
すごく萌えるシーンも数多くありますし、年上の美人を甲斐甲斐しく世話するワンコ攻めにも好印象なのですが…。
個人的に、受けの卑屈過ぎる部分が微妙に引っかかりました。イラついて仕方ないという程ではなく、読んでいてそんな部分がチラチラ表れると、ちょっと「おいおい!」て感じで。
とは言え、最後には自分自身でその事に気付き…とちゃんと後味は良いです。
みずかね先生の美麗なイラストも相まって、ややしっとりと落ち着いた雰囲気が素敵な作品でした。
長年、皆に愛され中心になる親友と一緒に居た事で、自分は「主人公にはなれない」と思い込んでいる雪谷(受け)。その親友・湯原が海外転勤し、つまらない毎日を送っていた所、行きつけのカフェ店員・慎(攻め)が街で酔い潰れているのを発見します。住む場所も無く、行方不明の叔父を捜すという彼を、部屋に置いてやる事になりますが…というあらすじです。
受けの雪谷はそこそこの企業に勤め、見た目も悪くないのに、やたらと自己評価が低いです。「自分は主人公にはなれない」と事ある毎に呪文のように繰り返してるのですね。そこ以外は、面倒見もよく思いやりもありと、いい男なのです。しかし、毎度なにかある度に、「湯原なら~なのに」とか、「やっぱ俺だとこんなもんだよな」て感じで、このあたりは正直うっとうしい! 長年、優秀な親友の陰になっていた事で、ちょっと思春期をこじらせちゃってんじゃないのかな…という印象。
攻めの慎は真面目で落ち着いた印象。雪谷に対してはワンコぶりを発揮。彼が雪谷の世話を甲斐甲斐しくやく姿は微笑ましいです。行方不明の叔父を捜しに、東京に出て来た大学生ですが、それだけではない複雑な事情を抱えていて…。
雪谷と慎、湯原に行方不明の叔父…と人間関係が結構複雑に絡んできます。
その事で、雪谷と慎がすれ違い、雪谷は打ちのめされて…と辛い展開。
そんな中、一点の曇りも無い完璧な存在だと思っていた湯原が、実は初恋こじらせ系の努力家だったり(好きな子に格好いい姿を見せたいというヤツ)、彼から見えていた雪谷の姿だったりが分かるのが萌え所。
雪谷が彼に対して、親愛の情だけではなく疎ましくも感じていたように、彼も雪谷に対しては、友情だけではない、相当な執着を抱えていたのですね。
このシーンがですね、ホテルのベッドに雪谷が浴衣姿で突っ伏して、隣に湯原が笑顔で座って…というイラストが入ってます。このイラストの雪谷が可愛すぎて悶えます…。(//∇//)
その後入れ替わりで慎が訪れ、「この格好で他の人と二人きりだったとか…」とキレる所までがセットで萌えます( ´艸`)
絡みは2回。
1回目は、二人でお酒を飲みながら心情を吐露するうちに…というもの。お酒で訳が分からなくなって流される受けにも萌えるのですが、年下らしくガツガツ求めてくる攻めも萌えます!
受けの卑屈過ぎる部分にちょっとイラッとはしますが、落ち着いた雰囲気で心情をしっかり読める作品です。みずかね先生のイラストも最高でした!
幼馴染の湯原がいくらデキる男だからって
自分が主人公になれないと思い込んでいるのは
正直どうなんだろうとは思ったんですが
読み進めていくと色んなことを諦めてしまう気持ちに
だんだん共感してしまいました。
彼女がいても本気になれず、激しく求められたこともなく、
だからこそ出逢ってまもない年下男・慎が
自分の叔父にずっと片想いをしているのが
羨ましく思えたんでしょうね…。
雪谷は優しい男だから慎を慰められるならと
手慣れた愛撫に流されるのも
腹をわって話をした後だから気を許してしまったのかな。
雪谷はゲイでもないのに最初から挿入はさすがに…と
気にしなくていいところを気にしてしまいましたけど
慎はテクニシャンでしたので←
それにしても湯原が会わせようとした恋人がまさかの…という展開、
想像していなかったのでえらく傷つきました…。
切ないんじゃなくて、雪谷に妙にシンクロしてしまい、
ほぼ泣きそうに……。
後日湯原の本音も聞けますし
ちゃんと慎とも話し合い出来ましたけど
居酒屋のシーンはキツかったです。
自分でもバカだとは思うんですが
わざとそのページをまた読んでみて
ハピエンだとわかっていても
やっぱりぐさぁっと斬られる感じ…Mか……。
みずかねりょうさんのイラストが美しいから
尚更感情移入してしまったのかもしれません(どういうこと)
なにはともあれ、ようやくかけがえのない愛を手に入れられて
もうこれからは“主人公になれない”なんて思わずいられる!
めいっぱい慎に甘やかされて欲しいです。
みずかね先生だし、ギャルソンエプロンだし、美人さんだし、
前に主従もので面白かった先生だったし、
どうにもこうにも気になってしょうがなくて購入。
おかしいなーめっちゃ本に呼ばれたと思ったけど、
今一つ盛り上がれず 萌どまり。
表紙からは切なさ全開 というイメージだったのだけど。
甘くないものが好きで、受けさんぐるぐるしてるのが好きな方は
いいかも です。
1.挿絵話
カラー口絵は二人の着衣、座位でのキスシーン。全面セピア色?でシックな絵。
中の絵は、イタしておられるところ2枚。
そのほかは攻めさん勤務先のカフェの図や、
攻めさんを労わっているところや、受けさんと幼馴染の会話シーンなどなど。
個人的に一番好きなのは、イタしておられるところの1枚(座位)。
受けさんの表情がすんごく色っぽい。。。。。
残念だったのは、受けさんのみリーマンで、ふつーのリーマン設定 かつ
細身なスーツ姿だったこと。
攻めさんのごっつめな胸板で ダブルのスーツ とか
スリーピースが見たかったかも。
2.主要人物は4人。
攻めさん:田舎から上京、カフェでアルバイトしながら
連絡とれなくなった叔父さん探してます。大学生。ゲイ。
受けさん:IT企業勤めのプログラマー。なんでも卒なくこなせちゃうが
いつも幼馴染の次。2番手。求めることもなく求められることもなく
平凡な人生だなーと自分で感じている。ノンケ。
幼馴染:どこでも中心になるタイプの人物。なんでも一番。
優等生なだけではなくやんちゃなこともやる。
受けさんとめちゃ仲良しだった。現在海外勤務中。
叔父さん:小説家。ある日連絡取れなくなる。
馴染みのカフェ店員が酔っぱらって倒れてたので
自分の家に うんこらしょと連れて帰り、すったもんだあって
求められたことのない受けと、好かれたことのない攻めが
くっついちゃいました な話。
おばかな私には、どうなるのどうなるの?と先がよめず
途中は先が気になってしょうがなかったです。
エチシーンは適度にありましたが甘さは少ない気がします。
受けさんが「誰からも求められてない」と寂しかった自分に気付くところとかは
凄く共感し、名前呼ばれて求められて、嬉しくて。。。。というのも
よくわかるので、その辺は好きでした。
なんだけど、どうも今一つ 期待していた切なさが足りなかった気がします。
******************* 以下はネタばれてもいい方のみ
サブカプの方が気になる!
私にとってはみずかね先生の眼鏡君二人目だし!!
ケンカップルっぽいし、攻めさんと思われる方が陽気っぽいし
でも鬱屈としたものを抱えていたようだし。。。
皆ゲイ! ってのはあんまり好きではないけど、
こっちのカプ読みたいなあ と思いました。
雪谷は、それなりの企業に勤め、そこそこモテる会社員であるが、自分は主人公にはなれないと思っている。
その原因は、幼いころから一緒だった、親友の湯原が主人公タイプで、全てにおいて雪谷より一枚上手だったから。クラスメイトも雪谷の家族でさえも、口を開けば「湯原」「湯原」。 何をやっても勝てない雪谷は、すっかり諦めてしまった。
そして、その湯原が海外転勤してしまってからは、誰かと出かけることもなくなり、つまらない毎日を送っていた。
日課は仕事が終わった後に、毎日行くカフェでの夕食。
ある日、そのカフェの店員が雪谷に話しかけてきた。
どうやら雪谷が持っていた本が、彼の叔父の著作であったようである。
普段、あまり人と楽しく話すタイプではない雪谷であったが、彼との話は不快ではなく、好感を抱く。
そんなある日、その店員・慎が、街で酔い潰れているところに遭遇する。
その出来事を、今までなかった自分の身に起きたドラマだと感じた雪谷は、行方不明の叔父を探していて家なしだという彼を、しばらく部屋に置くことにした。
という話でした。
淡々とした毎日を送っていた日常に舞い込んだハプニングを楽しもうとしたところ、思った以上の引力で振り回されて、大変になってしまって、感情が上へ下へとアップダウン。
びっくりするようなことが起こった後に、ぐちゃぐちゃになった雪谷を慎が迎えにきてハッピーエンド。
書くと結構、バタバタな話のように感じますが、慎が街で倒れるところまで、半分程度、そこから実際に雪谷が慎に振り回されるようになるまで少しかかるので、全体的には落ち着いたトーンの話でした。
コメディトーンではなく、日常を大事にする話を読みたい方にはオススメします。
カフェの店員と常連客という関係が、一冊の本をきっかけに仲良くなり……というスタートでしたが、受けの幼馴染が受けの回想の中でやたら登場するので食傷気味になりました。
「あいつはあぁだった‥‥ それと比べて俺は‥‥」「あいつだったら‥‥」みたいな感じで、何かと比較の対象として登場してくるんです。
受けだって誰もが知る大卒で、その分野では知られた会社に在籍し、見目も決して悪くないのに、幼い頃からずば抜けていた幼馴染と何かと比べられてきたせいで自分は凡庸だという呪縛にかかってる。
小学生の頃から片思いしつづけていた叔父が音信不通になってしまい、家出同然で上京してきた攻めを家に住まわせてやることになるんですが、攻めと酒に酔った勢いで寝てしまう時も、男と寝たなんて幼馴染に自慢できるかな?なんて思ってる受け。
幼馴染に張り合うために、男に抱かれて優越感を感じるノンケという思考回路がまったく理解できなかった。
そのくせ、幼馴染には劣等感や嫉妬を感じたことがないと言ってるんだけど、なんとも説得力のないことよ……!
そして途中で攻め、受け、攻めの叔父さん、幼馴染の四人が顔を合わせてしまう修羅場になるのですが、そこで受けの顔が叔父さんとそっくりという事実が判明します。
「誰でも無い自分を選んでほしい」願望がやたら強い受けなのに、叔父さんにそっくりだから攻めが自分に近寄ってきたという事実を知って傷ついている受けが可哀想だった……。
その後、最初はそっくりだと思ったけど途中から全然違うと思うようになったと攻めも幼馴染も弁解してるけど、やっぱりモヤモヤします。
攻めにも受けにも、そして幼馴染にもあまり共感できなかった……。
叔父さんは陰が薄すぎて共感するまでに至らず。
(気弱そうに見える叔父さんが、「泣きながら、鈍器握り込んで殴りかかってくるような奴」だとか、ちょっ!そこ詳しく!!って思いました。)
とにかく幼馴染の存在感が半端無いせいで、私の中で幼馴染と受けの物語みたいな感じになってしまい、幼馴染の辛く長い片思いが成就してたら良かったのに……と考えてしまいました。
好きな子に良いところ見せたくて頑張っていた幼馴染の努力が全て裏目に出ていたとは、何とも皮肉で切ない。
受けには幼馴染に対する恋愛感情はないけれど、お前は俺のオンリーワンで俺にはお前しかいない!!としつこくしつこく言い寄せていたら、絶対に絶対に受けは幼馴染に絆されていたと思うんですよね。
だから、好きな子にいいところ見せたいという方向で努力するのではなく、ひたすら言い寄るべきだったのに……って思うと、あぁぁぁ……ってやるせなくなりました。
一流企業に勤め、順風満帆な人生を送ってきた雪谷は、いつもどこか満たされない気持ちを抱えている。それは、完璧を絵に描いたような幼馴染の湯原と、なにかにつけて比べられてきたせい。自分はいつも、「誰からも選ばれない」という感覚を持ったまま生きてきた。
そんな雪谷に声を掛けてきたのが、行きつけのカフェの店員の慎。雪谷の愛読する小説の作者の甥だという彼は、行方不明になっている叔父を探していると言う。
ある晩、泥酔し行き倒れていた慎を自宅に連れ帰ったことから、ふたりは急激に距離を縮めていく。
読んでいて、なかなか萌えどころを見つけられないお話でした。
とにかく、受けの雪谷はコンプレックスが強く、しょっちゅう幼馴染の湯原のことを回想する。しつこいくらい、もう、なんどもなんども回想する。
そして攻めの慎もそう。慎にとって叔父は、長年想っていた初恋の人。執着というか、熱意がすごい。前半は、お互いがお互いのいちばんになる日が、果たして来るのかと不安になるくらいです。
雪谷と慎は、酔った勢いである晩関係を持ってしまい、雪谷ははじめて誰かに求められた、名前を呼んでもらえたという喜びから、ようやく自己肯定感を得られる。このへんのふたりの甘い雰囲気にほっとしつつ、やっと萌えを感じてきた……と思っていたら、キツイ展開が来るんです。
湯原の帰国、そして慎の叔父の庸介の登場で、衝撃の事実が発覚。
なんと湯原と庸介は恋人同士で、庸介の外見は雪谷に激似。当然雪谷は、自分は庸介の身代わりで愛されたのかとショックを受ける。
そして湯原がなぜ彼を選んだかっていうと、きっかけは「雪谷に似ていたから」。
長年のコンプレックスの原因だった男の初恋の相手は、まさかの自分だった、というオチ。湯原は優秀な雪谷に嫉妬したり、振り向いて欲しくて張り合ったりしてたんだって。
めちゃくちゃ切ないじゃん、なにそれ、と、ここまで読んできて、どうにもつらくなってしまった…。
私が個人的にBLを読んでいて、いちばんカタルシスを感じるのって、
「男同士であることに悩んで気持ちを抑えてしまう」「抑えた気持ちがある日爆発する」「爆発した結果、いろいろあって想いが成就する」という超王道パターン。
特に相手が男だから、という点で躊躇したり葛藤したりするのが大好物なので、このお話の湯原が主人公だったら、めちゃくちゃ萌えたはず…。
なので雪谷と慎の話じゃなく、湯原目線で、初恋を拗らせてすったもんだの挙げ句に雪谷と結ばれる話のほうが好きだったかも…と思っちゃった。
その結果、別の似た人(庸介)を好きになったとしてもいい。その葛藤は味わえたと思うし、それはそれで萌えはあったはず。
そう思ったら、受けにも攻めにも魅力を感じなくなっちゃって、ラストの気持ちを確認し合ってハッピーエンド、の流れもいまひとつ乗れなかったかな。
タイトルから、このお話のテーマが、長年の呪縛から解放されて新たな一歩を踏み出すというところにあるのはわかるし、すごく素敵なテーマだとは思う。だけど、それが自分の萌えには結びつかなかったのが、なんか残念だった。