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初・吾木香さん。と言っても商業本はこの1冊だけみたいです。
主人公は、受けの「不破晴彦」29才。
中高一貫のエリート校の有力陸上選手で、フレックスタイムのエリート研究職員で、温和で真面目で・・・^^;
攻めは2人。
女性と交際しながらも不破を抱く「松浦」31才、不破の片思い「加賀見」26才位?
そして、大人の3角関係を打破すべく登場の、不破のハイジャンプの写真を見てから不破に強く憧れる「千尋」16才。
自分の性癖を認めている不破だけど、会社の後輩で男前で有能ながら人付き合いがド下手な加賀見の一視線や一言を、自分の醸し出すゲイの臭いをとても気にしている。
ノン気の加賀見の瞳に見詰められると、舞い上がってついバカみたいに饒舌になってしまうほど。
そんな可愛い面を見せる半面、不破には13年来のオトコがいて柵んでいる。
切られたと思ったら不破を欲しがってまた現れる腐れた縁の松浦がいて。
過去に松浦が恋しかったり執着した時期もあったけど、松浦のゲイを蔑む言葉や暴力に辟易としながらも、マイノリティの不破にとっての免罪符的な松浦との仲が断ち切れないまま。
そんな自分を加賀見には絶対知られたくないから、最近多い松浦の電話に席を立ち声を潜め、辛い身体も平気を装う不破なんですね。
そんなある日、不破は目が合った途端に破顔する窓掃除をする青年と出逢う。
その男は、高校陸上部時代の不破に憧れていたという・・・
ノン気・加賀見を除いて他3人は男との関係に足掻いてます。
いじめから強姦されたり、ゲイを赦さない周りから逃げてみたり鼻白んだり、自分の性癖を承服できなくて同類をいたぶったり、ノン気の思い人に自分の性癖を悟られるのでは?と縮こまったり。
作者の中のゲイの人達が気の毒になるほど、マイノリティの弊害あれやこれやです。
其々の心情を思うと本当に痛くてね。
ましてやセックスが痛かったし。
だからか、加賀見はノン気の鏡(お、かがみ繋がり?)です^^
寡黙で男前で聡くて気が行き届いていて、ゲイのオアシスみたいな存在でした。
性交後の器官の説明とかBLではなくゲイ描写かな。
ゲイビ見ているみたいだったもの。
まどろっこしい文もあるけど、何かリアリティありありな文言にどんどん読み進めさせられたって感じです。
強姦・輪姦・拘束・監禁・薬・玩具責めアリマス(軽めです)。
でも読後はほっこり優しくなれる、橘が最近読めてないタイプの良作だから保存決定。
作者の商業作品は本当にこの1冊だけ?とても残念です。