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yakuza ni yomeiri
ヤクザ幹部×新米刑事+双子の子育てもの。
ヤクザに刑事というとハードボイルド系を想像しますが、この作品の基本は新米刑事の子育て奮闘もの。新米刑事が仕事に子育てにと奮闘する様が丁寧に書かれています。そこに面倒見のいいヤクザの攻めが手を貸して…というものです。アットホーム系が好きな私は、大変楽しく読めました!
捜査一課所属の新米刑事・遥風(受け)は、唯一の身内である姉を事故で亡くし、姉の子どもである双子を引き取り育てています。慣れない育児に加え、多忙な刑事の仕事に心身をすり減らす日々。そんな日々の中、双子を不審者から救ってくれた男・鳥城(攻め)と親交を深めていきますが、実は彼がヤクザの幹部と分かり…という展開です。少しだけ攻め視点が入りますが、メインは受け視点です。
受けは真面目で努力家。かわいらしい外見で舐められがちですが、刑事らしい気概の持ち主です。姉の忘れ形見である双子を引き取りますが、双子の為に安定した職を手放す訳にはいかない…。しかし、その仕事のせいで双子の必要最低限の面倒を見る事さえいっぱいいっぱいという辛い状況。無理を続けて過労で倒れてしまうまで追い込まれてしまいます。頑張り屋なのに、人に頼ることが出来ない不器用な人物なんですね。一生懸命なところが、なんだか保護欲をそそります。
そんな時に颯爽と現れ、受けに手を差し伸べたのが攻め。攻めが双子を助けたという偶然の出会いから、双子も込みで親交を持ちますが、実は彼はヤクザ幹部だった…。
昔ながらの任侠者といったところで、凄味があり器が大きい。その面倒見の良さで、孤軍奮闘している受けを放っておけず、刑事と分かっていながら懐の中に入れてしまった…といった感じです。ヤクザだと分かると受けも最初は反発しますが、頼りがいのある攻めに甘えるべき所は甘える大切さを教えてもらい、一緒にいる事で安らぎを覚えるようになります。
刑事の仕事、そして子育ての現実がしっかり書かれています。双子の預け先に困り、子どもが熱を出しても仕事を放り出す事は出来ない。預け先に気兼ねをし、子どもの心配をしながらでも働かなくては、子どもを食べさせていく事が出来ない…。かなり追い詰められるので、読んでいて切ない…。
そんな一人で頑張りすぎる受けなので、攻めが放っておけず、更に惹かれてしまうのが納得いくのです。
攻めの舎弟が事件の犯人だと疑われた事で、刑事である受けとの緊迫した事態が訪れ…と波乱の展開もありますが、基本は子育て奮闘ものなので、事件としてはそこまで深くはならずに終わります。
絡みは最後に1回だけ。ちなみに未遂が2回。意識が朦朧とした受けが大胆なセリフを吐き、それに煽られた絶倫な攻めに散々なかされる…というおいしい展開です。ちょっと最後の方は子どもっぽくなりすぎな気もしますが、絶倫攻めが「まだ離してやれんな」…というのは非常に萌えました!!
「ヤクザに嫁入り」というタイトル通り、最後の方ではまさに夫婦のような二人を堪能出来ます。旦那が尻に敷かれている系ですが。とても楽しく読めました。
アウトローや花嫁物は場合によっては苦手なキャラ設定になってしまう事も多く、あまり手を伸ばさないのですが、今回はお気に入り作者様であり、ヤクザと刑事・・・ということで、禁断な感じと、あとは子育てモノであるという点も魅かれて購入しました。
攻め様、うっとりするぐらい格好良かったです。甘やかしの執着系、たまりません。
そして受け様も、見た目の可愛さに反して気骨のある新人刑事さん。
そんな2人を見守る、双子ちゃんと、羽佐間の存在もとても楽しいスパイスになっていました。
「ヤクザと子育て」の遊園地エピソードも素敵でした。
偶々立て続けに妃川先生のアウトローで花嫁なお話を読んだので、アウトロー苦手・・・とか言いつつも、今はもっとそんな物語の世界に浸りたい気分になってきました。
分別のある大人で、昔気質で、インテリな経済やくざ・・・、良いですね。
そして、花嫁も、素直で大人しい可愛い系よりも、強気ではねっ返り、ツンデレ系だと、私は楽しく読めるみたいです。
2016年刊。
麻生さんの挿絵も見たくて敢えて紙書籍を取り寄せた。
主役の二人だけでなく、今回の話にがっつり係わってくる幼い双子達も可愛く描かれていたのは満足だが、欲を言えば攻め・烏城の側近である羽佐間も挿絵で見たかったな。
どんな強面が幼い子供達にはデレて保父さん化しているんだってギャップにニヤニヤしたかった。
攻め受けがヤクザ×刑事とはいえ、話全体があらすじから想像した以上にステップファミリー色が強かった。
事件です!!っていうサスペンス風味は無いしラブ濃度も薄目だ。
烏城は広域暴力団の跡継ぎ候補なのだがヤクザどころかスパダリそのものだ。
何せ深夜まで子供を預かってくれる保育園を経営している位だからね。
ひょんなきっかけから関わった、遥風(はるか)と幼い惟と櫂の双子姉弟に向ける慈しみに満ちた様子からして、とてもヤクザ攻めの話を読んでいるようには感じない(笑)
遙風もまた、亡くなった姉夫婦の代わりに双子の面倒を見るのに加え捜査一課に配属されてしまったものだから、余計に幼い子育てが大変なのだが悲壮さは漂っていない。
それにしてもこの双子ちゃん達、やけに行儀がいいし頭がいいね。
両親が亡くなった現実を受け止めているってのもちょっぴり切ないが、烏城の素性を知ったうえでも懐くって…
将来大物の予感?
二人にとっては遙風も烏城も大好きで、烏城の事を『はるちゃんを大事にしてくれる人』って分かっているから殊更懐いているのでほっこりできる。
烏城が跡目を継ぐという将来は避けられそうにないらしいが、互いを信頼しあっている素敵な家族だと思う。
あらすじ:
新米刑事の遥風(受け)は、亡き姉夫婦に代わり、幼い双子を一人で育てることに。
ある日、烏城(攻め)という男性と知り合い、なりゆきで度々子育てを手伝ってもらうことに。
紳士的で面倒見のよい烏城だが、実は彼の正体は暴力団幹部で…
ヤクザ×刑事という組み合わせですが、攻めが全く無茶をしない紳士的なタイプで、子育てモノでもあるため、全体的な雰囲気はかなりほのぼの。
ヤクザ物がこんなに平和でいいの?と思うほど、あまり危機感のないストーリー展開です。
烏城がヤクザと知り距離を置こうとする遥風ですが、双子は彼に懐いており、烏城自身も子育てを手伝う気満々。
見返りを要求されるのではと怪しむ遥風ですが、烏城にそうした下心は全くなし。
仕事と子育ての両立で大変そうな遥風を純粋に心配して力を貸してくれる、かなり親切な人物です。
しかし、いくら烏城が違法行為は行わない名ばかりのヤクザ(経済ヤクザ)とは言え、刑事がヤクザとプライベートで付き合ったり、彼の部下にまで家に入れたりするのはどうなんだ、という感じでした。
ちょっと頼りない遥風ですが、仕事にも子育てにも一生懸命なところは好印象。
物語後半で、烏城を裏切った舎弟に喝を入れる遥風はカッコよかったです。
その後の、烏城に対してデレる姿も可愛かったですが、刑事としての見せ場もしっかり描かれているところが妃川さん作品らしいなと思いました。
ちょっと物足りなさはあるものの、アットホームな雰囲気で甘々なヤクザ物というのはなかなか珍しく、興味深く読めた作品でした。