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ani to otouto
今年二月、本作のスピンオフ(2013年同人にて初出)がkindleで配信されたのをきっかけに誘導されてこちらにやってきました。元ネタのメインカプに興味津々だったし、設定も好物だったのでサラッと楽しめたけれど、いかんせんわたしには展開が早く感じられて、萌え炸裂〜ッ!とまでは至らなかったです…。
表紙の雰囲気とはちょっと違って、中のイラストが大変好みでした。大西叢雲さん、今どこで何をされているのでしょうか、あなたのイラスト好きです!!
さて、本編となる前半では、子供の頃のある一時期から不仲になって疎遠状態だった兄弟の不条理な接触から始まります。結婚後まもなく妻とギクシャクしていた兄・清巳の住まいに弟の赫(かく)が突然訪れ、嫌がらせのように体の関係を強要する。赫が反発するエリート官僚の清巳には女装癖が…。
後半は赫視点で、兄から疎まれている弟側の心情を追いながらその真意が明かされます。兄弟の捩れた絆には母親の存在が大きく影響していたことも。二人の思いは純粋な恋情とは多少ズレているかもしれないし、名状し難い曖昧なものなのかもしれないけれど、互いを引きつけ合う動機づけとして母親の介入がしっかりと提示されているところがポイントでした。性癖萌えを表面的になぞっているだけの作品じゃなくて歓喜いたしました。
本編は受け視点、後半は攻め視点、さらに最後にSS収録という構成は、同人作品をまとめて同時収録した体裁に近いので、各々の展開の早さについては仕方がないところがあります。
ですが、ガチもんのどこに萌えるかっていったら、個人的にはなんたって両片思いの部分だったりするので…三人称でリバイズされた、外側から見た二人のもどかしい関係性をじっくり読んでみたかったです。母親とのくだりについても、シーンとして読んで一目撃者になりたかったような気がします。その方が臨場感があって、お話にどっぷり浸れそうな気がして。
語りの視点とかお話の構成って、読み手の直感的な好悪を左右する結構重要な要素なのかもしれないですね…。そこら辺がちょっともどかしかったかもしれません。