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koibitoniwanarenai
あらすじ:
老舗呉服店に勤める有(受け)は、2歳年下の幼馴染・征司(攻め)と7年ぶりに再会。
征司は、有にセフレとして体の関係を迫ってきて…
年下攻めで再会モノ。攻め受け両視点あります。
子供の頃は受け優位だった関係性が大人になって逆転、というパターンで、
子どもの頃の攻めが本気で受けのことをウザがっていた、という設定がなかなかリアルで面白いです。
可愛い容姿に似合わずガキ大将だった有。
年下の暗い少年・征司に何かにつけ構い、高校生の頃、当時まだ中学生だった征司に悪ノリでセクハラ。
それがエスカレートして扱き合い→やがて挿入にまで発展してしまいます。
その後、上京する征司に金輪際縁を切ると宣言され、疎遠に。
7年後、征司が母親の入院を機に帰郷したことで久々に再会…という展開です。
征司は昔から有に対しアンビバレントな感情を抱いており、その屈折具合は大人になっても健在。
父親がロクデナシで子どもの頃から苦労してきた征司にとって、有の天真爛漫な性格は癒やしではあったものの、能天気で苦労知らずな彼に苛立ちを覚えてもいました。
そんな鬱憤や、彼が自分に本気なわけないという思い込みから縁切り宣言をしてしまい、
再会後も、有が他の男といるところを見て嫉妬し、半ば無理やりコトに及んでしまい…と、お世辞にも良い性格とは言えないキャラクター。
好感は持てませんが、自分勝手で不器用な人物描写にはリアリティがあります。
有は、惚れた弱みから征司に体を許し、そのままズルズルセフレの関係を続けてしまうという流され気味のキャラクター。
しかし、自分の仕事のことを軽く見られて怒ったり、抱かれる立場でも強気に指示したりと、そこここでガキ大将時代の気の強さが顔を覗かせるところは面白かったです。
こんな二人が、期間限定でセフレとして割り切った関係を続けつつも、久々に会った幼馴染としてお互いの近況など報告し合い、距離を縮めていくという展開。
大人になっても本気の相手には不器用な二人が微笑ましいものの、
東京に帰る日が来ても素直にならず、有に告白されて初めて本心を打ち明ける征司の受け身な態度にはややイラッとさせられましたw
すごく好き、という感じではありませんが、リアル寄りな人物描写が面白い一冊でした。