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『真夏のボヘミヤン』『真夏のボヘミヤン~それから~』の続編にして完結編です。
相変わらずラブ色の薄いお話ではありますが、前作までの開放的な空気感のあるストーリーとは違い、非常にリアルな展開をするストーリーでした。
秋月さんにしては珍しく、テーマが暗くて重かったです。
それでも、主人公が前向きに生きようと頑張ってるのが良かったです。しつこくてくどい心理描写がないのも良かった。それでもちゃんと伝わってくるのだ。
ゲイであることに真っ直ぐに向き合ったお話で、周囲の大人たちの無理解からくる高校生の苦悩、ちょっとずつ壊れていく心、それから、再生していく心が描かれてます。
ここにきて、長男が大活躍っていうのも良かったですねー。繋がりが薄そうに見えた三兄弟、実はこの先は親友のような仲良し兄弟になりそうだなと思わせてくれる展開で、心があたたかくなりました。
ただの優等生だと思われていた長男は、次男(主人公)のために立ち上がります。
しかし兄ちゃんめちゃくちゃカッコイイよ。
彼もどうやらバイであるようなので、彼を主役にしたお話も読んでみたいなと思わされました。出てないのかな。調べてみなきゃだわ。
ボヘミヤンな攻めは前作に引き続き、また後半になってからの登場。
やっとかーい!と、焦らされたぶん、嬉しさ倍増でした。
幸せな未来を予感させてくれる終わり方で、読後感がとても良かった。
ステキなシリーズ三部作でした。