条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
ai no dorei ni narimashita
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
良家の子息が通うお坊ちゃん学校で出会った、政治家の息子である攻めと、貧乏人ながら特待生として入学した受けとの十年愛なお話です。
受けは幼くして両親を亡くし、厳格かつ貧乏な祖父に育てられたキャラ。ひねくれているようでもあり、まっすぐすぎるようでもある、意地っ張りな堅物優等生です。
そんな受けに絡んでくるのが、お坊ちゃん学校の中でも一目置かれている政治家の息子の攻め。受けが入学してくるまではずっと成績トップだった頭脳に加え、家柄と腕っぷし、容姿まで優れたスパダリ。
高校時代の3年間を、首席を競い合って過ごした2人は、ある事件によって意識し合うようになり、暴走した攻めが受けを手込めに。暴力的ではなかったとはいえ、それに反省した攻めが今後受けの奴隷になると誓い、2人は身体の関係込みの主人と奴隷の関係になります。
それから十年、まだ変わらず主従関係の2人。ここからがメインなのですが、高校時代の描写もこってりなので、高校時代編と大人編の2冊に分けても良かったんでは、というページボリュームです。
大人になってからもとにかく事件の描写が多い。受けは弁護士になっており、引き受ける事件が逐一描写されます。一見受け攻めの関係に何の関係もない事件もありますが、読み終えてみるとすべてが伏線として機能していました。「とりあえず仕事描写しとこ」的なお仕事ものBLが多い中、すべての事件が機能し、伏線がきっちり回収される作品は読みごたえがあります。骨太な展開にもかかわらず、ちゃんと萌えもあって素晴らしかった。
BL的な萌えは、スパダリ攻めが奴隷になって「受けを抱かせてもらっている」立ち位置なところ、それでいて受けは女王様ではなく精神的トラウマでがんじがらめなところ。狭いところでエッチをしたがる受けの真意とそれにちゃんと気づいている攻めなど。
もったいなかったのは高校時代から現在までの10年間に関係解消の危機があったところ。攻めの気持ちは、たとえ留学で離れても揺るぎないものであってほしかった。
高校で出会わなければ、全く住む世界が違っていた二人が、やがて伴侶になる話。
前半は全寮制高校を舞台にした学園物意地っ張りラブコメ的な展開で、これだけでも充分おもしろい。
そして後半は、いきなり高校卒業から10年経って、方やいずれ政治家一族の跡目を継ぐべく努力していたはずが自動車整備士になっていて、方や順当に貧乏弁護士となっての、謎解きサスペンス(?)。
この10年の間に翔一郎に何があったのかは、後半の話の中でさらっと語られはする。
お話としては、「奴隷契約」がなければ関係を受け入れられなかった雪景の物語にギリギリと絞っているのでこれでいいのだけれど、なんだか、この1冊で読んじゃうのがもったいないような、みっちり充ち満ちた内容のお徳用なご本でした。
メイン二人の高校時代〜28歳までの付き合いを時系列順に描く物語。
表紙絵の雰囲気から昔の作品の新装版かと思いきや、新作でした。
あらすじ:
お坊っちゃん高校に特待生として入学した雪景(受け)と、政治家の長男の翔一郎(攻め)。
正反対の二人は衝突しながらも次第に互いに惹かれ合うように。
高校卒業間近のある日、翔一郎は雪景を抱き、お詫びに彼の「奴隷」となることに…
建前上は「ご主人様と奴隷」ですが、ほぼほぼ両想い状態の二人。
奴隷といっても、翔一郎は雪景の仕事の手助けや送り迎えを自ら進んで行っており、普通の世話焼きの彼氏という感じです。
ご主人様役の雪景は、女王様というほど強気ではなく、可愛いツンデレ寄りのキャラ。
高校時代はいじめられる先輩を庇ったり、
弁護士になってからもクライアントのため一生懸命だったりとなかなか男前ですが、
翔一郎に対しては高校時代から恋心を抱いており、
奴隷扱いも口だけという感じです。
翔一郎は、真面目で世間知らずなところがある雪景をさりげなくサポートする男前攻め。
翔一郎が雪景を助けるばかりでなく、雪久が道を踏み外しそうな翔一郎を叱咤し立ち直らせることもあり、友人としても良い関係性です。
こんな二人の青春時代の武勇伝、社会人になってから仕事で協力し合う姿などが丁寧に描かれています。
李丘さんらしい堅実な描写に好感が持てますが、二人が両想いであることは物語前半から明白なため、ラブ展開としてはやや面白みに欠けるかも?
物語の肝であるご主人様と奴隷の関係が茶番っぽく思えてしまいました。
口では奴隷と言いつつ、根底には友人・恋人としての絆がしっかりあって信頼し合っている、という関係性はとても素敵でしたが、
出会い→高校生活→社会人編…と時系列通りのストーリー展開に捻りがないこともあり、
今一つ物語に入り込めないのが惜しい感じの作品でした。
300ページもあり、大変ボリュームのある一作。じっくり腰を据えて読むことをお勧めします。多分、家事や作業の合間合間に読んだりすると、面白さが半減しちゃう気がします…。
内容としては、高校生での出会いから28才という現在までの、長い長い両片思いを丁寧に追ってというもの。受けと攻めの両視点で進むので、両片思いのジレジレ感を堪能出来ます。
更に受けの、自殺と思われていた両親の死の真相を二人で追うというサスペンス要素も。弁護士となった受けが、自動車整備士の攻めと協力して依頼者の無罪を証明するために動くうちに、図らずも両親の死の真相に近付き…という展開です。
受けはとにかく意地っぱり。両親の自殺が心の傷になっていて、人の愛情というか永遠の愛を信じる事が出来ないのですね。出来ないというより、愛を信じてまた気付く事を極端に恐れている…。超然としているように見えて、ひどく脆い一面があります。
攻めは政治家の息子で、良くも悪くもお坊ちゃま。弱い者苛めが嫌いな正義感の持ち主ですが、それもあくまで強者のしての立場から。父親の冤罪を晴らすために悪役を買って出た為に、政治家としての道を絶たれるという挫折を味わっています。
高校時代に攻めが衝動的に受けを犯してしまった事から、贖罪の為に受けの奴隷になるという「奴隷契約」を結んで…というのが物語のキモ。この奴隷契約を建前として、受けは性欲解消の為、攻めは償いの為、という体で体の関係を持ち続けるのですね。攻めに溺れすぎないようにやたらガードが堅い受けと、受けが好きで仕方なくて心を許して欲しい攻め。なんともジレジレします。
萌え所としては、攻めの受けへの溺愛ぶりでしょうか。奴隷といいつつ、受けに対してかなり不遜。受けへの気持ちをてらいなく正直に口に出します。「報酬は乳首一舐め」だの、「抱かせろ」だの特に後半からはバンバン言っちゃってます。堂々としていて男らしい…。
そして非常に意地っぱりな受けが、最後の最後に見せてくれたデレ。エッチの最中に舌っ足らずな口調でやっと攻めの名前を読んでくれるのです( ´艸`) 可愛すぎる…。
残念な点が、やたらと話が長いのでダレて来ちゃうのです。高校時代と社会人時代、両方重みがあるので上手く消化しきれない。どっちか一方に絞っても良かったんじゃないかと個人的には思います。私は家事の合間合間に読んだので、こう感じるだけかもしれませんが…。
取りあえず、これから読まれる方には、しっかり時間を確保してじっくり読み進める事をお勧めします!