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作家さんの新作発表
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義父の借金返済の為に高級娼館で働く受けの元に、幼馴染みで元恋人の攻めが客として現れます。
客に身体を売る受けを侮蔑するような態度を取りつつも、毎週のように指名して抱く攻め。受けは傷付きながらも、攻めをまだ愛している為、心の支えにしていて…という展開です。
ベタベタな設定ですが、そんなベタさが大好きなので購入です。なんといっても表紙がすごい! 赤い肌襦袢を纏って肘掛けに座る受けの腰を、ソファにふんぞり返って座る攻めが抱きよせています。そして帯には、『来週もまた、僕を買いに来て…。』。 そのうえタイトルは『淫愛秘恋』とキタ! ワクワクしながら読み始めましたが、ちょっと微妙でした。
まず、攻めの影が薄い。毎週受けを買いに来るとの事ですが、二人の逢瀬は短くサラッと書かれているだけなので、ほぼ不在のまま3分の2くらいまで話は進むのですね。受けの回想にはちょこちょこ出現しますが。そしてこの受けの回想なのですが、話の中でポンポン入ってきて分かりにくいのです。現在と過去が行ったり来たりしながら話が進み、その中にポンポンはいる受けの回想。今、どうなってたっけ?と混乱します。
更に、受けのキャラがぶれてます。攻めに迷惑をかけたくないと「他に好きな人が出来た」と嘘を付いて攻めと別れたのですが、その嘘がバレたくないと、小遣い稼ぎの為にコールボーイをやってると言い張ります。その割には、急に「親の借金返済の為に身請けする」とか言っちゃう。おいおい、迷惑をかけたくないんじゃ無かったのかい?
その後は攻めが受けを身請けして、二人で暮らす。攻めがやたら冷たい態度を取っていたのに、いきなりコロッと優しくなったかと思ったら、義父が二人の住まいに殴り込んでくる。なんと、攻めの父親は、この義父にはめられて自殺をしていた。話が急展開のうえ、伏線も何もないために、とって付けた感がハンパないです。攻めのしている事にも違和感がありまくります。義父も、ひたすら自分勝手に怒鳴っていたかと思えば、帰り際に「母さんが会いたがっている。たまには顔をだしてやれ」といい父親に豹変です。なんだか置いてけぼり感がハンパなくて、読んでいて疲れる…。
この作品で一番面白かったのが、娼館での生活シーンでした。受けに、ウエディングドレスや着物で女装させてお人形遊びみたいな事をしている客(一切手は出さない)だったり、支配人が男前で、そのさりげない面倒見の良さが非常にかっこよかったり…。後は、明るく楽しいコールボーイ仲間ですね。このあたりが、個人的にとても萌えた部分でした。この部分は萌えたのですが、他が微妙なので中立です。