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tsumitsukuri na keiyaku
タイトルからドス黒い雰囲気を想像していたんですけど、意外と恋の駆け引きや、甘さもおびたストーリー展開も楽しめて読み応えもありました。
受攻共に、トラウマというかコンプレックスを抱えているので、シリアスでせつないストーリー展開ではあるものの、悲痛なお話にはなっていません。
陵辱から始まる関係ですけど、そのシーンは明示されていないので、苦手な方も大丈夫だと思います。
鈍いキャラ達なので、本当に焦れったかったです。
恋心に気がついてからも、なかなか素直になれず「契約」の関係を続けていく2人を、結城先生の文章力で、うまく駆け引きさせながら進めていってくれるので、結構さらりと読みやすいお話でした。
外科医の鷹津川 (28歳)× 会社員の利哉(25歳)。
2人きりの家族である利哉の大切な妹が、交通事故にあい怪我をおいます。
その妹の手術を執刀したのが鷹津川。
ある事情から自家中毒を起こしてしまう妹の希望を叶えるため、中年の主治医から鷹津川に主治医を変えて欲しいとお願いするも…。
育った環境がもたらした、2人のトラウマ部分の対比が面白かったです。
利哉は、年の離れた妹を溺愛し、失うことへの恐怖心が人一倍強く。
鷹津川は、医者一家で、兄妹も沢山いて、皆権力を欲する人種ばかり。
幼い頃から常に競い合わせられるような家庭環境だったため、家族愛や兄弟愛というものは否定的。
だから、妹思いの利哉の申し出に嫌悪感を抱き、イライラさせられて断るであろうことを前提に「契約」を迫ります。
でも結局は、戸惑いながらも持ちかけられた「契約」を利哉はのんでしまうと…(笑)
鷹津川は鬼畜系のようで、鬼畜にはなりきれない優しさがあるというか…ヘタレたタイプ。
それに鈍いものだから、利哉が本当に何を望んでいたのか、なかなか解らないんです。
だから余計に焦れったく感じる恋路でした。
大人の焦れったいすれ違いラブを楽しみたい方にはオススメです。