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innocence
2段組で60頁。成瀬さんの後書きにあるように、これまでとは違うタイプの話で、『僕の悪魔』のパロディみたいな感じのラブコメよりな話。前半はクラウディオパートで、後半は里玖パート。
(クラウディオパート)
里玖と離れていた1ヶ月間で仕事を一気に片付けたクラウディオは、最後の仕上げとして、ドン・バチェッリとの取引で手に入れた仕立屋のところへ向かい、里玖のためのカルネヴァーレの仮装衣装をガゼッラの屋敷に住み込んで仕立てるように命じる。
そして、行く先々で買い求めた里玖への土産を山のように積み上げて上機嫌で帰宅すると、出迎えてくれたのは記憶喪失になった(ポーチで足を踏み外して落ちたせいで)里玖。キアラの制止を聞かずに「ただいまのキス」をしたせいで、里玖は真っ赤になってフェランドの背中に隠れてしまい、ショックを受ける。里玖は自分に対してビクついたり緊張したりするけれど、フェランドには懐いて傍から離れようとしないし、彼のシャツの裾を握っていたりもする。フェランドへの激しい嫉妬と殺意を抱くクラウディオ。やさぐれて酔った際は「フェランドをエトナ山の火口に投げ込みたい」と言い放ち、周囲を凍らせる。また、里玖が他者に笑顔を見せると「リクに微笑みかけられている存在全てを滅ぼしたい」と本気で言ったり…。
その後、ロベルトに頼んで、最高の名医の診察を受けさせるために里玖をイギリスに連れて行く。診察の間、憔悴しているクラウディオを見かねたロベルトが、里玖の母親と会った時の詳細を語る。住環境のひどさと「あの母親に愛されていたとは思えない」と伝えるロベルト。診察が終わって検査結果に進展は見られないまま、一同はフィオレンティーナのお茶会に参加するためロベルトの屋敷に向かう。里玖が記憶喪失になってからタバコの本数が増えているため、庭で1人喫煙しているところへ里玖が呼びに来る。里玖をお姫様抱っこして戻ろうとするクラウディオに、アンドレアは片手で顔を覆うしかない。
恋の手練れも、本気の恋の前では冷静さを欠き、本気で苦悩し、里玖の言動に一喜一憂。ドン・ガゼッラではなく普通の恋する男状態。でも、ある日「里玖がクラウディオを怖いと思う気持ち」は恋情からくるものだというキアラの指摘とその言葉に同意する面々の会話を立ち聞きしたおかげで、冷静さを取り戻すクラウディオ。
・・・・・ここまで読んだだけで、成瀬さんと同様に私も満足した。
(里玖パート)
キアラに、クラウディオへの恋心を指摘された後から話は始まる。
何とか自分の恋心は自覚したけれど、家族であるクラウディオにとっては迷惑な気持ちだから「虚しい恋心」だと思う里玖。同時に、クラウディオのことをますます意識するようになり、心と身体が過剰反応し始める。
そんなある日、身体のうずきを持てあまして子供部屋で自慰に耽ろうとしていると、バルコニーから侵入してきたクラウディオに見つかってしまう。そのまま自慰を続けさせられるけれど、イけなくて助けを求めて抱かれる里玖。記憶は戻っていないけれど身体を重ねながら想いを通じ合わせる2人。
そして翌朝、クラウディオの寝室で目覚めた里玖は、自分の記憶が戻っていることには気づいていない。