イケてる男の育てかた！

theエンターテイメント！！

今までしいらさんの小説でエロエロっていうイメージ無かったんですが、この作品でまた認識が変わりました！引き出し多いな～と感心してしまいます。

他の作品では、濡れ場であっても登場人物たちがどこか、行為に没頭しつつも冷静な自分がいるような気がします。書き方とかナレーションがそうさせるんだと思います。
もちろん、しいらさんらしさはこの作品でも健在です。
が、やはり他のより面白エロい！
そこへ至る過程と小道具があると断然効果が違いますね！

まず過程。
憧れの先輩が、イイ奴だけどデブでオタクでワンコな後輩をイケてる男に変身させていくというもの。
誰から見ても完ぺき美形の優等生の薫は、ゲイであることが唯一のコンプレックスでそのことを逆手にとられ従兄に苛められていました。
薫に男ができたら別れてもいいという従兄の発言から、ダサくてキモイと言われ落ち込んでいた後輩・丈太郎を偽物彼氏に仕立てあげることを思いつきます。

その後は、スパルタ教育の成果でどんどん丈太郎はイケてる男、または好みの男になっていきます。そんな丈太郎に恋心を抱くのも時間の問題。

こういう変身物語は受けでも攻めでも大好きな私ですのでサクサク読めちゃいました♪
しかし他の変身モノと違うのは、途中でカッコよくなっていく丈太郎にイケててもイケてなくても本当の良さを薫が気づくこと。それもダサい時にも、人気があったのだと他の人に言われてという点です。
深いですね～結局見た目ではないと私も諭された気がします（苦笑

丈太郎は、見た目こそカッコよくなりますが本質は変わらず。
相変わらず優しくて甘いもの好き、オタクで物事に熱心です。
その情熱は、好きなものに発揮されるわけなのでやっぱりというかやっぱりですｗ
濡れ場でも、ノリノリで・・・特別仕様の玩具とかよりも案外、日常使われるものをイケない事に使ったほうが恥ずかしい。
薫のもう～味のゼリーは食べられそうにないという発言に笑いました。

薫は前向きな丈太郎に影響を受け、諦観していたコンプレックスを克服していきます。
デブでダサくてオタクの丈太郎がタダ者じゃない点が他の変身モノと違ってて良かったです。
薫のために、性格や口調まで変えるとは・・・いやはや愛ですね。
きっと素質がもともとあったに違いない。
しいらさん、二人の絡みをすごくノリノリで書いたんだろうな～と思わせるようなお話でした。