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hana no hako
平安時代モノでファンタジーという、既刊『平安異聞 君ありてこそ』と似た設定の作品。
今回は兄弟モノで、3Pもあります。
あらすじ:
大臣家の側室の子・敦頼(受け)と、彼の異母兄で跡継ぎの雅宗(攻め)は人目を忍ぶ恋人同士。
異能を操る力を持つ敦頼は、父の出世のため帝に献上され、雅宗の目の前で帝に抱かれることに…
日本人離れした瞳や髪の色、そして人の心や未来を読むことのできる能力のせいで、幼い頃から離れに幽閉されている敦頼。
同じく異能者であった母の遺言により、自分が二十歳の五月一日(旧暦)に命を落とすことも知っています。
自分のこと以外何でも読むことができますが、好きな人(雅宗)の気持ちを勝手に読むようなことはせず、ただ命尽きるまで彼と彼の家の存続に貢献したいと考えている…
そんな健気な青年です。
雅宗は、敦頼を一途に愛する男前攻め。
ですが、父や帝に立場上逆らえず、敦頼のような特殊能力もないため、ストーリー上やや存在感に欠けるキャラクターです。
父に命じられるがまま敦頼を帝に引き渡し、帝に命じられるがままプレイに加わり…と基本言いなりですが、敦頼が苦しまないよう度々さりげないフォローを入れている点に優しさはあります。
全体として、耽美な雰囲気は好みですが、起承転結が弱く盛り上がりに欠けるのが残念。
敦頼と雅宗は物語序盤で両想いになってしまい、その後大きな事件やすれ違いは起こりません。
個人的に一番インパクトを感じたのは物語中盤の帝との3Pですが、
以後は帝も父親もあっさり退場し、二人の恋の邪魔をする者がいなくなってしまうため、かなり拍子抜け。
敦頼の寿命、雅宗の跡継ぎといった問題解決もほとんど会話のみで済まされてしまうため、どことなくダイジェスト感があります。
ラストは、二人の絡み&その後の二人の人生について二行ほどで語られ終わり。絡みはラストに持ってきた割に盛り上がりに欠けるし、登場人物の未来をたった二行で片付けてしまうのも乱暴な感じがしました。
敦頼に毒を盛ろうとした陰陽師や、敦頼を無理やり抱いた帝、敦頼を駒にしようとした父親など、黒幕的な人物がことごとく途中退場してしまい、どこが佳境なのか分かりづらいのもモヤモヤの原因かもしれません。
敦頼と雅宗がもう少し彼らに苦しめられたり、闘ったりする描写があればなと思いました。
中立寄りです。