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itsuwari ni hana wa umareshi
いとう先生のねちっこいエロさと粘っこい執着攻めが好きで読み、大変満足でした。
遊郭などの類の話ではありませんが、受けちゃんを攻め様のもとに送り込む正妻の企みで、受けちゃんはプロ並の閨作法を仕込まれております。そのテクに気づく程度に手慣れた攻め様は、受けちゃんのうぶさとのギャップにそそらせます。初物の感想が『美味であった』!!
受けちゃんの淫らさと清純さ、そして利発さが全編で魅力的です。
また攻め様は持てる者の余裕や優しさに満ちた人で、受けちゃんを愛します。
門地先生の表紙が作品の雰囲気をとてもよく表していて、挿絵も効果的でした。
明治頃の設定がお好きな、かたにはぜひオススメです。
電子書籍で読了。挿絵はありましたが(門地さんのイラスト可愛い)あとがきはありませんでした。
ふと気づくと、ここの所『幕末から昭和もの』を随分読んでいます。このお話でも元大名家と公家の婚姻とか『家女房』とか、その時代でなければ書けないエピソードが満載で楽しめました。
高津義高は元大名家の三男。15の時に元公家の露子(12歳)との縁談がまとまりますが、これは二人の意に沿わないものでした。新時代の教育を受けた義高はこの政略結婚に不満でしたし、露子は家財の貧しさのために売られたとしか思えなかったからです。結婚後すぐに、義高は「勉学のため」と実家に露子を置き去りにし、東京に暮らして8年。帝大を卒業、洋行に向けて準備をしている所に、露子から『家女房』として可憐な少女にしか見えない芙蓉と名乗る男妾、遙が使わされます。露子の真意に疑念を抱きながらも、義高は房術に長けているくせに初心な所が隠せない芙蓉を可愛らしく思い、心から愛するようになります。また芙蓉も、優しい義高を心から慕っている様でした。しかし、ある日、寵愛が過ぎて気を失ってしまった遙を彼の部屋に運んだ際、義高は自分たちの夜の交わりが詳細に記されている露子宛の書状を見つけてしまいます。何故そのようなことをしたのか、問い詰めても頑としてその理由を言わない遙。義高は怒りのあまり遙を座敷牢に閉じ込めてしまうのですが……
表題作は源氏物語『葵』の章のオマージュです。
これが哀しい……
個人的には、露子に全部持って行かれてしまった。BLなのに!『男同士の恋愛物語』が好きなのにっ!
でも、嫌悪感はありませんでした。
時代が違ったら、もっと違う時に違う出会い方をしていたら起きなかったであろう悲劇が、義高と遙の恋愛に対する禁忌としても働いて、二人のロマンスを更に美しいものにしているような気がします。
これ、一歩間違えば厭味になっちゃうと思ったりもしたんですよね。
でも、遙の無垢ぶりや『可哀想な受け』という設定で、見事に回避している。
上手だなぁ、と思いましたです。
『少女小説→少女マンガ→一部のBLという流れ』があるんじゃないか、と以前から思っているのですけれど、今作はその流れを汲む正統派ではないかしら。
和洋問わず、少女小説に夢中になった事がある方に「好みなんじゃないかなぁ?」とお薦めいたします。
あらすじを見て気になったのと挿絵を見たいのとで購入し、
好みのキャラがいるわけではないため萌になっています。
人間模様が淡々と書かれています。
萌えるというよりいいお話という感想になりました。
外見も中身も少女のような健気天使受けと、
京言葉が好きな人は萌えるのかもしれません。
妻の性格がきついので苦手な読者さんはいそうですが、
最後まで読んで個人的には彼女もかわいい人に思えました。
受けが健気なのでバランスが良いのではないでしょうか。
誰も少しも悲しい思いをしない
ハッピーなだけのお話ではありませんが、
後に登場する攻めの友人もとてもいい人で、
読了後は穏やかな気持ちで本を閉じました。
みんな人間みのある良いお話で終わってしまったので、
もう少し萌えられる部分があったら良かったなと思います。
明治時代のお話しなので、男爵家や下女の子など今と価値観や考え方が違います。
攻めの義高は新しい考えかたの設定で好印象です。
受けの遥は健気で見た目も中身も女性のようなところがあります。
2人の恋愛に義高の妻の存在が大きく関わってきます。
妻が義高に愛されないのは仕方がないところがありますが、不器用で最後は病気で亡くなり可哀想でした。
義高は別邸で女も男とも遊んでいたのですから、最後に謝まり穏やかに過ごせたのは良かったです。
遥が健気で不幸な境遇で育ったので、最後に義高と幸せになれたのは良かったです。
受けと攻めだけの話だと展開の読めるありきたりなBLになりますが、妻が絡んでいてお話しが深くしてあり面白かったです。