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円陣さんの表紙で気になった作品です。
磯崎さんの作品は今回初めて読みましたが、砕け過ぎず重すぎず読みやすい文体でした。
喫茶店で調理の仕事をしている秀治は28才、事情があり高校を退学しなければ泣かなかった純は16才という年の差がある2人のお話です。
ストーリーはほとんど純視点で進んでいきます。
街中で高校が同じだった元同級生に絡まれた純がたまたまそこを通りかかった秀治に結果的には助けられることになり、その時の秀治のカッコ良さに惚れ、一方的に追いかけるというところからお話は始まります。
家庭環境が決していいとは言えない純が、少しやんちゃではありますが、性格は真っ直ぐ素直で健気に育っているので、それだけで応援したいようなキャラでした。
一方の秀治は大人の世界の酸いも甘いもよく知っているような色男で、少しワイルドな雰囲気。
完全なノンケですが、純の真っ直ぐな気持ちに段々絆されるようなストーリーです。
悪くはないと思うのですが、評価を中立にしたのはちょっと物足りなさを感じたから。
秀治の純に対する気持ちの変化の描写が余りなくて、なぜ秀治が純を気にし始めたのかが分かりませんでした。
途中から登場する脇キャラも小者で、あっさりと片が付いたのもあっけなく、少し残念でした。