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sonohitomi reiroutari
脳外科医×ヤクザ秘書。
葉月×総の「その瞳、玲瓏たり」シリーズの総集編です。
「その瞳、玲瓏たり」総と葉月の出会いの話。
「その瞳、玲瓏たり その後」葉月の視点。総を愛そうとする話。
「続 その瞳、玲瓏たり」総の高校進学祝の夜、初めてキスをする話。
「解放の時」巽に恋人ができ、傷つきつつも解放される話。
「その一歩」受け入れることを決める話。
「歩む速度」初めてのセックスの話。
「過去の澱」総が実父の虐待を告白する話。イカ素麺食べられません。
「光の先へ」葉月がアメリカに行くまで。ドライブ中事故に遭遇します。
「黄昏の空」半年ぶりの逢瀬。
「夢の足音」名残を惜しむ話。将来を語る二人が良いです。
「悪党」シリーズから派生した「ZETA」「燕雀」の主人公である巽に長い間片思いをしていた二人の恋愛話。いわゆるスピンオフのスピンオフということで、その顛末はこの作品では簡単にしか説明はありません。
ただ、それがかえって葉月と総の二人に焦点が当たっていて良かったと思います。
叶わないと知りつつ、水底から太陽を想い、見上げ続けていた二匹の魚。
長い間ずっと、表面上は静かに、胸に情熱を秘めて。
けれど、気が付かない太陽は他の男と結ばれてしまう。
見上げるのに疲れた二匹の魚がふと隣を見ると…という印象でした。
同人誌の再録ですので説明が重複する部分もあるのですが、そこがまた何度も悩み迷って考えながらちょっとずつ変わってゆく二人の関係を示しているようで逆に良かったと思います。初めての総を気遣い、葉月が大切に大切に抱いていく様が、愛しさ全開!という感じで叫びたくなるくらいに素敵でした。
総がヤクザ(巽)の秘書とはいえ、ヤクザ闘争に巻き込まれるわけではなく、セックスの模様を淡々と書いている場面が結構多くあるので、全体的には展開に派手さはないのですが、葉月が総を大切に扱っている様、総が葉月に身も心も開いていく様がなんとも素敵でした。
葉月も総も身長180cm超えの大男なのですが、葉月が自分の巨躰は葉月のためだ、葉月が寄りかかっても崩れることがない、巽にはそんなことができないと思うのが格好良かったです。
とにかく、どこもかしこも自分的には萌えツボだらけで、ここが良いんです!とあげきれない作品でした。北上れん先生の挿し絵つきでノベルズや文庫で読ませてください!と願うのですが、巽とか背景がややこしいので難しいだろうなぁとも思うのでした。