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marunouchi no saijoukai de koi wo shitara gouman na hatsukoi
下宿先が見つからず困っていた美大生の瑞貴(受け)は、軽い気持ちで応募した破格の家賃でのシェアハウスモニターに選ばれ大喜び。そこは丸の内の高級マンションに作られた秘密のシェアハウスだった。他の入居者やオーナーはセレブ揃いで皆優しいが、唯一エリートサラリーマンの瑛一(攻め)だけが瑞貴にきつく当たってくる。しかしその不器用な優しさを知り、惹かれていくが…。
丸の内の高級マンションの1フロアをぶち抜いて作られた秘密のシェアハウスを舞台に、別の作家さんが次々と書かれるというスピンオフプロジェクトだそうです。
今回のはそれの第一弾。
高級マンションのシェアハウス、住んでいる人は皆セレブばかり…という触れ込みですが、なんだかあまりセレブ感がないというか、地味な感じでした。
あと、周りに秘密にしておかないといけないくらいにセレブな人たち(どっかの王族とか)が住んでるのに、なぜ庶民中の庶民である入居者をモニターにするのか、その大前提からして疑問でした。わざわざそんなセキュリティを下げるようなことをして、それを他のセレブ住人が受け入れるのが理解できない。
その訳のわからないモニターシステムを無視して受け攻めだけで考えてもなかなか理解に苦しむ話でした。
古今東西問わずよくある設定ですが、優しい人たちの中で1人だけ自分に厳しい人がいて、その厳しい人の不器用な優しさに触れて惹かれる…という展開は、そもそも最初から優しくしてくれる相手の方がいいじゃん、と思ってしまいがちです。そこを超える「惹かれる要素」が必要だと思うのですが、この作品にはそれが足りなかったように思います。お腹を空かせた受けにチョコレートをくれた、ケーキを買ってくれた、それはわかるのですが、それなら「貧乏な自分をモニターに選んでくれた」「自分の絵を褒めてくれた」シェアハウスオーナーのほうがよくないかなあ。
別の作家さんが書かれるスピンオフで、シェアハウスオーナーも別のお相手とくっつくらしいので、余計にこのキャラも攻略対象だったやん(BLゲーム風に言えば)、と思ってしまった。
そして何より、受けにも攻めにも魅力を感じられなかった。攻めは、部下の仕事のミスをかぶらされて不機嫌Maxのときに受けにちょっかいを出すのが小者に思えたし、受けは、画廊に絵を褒められて舞い上がってほいほい利用されそうになって、それを諌めようとした攻めに逆らうし、どちらもあまり好きになれないキャラでした。
他の作家さんのスピンオフがどうか、というのがまだわからないので、評価的には中立にします。
今度のリブレのコラボ?、シリーズ企画は高ステータス、シェアハウス、一冊ごとに作家さんが交代するって掛け合わせだそうだ。
でも、その企画も読者を惹きつけるパワーが年々ダウンしていっているような…。
1冊目、御堂さん受け持ちの話はやり手の外資系サラリーマン×美大生の年の差カップル。
攻め・瑛一の大人目線の厳しい発言と、受け・瑞貴の油絵に打ち込んでいると日中の生活が疎かになる程に夢中になるって個性は上手く書かれている。
瑞貴が健気に頑張る一面も、相手に厳しくなるのを抑える瑛一の一面もきちんと書かれてはいる。
しかし、普段は年下受けが大好きな自分なのに、どうしてだか今回の瑞貴に対しては辛口になってしまう。
例えば、瑛一が仕事の失敗でやけ酒飲んでいるって場面があるのだが、そっとしておいてやればいいだろうに、世間知らずな瑞貴が「話を聞くだけでも力になりたい」って辺りで独りよがりな出しゃばりに感じて苛ついてしまった。
高ステータスな顔ぶれのシェアハウス住人達って設定なのに何だか瑞貴だけが噛み合っていないってのが気になったままだった。
多分マスコット的な存在なのだろうだけど、せめて好意を持てる点を見つけられたら良かったのかも知れない。
この子が将来画家としてどう化けるかってのは未知数な訳だが、惚れている瑛一はともかく他の住人がむやみに甘やかしそうで、何だか自立の妨げになりそうな…。
最初この1冊を手に取った時はシェアハウスが舞台という事で、得意分野の違う住人同志の交流を想像していた。
しかし、これから書く作家さんが変わるとなると、恋愛抜きでのキャラ同志の交流ってのが読めるかどうか心配だし、特定のキャラに感情移入し辛い気がする。
申し訳ないが、今のところは2~3冊目には手が伸びそうにない。
本来は自分の趣味に合わないのだが、いつか気が変わって他の巻を読んだ時に印象が好転するかも知れないので今回の評価は中立にて。