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ichigo gyunyu junjo kitan
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
関連作の「月夜ぎんいろ・・」を先に読んで好きだったので、こちらも手に取ってみました。
純情でいい奴だなあと思うお医者さんと、すんごく可愛いくて弱く優しい吸血鬼さんが愛しくて愛しくて(ほぼ母視点ですが)、神に近い萌2でお願いします。吸血鬼ものの必須要素と思う、「せつない」、「孤独」に、「弱っちい」が加わった優しい可愛いお話、書き下ろし280Pほど+先生のあとがき です。月夜ぎんいろ に当作のアキちゃんがちょっとだけ、占い仲間と薬売りはもう少し多めに出てきます。
舞台はほぼ現代日本、上野の占いの館と、上野から電車で一駅の住吉町(架空)、そこの小児科医院等です。占いの館で動脈占い(笑)をやっているアキは占い師仲間(みんな人外)から、最近近くを薬売りがうろついているということを聞かされます。薬売り=人外を狩る人で、気をつけなきゃねと言われたアキは、その日コウモリに変身して帰ろうとするのですが、途中体力不足で落っこち、そこを薬売りに見られてあわや というところを白衣の大きな男に助けられ・・・
登場人物は
占い師仲間(メヂューサの末裔、妖狐、ぬりかべの末裔(笑)等、なぜか皆オネエ)、医院のスタッフ(人間なんだけど妖怪みたいな人もいる)、薬売りと、アキに懐いている町内猫3匹(コールテン、べっちん、びろうど)等で、皆いい人、いい猫です。
大好きなテクノ先生の挿絵は、カラー1枚、モノクロ9枚(何回も数えたんだけど)。占い師仲間の挿絵と、薬売りの挿絵が1枚ずつあり、イメージがより膨らんで嬉しい~。またキスシーンが1枚描いてあって、伊勢彦のイメージがぴったりでちょっと照れた顔が本当に可愛い♡きゅー♡
******** 以下はより内容に触れる感想
当作の吸血鬼さんは、吸血鬼に吸われて吸血鬼になった子。
吸血鬼ものって永遠と孤独が王道だろうと思うのですが、後発吸血鬼だからなのか、そこに「優しすぎて血が吸えない(=常に栄養失調)」が加わります。150年ぐらい生きているらしく、昔の廻船問屋勤めの時の言葉が残っていて、猫の名前も「べっちん」「こーるてん」等と古風。占い師仲間に出会い、そしていちご牛乳という唯一味の分かるものを手に入れて、ようやく生きながらえているような弱弱しい子。東京大空襲を体験しているから大きい音が嫌い といって花火大会の日はヘッドフォンで音を聞かないようにしている子。もう書いてるそばからぐっすん半泣きです。こういう設定に弱い。
そんな子が、伊勢彦とする手持ち花火によろこび、危ないからといって迎えに来てもらって喜び、初めての友達だと喜ぶ姿は、ダメですね、お母さん腐女子の皆様は落涙確率高いのでは。
そんな二人がなんとか幸せになる終わり方は、本当に本当に良かったあ と思える一冊でした。
伊勢彦は良い奴なので、幸せ間違いなしーと思います。
先生、優しいお話、有難うございました。
占い師で吸血鬼のアキ(受け)は薬売りと呼ばれる狩人に襲われるているところを、医者の伊勢彦(攻め)に助けられ友達になります。
すぐに伊勢彦が好きになってしまうアキですが、寿命が違うし自分は吸血鬼なので、恋は諦めて友達としてお付き合いします。初めてできた友達に有頂天になるアキは伊勢彦に行ってみたかったところに遊びに連れて行ってもらいます。
アキは150歳とは思えないくらいウブで世間知らずな可愛らしい吸血鬼です。奉公に出された先で、突然外国から来た吸血鬼に襲われて吸血鬼にされてしまいますが、それを嘆いたりせずに、どんなに空腹でも人間を襲ったりせずに今はイチゴ牛乳を飲んで過ごしています。感情表現もはっきりしていて、嬉しい時は精一杯喜んで、伊勢彦でなくても可愛いと思ってしまうはずです。
伊勢彦は天涯孤独な身な為に、自分がかかわった人はできるだけ助けようとする優しい人です。吸血鬼という事を早々に知っても、態度を変えずに友達として接します。
告白されても受けられないアキが切ないです。伊勢彦を助ける為に心臓を差し出す所は泣けました。
全体的に、可愛らしくて切なくてとてもいい話でした。
薬売りだけはちょっと納得いかないけど、2人が幸せになったから、もういっかって感じです。
テクノサマタ先生のイラストが本当ぴったりで、おとぎ話のようなすてきなお話でした。
人の血を吸ったことのない善良な吸血鬼のアキ(受け)は、悪い吸血鬼だと間違われ妖怪狩りに襲われる。そこを助けてくれたのは町医者である伊勢彦(攻め)だった。怪我をして危なっかしいアキを治療してくれ、その後も何かと面倒を見てくれる伊勢彦にどんどん惹かれていくアキだったが、人間と吸血鬼の寿命の違いから深入りすることはできなくて…。
町医者×吸血鬼の、ほのぼのファンタジーBLです。
受けが吸血鬼になった詳しい経緯、診療所の看護師の正体など、解けていない謎や説明されていない設定がちらほらあるし、オチもあっさりすぎかなとは思いましたが、攻めの診療所の職員や患者、占い師をしている受けの同僚など、優しい人たちに囲まれた優しい話でした。
見た目は子供みたいなのに150年生きている受けが、廻船問屋とか物見遊山とか、ちょくちょく古めかしい言葉遣いになるのがおかしかった。あと薬売りと呼ばれる、受けを殺そうとした妖怪狩りのキャラがなかなか好みでした。ラスト近くに攻めにすごく警戒されていたように、受けに対してちょっと思うところがあったようですが、そのあたりを掘り下げずにあっさり終わっちゃったのは残念だったな。スピンオフになるには、薬売り以外にBL作品の主役になりそうなキャラがいなかったけど、もし同じキャラが主役で続編とかが出たら買いたい気がします。
いちご牛乳を栄養源とする人畜無害の吸血鬼・アキ(受け)。
ある日、「薬売り」と呼ばれる妖怪退治屋に追われているところを近所の町医者・伊勢彦(攻め)に助けられ、それ以来彼とご近所付き合いを始め…
そんなほのぼのファンタジーです。
人の血を吸わず、代わりにいちご牛乳で栄養をとっているアキ。
いちご牛乳というところがアキのキャラに合っているし、タンパク質や鉄分豊富な牛乳はもトマトジュースや赤ワインよりは血の代用になりそうなので、なかなか良い設定だと思いましたw
アキは、見た目は10代のかわいこちゃんですが、実際は150年あまり生きている吸血鬼。
歳をとらないことを人間に気味悪がられた過去から、極力人と関わらず、妖怪仲間と共に女装占い師として生計を立てています。
遠い昔、人間だった頃のことを少し覚えていて、それは何者かにいきなり血を吸われ吸血鬼になったという哀しい記憶。
そんな過去もあってか、栄養不足で倒れそうになっても人の血は決して吸わない心優しいキャラクターです。
伊勢彦は、誰からも慕われる男前で面倒見の良い人物。
見ず知らずのアキの怪我の手当てをしたり、そばをご馳走したり…と、何かと世話を焼いてくれます。
伊勢彦を好きになるも、自身が吸血鬼であることに引け目を感じ、身を引こうとするアキが健気。
そんなアキの優しさや、元人間の設定がラストの展開に活かされているのがなかなか上手いと思いました。
気になったのは、薬売りの描写。
もっと敵役として物語に絡んでくるのかと思いきや、意外にあっさり退散してしまうのはちょっと物足りなかったです。
しかし、極端な悪役が登場しないほんわか系ファンタジーとしては楽しい一冊。
健気で可愛らしい受けがお好きな方にオススメです。
人間の血を吸ったことのない、いちご牛乳大好きな年齢150歳オーバーの吸血鬼が主人公。妖怪仲間と占いをして生計を立てていて人畜無害。でも過去には見かけが変わらないことから迫害されていて、ちょっぴり臆病で人間と関わる事を恐れている。
そんな彼が偶然大家さんである医院の攻に助けられ、人間の友達ができたと嬉しがるのが可愛い。そして攻を想って身を引こうとしたり健気。
物語の強弱の付け方が良くてクライマックスは泣いてしまった。とりあえず可愛いお話で満足。