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ore no saifu ni semarareteimasu
第16回角川ルビー小説大賞の奨励賞受賞作。
出だしのテンションの高さに「ギャグ系か…自分には合わないかも…?」と身構えましたが、読み進めるにつれどんどん引き込まれていきました!
主人公は、焼き鳥屋で働く23歳の青年・千尋(受け)。
ある日、落とした財布を、神を名乗る怪しい老人に拾ってもらいます。
その老人の力で、財布が金髪のイケメンに変身し…?
財布の精こと宗一郎(攻め)との奇妙な同居生活が始まる…そんなコメディです。
宗一郎を追い出すには、一千万円使い切らなければならない。
しかし、倹約家で庶民の千尋にそんな大金はなく…
どうやって一千万を工面するのか?
宗一郎は本当にただの財布なのか?
といったテーマが、しっかりとした伏線と共に描かれ、ただのコメディではない感動作に仕上がっているところがポイントです。
ネタバレは避けますが、
千尋が節約好きになった理由や、
宗一郎の過去、
千尋の働く焼き鳥屋の常連客など、
一つ一つのエピソードが後半の展開に活かされており、読ませる展開です。
ただ、千尋が一千万手にする展開には、もう少し工夫が欲しかったかも。
身近な金持ちや神様に頼るのではなく、あくまで千尋個人の知恵や努力や人柄で大金を手に入れる展開の方が、より感動的だったかと思います。
ただ、全体としてはとても楽しい作品でした。
特に、モデルのようなイケメンなのに、中身は天然でワンコで千尋しか見えていない宗一郎のキャラクターが楽しく、「財布が擬人化…?色物っぽいな〜」という読み始めの印象が、いつの間にかすっかり消し飛んでしまいました。
作家さんの次回作が非常に楽しみです♪
みずかねりょうさんのイラストに惹かれて買いました。
東町二丁目さんは、今作がデビュー作との事です。
節約と貯金が趣味の千尋は、神様を名乗る怪しげな爺さんにこれまた怪しげな青年を押し付けられる。
「今日からあなたの財布になりました」
そう言って抱きついてきた金髪の男宗一郎は、以来千尋にまとわりついて離れない。なんとか成仏(?)させようとする千尋に一千万使ってくれたら消えます、と言う。
宗一郎の正体は、まぁ…なんとなく想定の範囲内でしたが、千尋の為に尽くす姿は健気で可愛かったです。
怪しげな神様の爺さんとか、一平さんとか、周囲のキャラクターもいい味出してました。
みずかね先生の挿絵狙いでget。
評価が分かれているようでしたので、自分はどっちだろう・・・と
ドキドキしながら読みましたがOKでした!きゅん多発!
挿絵をのぞいても評価は萌2~
攻めさんは受けさんの財布。
なぜか金髪 藍色の目の身長185センチ イケメン
かつ なぜか浴衣姿だったりする。
この財布、最初はバカわんこ状態で、めっちゃ可愛い。
1000万使えっていう話なんですけど、
てっきりこの財布がどっかから湯水のように
お金を出してくれるのか と思ってら、そうじゃなかった!
自前でした・・・・orz
お金ないって言ってんのに、ハー○ンタッツ買ってくんな
このあほ犬っ とほんとマジ切れしそうになるんですが、
あほ犬なだけに無駄に愛嬌があり、ついつい許してしまう・・・
自らに厳しくできる方は、たぶん、このゆるゆるバカ財布は NG!で
怒り狂いそうになると思います。
私は、ついつい甘くなって、
「うーん、新作だしな」とアイスを買ってしまう派(笑)
なので、このバカ財布 OK!
そのうち、ただのバカ財布じゃないことがにじみ出てきて
また受けさんにも壮絶な過去があることが分かって、
えーどうなるのーと思ってたら、後半は怒涛の展開。
途中からヤさんの息子が参戦してくるのですが、
そこらあたりから話の進め方が、ちょっと急というか粗いというか
なんせ、忙しくなります。
いや ヤさんの息子も話で必要なのは重々わかるのですが
誘拐されたり、身代金が1000万だったり
そもそもなんで1000万なん といったあたり
うーん、惜しい という気が少々いたしました。
あと受けさんの勤務先の焼き鳥店店主(マッチョ?なゲイ?)が
面白そうだったのですが、期待しているほど、
最後絡んでこなかったのも残念。
そういう差っ引く点はありますが、随所にある きゅん台詞に 半泣き。
後、キーポイントとなる工場やその近くの祠?などの描写が、
昔の自宅近くにあったと錯覚を覚えるような記述になっていて、素敵。
大好きなみずかね先生の絵のことも少しだけ。
当作も、女子ではなく りりしい男子に見える受けさんで、よかったー
大好きなキスシーンはなく、エッチシーンも少なめで、
それ以外のいろんな絵が描かれてました!
一番好きなのは、焼き鳥屋さんのカウンター内受けさんの横で
にこーと笑う攻めさんの図!
可愛かった♡
お話自体が私は面白かったので、和風ファンタジーが大丈夫な方は
一度お試しいただいてもよいのではないでしょうか~
節約大好きな天涯孤独の千尋(受け)。ある日落とした財布を拾おうとしたら、そこに怪しいおじいさんが現れ、千尋の財布を金髪のイケメンに変身させてしまった。そのイケメン・宗一郎は自らを財布の精と名乗り、千尋に金を遣うことを強要しはじめ…。
角川ルビー文庫の小説大賞奨励賞を獲った作品だそうで、これがデビュー作だそうです。
そういう作品によくない評価をつけるのは本当に心苦しく、気がひけるのですが、申し訳ありません。
節約と通帳記入が大好きな受け。焼き鳥屋さんで働いていて、給料が入ったところでウキウキしつつ道を歩いていたら、誰かに突き飛ばされた拍子に持っていた財布が道路脇の側溝へ。仕方なく手を突っ込み、拾おうとしたら、そこに神と名乗るおじいさんが現れ、金の斧よろしく「おまえが落としたのはこの金の財布か云々」。受けが怒って「俺の財布を返せ」と言うと、「よし、これがおまえの財布だ」と金髪のイケメンを出してきた、というのが物語の始まりです。
人型の財布は宗一郎(攻め)と名乗り、それから受けの金で散財し始めます。自分の服を買ったり、節約家の受けが食べたこともない高級アイスを買ってきたり。もちろん受けは怒るのですが、「僕はあなたに、自分の楽しみのためにお金を遣ってほしいんです」と、アーンして受けにアイスを食べさせる。
何だそりゃ。受けのための出費なら受けの金を勝手に遣ってもいいの? 神様が言うには何やら「一千万円遣え」ということで、せっせこ貯めた受けの金を、受けがいくらやめろって言っても遣います。
もうこの時点で、攻めの評価は地に落ちました。何だそりゃ。新手のヒモか。押しかけヒモか。
私が受けだったら蹴り出すところですが、エロいことしたり(お約束のように、攻めの食事は受けの精液)ケンカしたりするうちに何となくほだされていく受け。大事なお金を勝手に、しかも「あなたのために遣うんだ」とか押し付けがましく遣われて、何でほだされるのか心底不思議。まあそれでほだされて、過去を語りだす受け。昔の出来事がトラウマになってて、節約したいんだというエピソードです。
それを聞いて、ようやく受けの金を勝手に遣うのをやめた攻め。ちょっと節約してはドヤ顔で受けに自慢。ほだされちゃってる受けは、それでさらにホイホイほだされます。
読んでてもう、攻めがワンコっぽく受けに引っ付いてきても、明るく振る舞って受けの職場で可愛がられても、かっこいいこと言っても、何をやってもムカつく無双状態。その上、攻めが道端で盛ったせいで、盗撮されて受けが脅される。攻めは脅した相手に「悪意がなかったとしても許されない」とか怒る。えっそのセリフを悪意なく人の金浪費するあなたが言う?
その後よくわからんガキに「犬が死んだから葬式代貸して」って言われて断る受け。攻めが「昔あなたもそうやって誰かを頼りたかったんでしょう。貸してあげたら?」とか、何だそりゃ!(2回目) しかも結局貸してやるし。
その後、攻めが消滅の危機。神様再び現れ「だから一千万円遣えって言っただろう、一千万円遣わないから攻めが消えるのじゃ」とか。何その不良債権。そもそも受けの通帳には200万くらいしかなかったので、遣おうにも無理だったという話。私なら「勝手に消えろや!」と言ってしまうと思うけど、攻めに惹かれかけてた受けは無理して金を工面。
押しかけてきた不良債権にエライ目に遭わされる話としか思えなかった。その後、実は過去の因縁や何やらありました、ハッピーエンド。
最終的に話はちゃんと繋がってます。でも、昔受けがエライ目に遭ったのも、今現在エライ目に遭ってるのも、攻めがいなけりゃそんな目には遭わなかったのに的な。諸悪の根源が攻め。受けと攻めが恋愛関係になってなかったらとんだ厄病神だし、恋愛関係に陥っていてもトラブルメーカーのヒモでしかない気がします。
話はちゃんと繋がっているということで、文章力や構成力はある作家さんなんだと思います。他の方は高評価つけてらっしゃるし、攻めが生理的にムリ、と思わない方ならイケると思います。
個人的にはダメだった、ということでご容赦を…。
あと、受けの働く焼き鳥屋のテレビ2台がブラウン管なのが気になりました。まあ、ブラウン管でも専用アンテナだか買ってつなげばまだ見られるそうだけど…。