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お月さまシリーズ第3弾。
今回は小原兄弟からは離れて、『嘘つきな満月』で登場した莉大と和臣のお話。
『嘘つきな満月』では、和臣と別れる為に小原館に来ていた和臣、その莉大を迎えに来た和臣というエピソードでしたが、今回のお話はその前後。莉大と和臣の出会いが書かれてる「あの月まで届いたら」と、小原館から帰ってきた後の「水に生まれた月」です。お話自体は前作と繋がりはないので、前作未読でも充分楽しめると思います。
莉大は子供の頃に両親が亡くなり、親戚にも虐げられ、唯一祖母だけが心安らぐ場所だったのに、その祖母も入院してしまい、今はお金も住む所もない。口は生意気、それでもって意地っ張り。だけど本当は素直で健気な男の子。
和臣はエリートサラリーマン。社運をかけたプロジェクトのリーダーで、人望もあり女性受けもいい。でも付き合う人にはことごとく「いい人だけど」の一言で上手くいかないタイプ。実は小原兄弟次男抄の親友でして、学生時代は密かに抄の事が好きだった…やっぱりこの気持ちを一度確かめてみねばならんっと二丁目に行ってみるんですが…
という事で、2人の始まりはお金に困って2丁目に行った莉大を和臣が助けるとというのが始まり。男と消える所を邪魔された莉大ですが、実際にはそんな事はこの時が初めてで。なので助けられたっというのが本当の所。けれど現実には今晩泊まる所がなく…という訳で「一晩泊めて。一晩泊めてもらうだけでいい。迷惑はかけない」と和臣のマンションに来ます。
一方和臣は、元から莉大の事が気になってたし、莉大の話を聞くうちにほっとけなくなっちゃって、「君とは寝ないよ。路頭に迷わせた責任を取りたいから」と言い、2人は同居を始めるのですが、
なんせ始まりが始まりなので、お互いにいいなと思っていても、相手を大事にしたいの気持ちが上なので、せつないけどお互い片思いのような距離感で日々過ごしていく。また、2人共誠実で精神的に大人なんですよね。ちゃんと相手を思いやれる。なので妬みとか暗い部分がなくて、ピュアで可愛くてとまさに理想の関係。なので色々なエピソードがあるものの、安心して?微笑ましく楽しく読みました。
ゆっくり大事に関係を育てていっての恋人同士なので、「水に生まれた月」で和臣の両親とのエピソードも、ハラハラしながらも「どうやって2人は乗り越えていくのかな?」というあったかい恋のお話という感じで読みました。
ちょっと上手くいきすぎかな〜という感はありますが、さらっと甘く楽しく読めて、シリーズの中では1番好きだったかな。もうとことん夢見させて下さいって感じで。
また私は和臣がタイプなのか、シリーズの中で1番好きだった。イラストも和臣が妙にドンピシャでした。エリートなのになんか不器用って所が出てて。勿論莉大も。こういう可愛いんだけどしっかりしたタイプってのが、構ってあげたくもなり、甘えたくもなりって感じで。なのでキャラ的にもシリーズの中で1番好きなタイプのお話でありました。