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te wo tsunaide zutto
読むまで知らなかったのですが、こちらは6年前のリンクスの加筆修正版だそうです。
私はスペックの高い攻めに甘々に甘やかされたり独占欲の強い執着攻めの話は大好きなので、大事件はあまりありませんが楽しく読めました。
書き下ろしの短編を含めた4話形式です。
「ずっと手をつないで」幼馴染に失恋した静和(受)が焼け酒を飲んでベロベロに酔って帰る途中、知らない人に襲われかけたのを同じ大学の椿本(攻)に助けられます。
そして、慰め役、避難場所、憂さ晴らしの相手、気分転換なんでもやるから、前向きに付き合っていつか全部欲しいと告白されます。泣くことのできなかった静和を泣かせてくれて、癒されて少しずつ椿本に惹かれていきます。完全に幼馴染から心が離れて椿本のものになるまでです。
「もっと手をつないで」凄く包容力のある人だったと思っていた椿本が実はすごい独占欲の塊で嫉妬深いというのが、発覚する話です。
お互い嫉妬しまくりなんですが、椿本の方が激しい。
幼馴染が課題をするために泊まったと知って、幼馴染の前で、なにもなかったかどうか確認するのにはびっくりでした。
「ずっと一緒に」幼馴染と静和があまりにも長い付き合いで家族のように仲が良くて相手のことが分かっていることに嫉妬する幼馴染の恋人と静和が仲良くなろうとするお話です。
「ゆっくり待ってて」椿本の同棲したいなと思っていたのに気づいてびっくりする話です。
どの話も椿本が静和にベタ惚れです。
ただ、椿本が静和を好きになったのは顔だったというのがどうも納得いかない。顔が好みでずっと見てたらいつの間にか好きになったくらいであんなに執着するかなぁと。何かしらエピソードがあったら良かったと思います。
全篇静和目線なので静和の容姿についての記述がないのですが、何回もナンパされてるし美人さんなのかな。
椿本の忠告にも「おまえに声かける度胸のある奴は自分に自信があるタイプ」て言ってるのできっと男ウケするタイプなんだろうかなと想像します。
同棲したいって話では、今海外にいていないとはいえ家族と住んでる広いマンションに椿本が空いてる部屋を静和にあてがおうとしたらしいですがそれはどうかしらと思いました。
2人で折半してすむとか、2人とも独り立ちして生活費をまかなえるようにならないとって考える静和の方が大人な考えだと思いました。
年齢が大学2年ではなく社会人だったとしたら違和感無かったのでしょうが。
全体的に甘々で切ない気持ちになることもなく安心して読めるお話でした。
幼なじみにずっと片思いをしていた大学生の静和(受け)。その幼なじみに恋人ができて失恋が確定した夜、1人バーに行きヤケ酒をしていたのだが、店の外に出た途端酔っ払いに絡まれる。窮地に陥っていたところをバーの店員に助けられたが、その店員は静和と同じ大学へ通う椿本(攻め)だった。以前から静和を知っていたという椿本は、ずっと好きだった、付き合ってほしいと告白してきて…。
大学生同士の、あまり大きな事件もなく淡々と進む話です。
受けは幼なじみが好きだったんですが、ノンケだと思って告白さえしなかったのに男とくっついてしまったので、それなら言ったらよかった、いやどうせ言えなかったかも、と鬱々として、バーでヤケ酒。カクテルをメニューの上から順番にガッツリ飲んで、へべれけになって帰ろうとしたら客の男に絡まれ、連れ去られそうになったところをバーの店員に助けられ、そのまま意識を失って店員宅にお持ち帰りされます。そしてその店員は実は同じ大学の学生だった、という展開です。
うーん…淡々と、といえば淡々ですが、悪く言えば何の起伏もなくダラダラ、という感じ。恋愛の描写しかないのもどうかなぁ…。
そもそも店員攻めは、最初から受けが好きだったと言うんですが、その惹かれた理由が顔。そこからして萌えないし、「受けが幼なじみを好きなのが見ていてわかったから、余計に好きになった」というのが、あー…誰かを好きな人ばかり好きになる人っているよね…という気持ちになりました。
そんな出会いなのに、やたら攻めは嫉妬深い&束縛系。幼なじみといたら嫉妬に狂って幼なじみの前でキスしたり、幼なじみが大学のレポートのため泊まったといえばその幼なじみの面前で衣服剥いで浮気チェック。えっ幼なじみに受けの半裸見せるのはいいんだ…。
割と突っ込みどころが満載だし、束縛男とダメ男に惚れるダメ女の図を見てるような気分でした。あと攻め、家族も住むマンション(現在家族は不在)で受けと同棲しようとしてるのが…。おいおい扶養家族! という気分になりました。