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siren ha ai wo utau
『紅炎竜と密約の執事』『黒猫は蜜月に啼く』に続くシリーズ第三弾。
単独でも読めますが、登場人物が多いため、既刊既読の方がより楽しめるのではないかと思います。
あらすじ:
舞台は、多種多様な魔物が棲む海の世界。
半人魚のメルヴィネ(受け)は、幼い頃出会った水竜・サロメ(攻め)に恋い焦がれ、彼との再会を夢見ています。
そんなある日、メルヴィネら人魚は人間たちの襲撃を受け、捕らえられてしまいます。
人間の海軍将校は、仲間の人魚を人質に、サロメを殺すようメルヴィネに命じ…。
メルヴィネは、人間の脚に僅かに鱗を纏った半人魚。
母親の人魚・ラーラは、サロメに想いを寄せていたものの、最終的に別の雄と交尾しメルヴィネを産みました。
そのラーラも人間たちに惨殺され、独りぼっちになってしまったメルヴィネ。
母を恋しがりながら、自身の初恋の相手でもあるサロメを探し求める姿が切ないです。
サロメは、既刊にも出ていたらしい美貌の水竜。
竜結社(ドラゴンギルド)という組織の一員で、産業革命以降に始まった人間による魔物迫害に対抗して同組織が作られた…という設定のようです。
常に敬語で、知的で穏やかな性格ですが、やることは結構大胆?
数年ぶりに出会ったメルヴィネの傷を治すため、鱗(人魚の性感帯)を愛撫したり、フェラしたり…
上品そうな見た目を裏切る攻め攻めぶりにギャップ萌でした。
ちなみにメルヴィネは、人間たちから逃げようとして殴打され、記憶を失った状態でサロメと再会するため、最初はサロメのことも、仲間を人質にとられていることも忘れています。
残虐な人間たちがメルヴィネを殴っただけで打ち止めにするのはやや不自然に思えますが、
メルヴィネが記憶を失ったままサロメに惹かれていき、やがて自身の使命を思い出すという展開はドラマティックで良かったです。
この作品、
物語冒頭で語られる架空の寓話や、メルヴィネの両親の馴れ初めなど、実在の童話や伝承を連想させるエピソードの数々が魅力的。
特に冒頭の寓話は、掴みとしても伏線としてもなかなか良い仕事をしていました。
人の生き血を啜り、不老体を手に入れたバイロン王。しかし最期は人魚に喰われ死亡…という彼の物語が、本編の後の展開に生きてくる構成が良かったです。
竜がギルドを立ち上げる等、中世ヨーロッパの世相を反映した発想も面白く、ファンタジーでありながら不思議とリアリティを感じさせる世界観も好みでした。
挿絵の印象もあってか、何となく往年の名作BL/ラノベのような趣を感じる一冊。
機会があれば既刊2冊も読んでみたいです。
ドラゴンや人魚のいるファンタジーのシリーズの3作目。BLというよりファンタジーとして面白いと思う。もちろんセックスシーンもあるのだけどエロというより愛情を交わしているという感じがする。
今作では主人公の人魚が憧れのドラゴンに人魚の保護を求めに旅立つ冒険物。しかし直ぐに敵に捕まってしまい頭を殴られ大怪我を負ってしまう。それが元で記憶喪失となり、助けられたドラゴンが憧れの人であることも思い出せない。この辺りはお約束なのだけど、やっぱり思い出せない主人公が早く記憶を取り戻せるように応援してしまう。
是非とも1作目から読んで欲しいシリーズ。おススメ!
私が勝手に思ってる執着シリーズ第3弾! 水竜サロメの登場です。今までの2冊を読んでると本当に物静かで優しそう(ん、でも?!)な雰囲気を出してましたがやはりそこは、ね! 孤独なサロメを癒やしてくれる存在のメルヴィネ(人魚)。過去に1度だけ会っていたのですが人魚一族の長からの断絶の為に会いに行くこともできず時だけは過ぎてゆき…。はい、今回も出てきましたよ最低な敵が!(最終的には苦しみをあじわうことになるけど) でもそいつのせいでサロメがメルヴィネに再会したと思うと腹は立つ。 思いは募り、さらに小さいものには目のないサロメの溺愛っぷりと執着はさすが! 途中悲しい出来事も含めやはり今回も読みごたえがありました。 極東の王の存在がひそかに気になる~っ。 し、次回はやはりフォンティーンですよね!
『紅炎竜と密約の執事』は、まぁまぁ、『黒猫は蜜月に啼く』はあまり好みではなかった為、もしかしたらドラゴンギルドシリーズにはハマれないなかぁ、と思ったりもしましたが、今作は面白かったです。
これまでにもちらほら登場していた、聖母のごとき美貌の水竜、サロメと人魚のハーフ、メルヴィネのロマンスです。
見た目だけならどう考えても、サロメは受けなのにベッドの上では他の竜同様、雄々しくて萌えました。
あと、硬派な攻めが好みなので、美しい人魚たちにほだされることもなく、ずっと一人を想っていたところも良かったです。ただ、普段は穏やかだけど、絶対怒らせてはいけないタイプの人ではありますね。
今回、ほぼ神評価に近かったのですが、メルヴィネの記憶喪失に関してはちょっと都合が良すぎる様な気がしました。覚えている事と覚えていない事の差、記憶を取り戻すタイミングなんかが…。
人魚姫モチーフな為、もしかして悲恋のまま終わるのかと途中ヒヤヒヤしました。ハッピーエンドで良かったー!
母と同じ人を好きになってしまったことを悩んでいたメルヴィネだけど、ラーラはラーラで愛する人のところへたどり着けただろうから、これからは心置き無くサロメの胸で眠れるね。