江名
hidamari ga kikoeru
ドラマCDの特典としてもらえた、
コミックス未収録の番外編漫画が6P載っている小冊子です。
描き下ろしではないということで、
きっとどこかで一度掲載されたものだと思うのですが、
ちょっと検索してみてもどこでなのかは分かりませんでした。
大学の後夜祭でのエピソードです。
外にステージを作って、学生たちで盛り上がりを見せている後夜祭。
でも、航平と太一のふたりはそのステージの前ではなく、
少し離れた校舎の外階段の踊り場からその様子を眺めている。
「は…っ、くし!! はっくし!」
くしゃみが何度も出てしまう航平に、
『髪切って、風邪でもひいたんじゃねーの?』と太一。
「そんな訳ないで……っくし!」
まだくしゃみが止まらないながらも(かわいい…)、
「スッキリした」と、髪を切った感想を素直に口にする航平。
そんな航平に「杉原くーん」と女の子からの声が下から響く。
『…モテてんな、相変わらず』と太一に言われて、
ちょっと困ったような顔で「お祭りだからかな?」とか、
「やっぱコレ(補聴器)目立つのかな」と、航平。
『お前って、ほんと自分の事分かってないよな
…最初っからみんな、お前と話したいと思ってたんじゃねーの?
…髪切って少しは話かけやすくなったんじゃねーの』
そう言って、太一は航平の頭をわしわしっと撫でてくる。
すると、
「もう、勘弁して、それ以上言われたら、また泣きそうだから」
頬を赤く染めて視線も合わせられない航平が、とても初々しく可愛い。
そしてまた「は…っ、くし!!」と、くしゃみ。
『やっぱ、風邪ひいたんじゃん
帰った方がいいんじゃねーの?』と太一。
「…や、せっかくだから、もう少し見てく」と航平。
すると、
アナウンスと歓声が聞こえ、夜空には打ち上げ花火が上がり始める。
火の粉がキレイに舞う夜空を、並んで見上げながら、
ふたりの指先は、密かに触れ合っているようで……
なんてことないこんな時間も、
きっとふたりにはかけがえのない思い出になるんだろうなぁ。
「ひだまりが聴こえる-幸福論-」早くコミック発売してほしいな、
航平と太一のその後を見るのが、ますます楽しみになりました。