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おまえの愛はどれだけ深いのだろう
etsuraku yorimo fukaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
悦楽よりも、深く
発売と同時に買っていたのですが、記憶喪失になることがわかっていたので、伊織を忘れた貴船が浮気しまくるんじゃないかと心配で、なかなか読めず放置していました。想われている相手がいるのに他の人とっていうのが地雷の1つなもので。結果心配しなくて良かったです。さっさと読めば良かった!勿体無いことしてしまった。
表題作が一番長くて2/3で、残りはSSになります。
「悦楽よりも、深く」
前作の「うなじより7秒」から半年ほど経過した、4月末
伊織(受)は貴船(攻)から同居したいと長らく懇願されています。でも、伊織は離婚したことがトラウマになっていて、恋愛はうまくいっても生活となるとまたうまくいかないのでは、今の状態を維持したいと決心できません。
ある日、貴船が事故にあいます。頭を打っているので二週間ほど誰かと一緒にいた方が良いということで伊織とまさかの同居することになります。この時、貴船は過去2年強の記憶がなくなっており、伊織と出会う前なのですが、貴船曰く身体が伊織のことを覚えています。「過去の貴船」は悟られないようにしますが、伊織の身体が拒否して「俺の貴船」じゃないと気づきます。
「俺の貴船」じゃ無くなっても、いつか思い出すかもしれない、2週間たっても伊織は離れられません。
2人は何とかやっていこうとするのですが、うまくいかなくて‥
どちらも切ないです。伊織はずっと一緒にいられると思っていたのにいきなり「俺の貴船」がいなくなってしまい、姿形は同じでも全然違う男が側にいて寂しい。「過去の貴船」が求めてきても全く欲情できないし。
「過去の貴船」は伊織が自分を見てくれないとイライラするから、「未来の貴船」に主導権は渡すまいと抵抗してしまう。
貴船の愛はとても重いです。重いからこそ事故にあってしまったのですが、その重い愛を受け入れ、自分の全てを貴船に差し出すことを決意をすることができて、はじめて2人は本当の意味で結ばれたんだと思います。
これも一種の、純愛なんでしょうね。
こんなに深く愛し愛されて、何て幸せな人生なんでしょう。
「愛はどこにあるの?」
同居を始めようとした2人に意外な障害が‥
普段の伊織の人柄が助けになりました。
大家さんがいい人で良かったです。
愛はどこにあるの?ここに。
2人が少しづつ家族になっていきますね。
「糸をゆわえる」
お祭りの出店のお手伝いに伊織が駆り出され、貴船は蜘蛛の巣柄の浴衣を着て遊びにきます。
蜘蛛の巣がらは昔の花柳界で「良い旦那が引っかかりますように」という願いのこもった柄だそうで、伊織は自分が捕まったんだなと思います。
「彼にとって暖かい場所」
炬燵の大好きな貴船。寒くなったので炬燵開きをしようと伊織が提案。出したら最後、炬燵から出てこなくなった貴船を見て、弟の隼人が来てびっくり。3人で鍋をして、貴船が今まで鍋は美味しくなかったのに美味しいと訝しむ。鍋は家族でするもんだと隼人が言って納得。
炬燵開き?と新しい言葉を知りました。
うちも今年からそう呼ぼうかな。
炬燵開きを家族独特の行事と呼ぶのが、家族になったなぁとほのぼのします。
「この、きらきらした、うつくしいもの」
元妻、和美の赤ちゃんを見に、そして恋人を紹介しに、和美の家のクリスマス会に行くお話。
貴船を紹介され驚き固まる和美といいですねえと感想を言うミュージシャンの旦那さんの対比が面白かったです。
相変わらず赤ちゃんまで魅了する貴船に和美は赤ちゃんの将来を心配します。
元夫婦のそれぞれの新しい家族との出会いはとても穏やかで幸せなものになりました。
表題作は切ないですが、最後はうまくまとまって、とても良かったし、エロもがっつりあります。
SSはどれもほのぼのして幸せな気持ちになります。読んで本当に良かったです。
ぽすこ先生のイラストもとてもいいです。もっとたくさん見たい位です。
前作が良かったので、期待しつつ読みました。
彼らのラブラブが読める!と思ったら、まさかの貴船、あの貴船はどこ行っちゃったの!?でびっくりしました。
そして冒頭の書き出しもあって、ドキドキしながら読み進めました。
まぁ、このまま終わりになるとは思ってませんでしたが、貴船の中には「伊織の愛した貴船」と「二年前の貴船」が同居してたんですね。多重人格的な感じで語られます。
「もっとあの貴船をわかってやれば良かった」という伊織に対して、貴船がいう「ぜったいだめです」。ここがグッときました。
だって、そうなったら自分はもう奥深くに閉じ込められたまま表に出ることが出来なかっただろうと。
つまりは二年前の貴船も伊織に惹かれ、二人の貴船が伊織を取り合うことになっただろうと。
そのくらい、貴船の根本的なところと伊織の間には何かが存在していて、何度生まれ変わっても結ばれる的な縁があったということだと思います。
後のお話は二人のラブラブエピソードで仕立てられていますが、元嫁のところへ二人して行くのはアリなんか?とちょっと思いつつも、彼らと元嫁ならあるかもなーと。
貴船がもう現実的じゃないくらいの人物に描かれているのですが、伊織にメロメロなところが読んでいて幸せに浸れます。
「うなじまで、7秒」続編は、記憶喪失ネタ。
詳しくは先の方々がレビューされてますので、思いつくがままのレビューで失礼します。
伊織好き好きな貴船だから、たとえ伊織の事を忘れてもすぐ好きになるよね〜なんて思ってたら、記憶を失い初めて伊織に会ったその瞬間から好きになるという、さすがな貴船さんでした(笑)
しかし貴船は「俺の貴船」という伊織に苛立ち、「俺の貴船」に嫉妬するから感じが悪いこと(;´д`)
同じ人間なのにこのもどかしい感じ、記憶喪失ネタの醍醐味ですね。
貴船の記憶が戻るタイミングは都合良すぎな感もあるけど、好きな人を全て受け入れる・受け入れられたからなんだろうな、と。
二人とも、もっと伊織弟に感謝したが良いよ…(*´-`)
他、短編が4つあり、二人の穏やかな幸せな様子が垣間見れました。
こたつが大好きという貴船の意外性が可愛い(*´ω`*)
前作は展開の早さにちょっと置いてけぼりをくらった感じがありましたが、今作はそういう事もなく楽しめました。
二人の仲は揺るぎないものとなり今後どんなトラブルも難なく乗り越えるだろうけど、続編があればまた読みたいです。
伊織弟のスピンオフでも…(´∀`*)
うなじまで の続編があると 今頃気がついたので、読んでみました。
ぼすこ先生の挿絵は、とても素敵。
カラー口絵は ベッドシーン序盤戦。全部脱いでないから逆に色っぽい。
中の挿絵では、二人の丹前姿が拝めます。ハーフイケメン、なんでも似合うー。
その他 ベッド中の二人や、着衣のいろんな二人の姿を
先生の挿絵で見ることができて 幸せ♡
お話の方は、前作 うなじまで を読んでないと、面白さ半減ではないかと思います。
で お話。
このハーフイケメン、少々めんどくさい。重い。
まったりねったり、とっても愛してくれているのは よーくわかるのですが、
もうちょっと軽やかにいこうよ とつい思ってしまいます。
必死で 愛しすぎて 余裕がないようです、前作も今作も。
受けさんは おっとり慎重派というか、朴念仁 という表現が作内で
何回か出てきますが、鈍感なのかな。
そんなキャラなのに最後の方で、ちゃんと頑張って、攻めさんを取り戻すので
おお、よく頑張りました!という気持ちです。
二人の続きを読めて、良かったです。
また、後ろに入ってるショートでは、受け弟の鍋奉行っぷりや
攻めのこたつLOVE度も知ることができて、面白かったです。
うなじまでを読んで、面白かった方には よいかもな と思いました。
電子書籍で読了。挿絵有り……ですが、多分紙の本の方が美しいのではないかと。私の先入観かも知れませんが、高崎さんの様な繊細な線を描かれる方のイラストは、電子書籍では再現できない様な気がします。(やっぱり美しさでは、原画>紙の本>電子なのでしょうねぇ)
前作「うなじまで、7秒」の後日談です。
前作もドラマチックでしたが、貴船が記憶喪失になっちゃってこちらも波瀾万丈でした。
ナツ之さんは解りやすい文章を書いてくれるので好きな作家さんです。上手い作家さんだと思います。上手い方の文章ってツルツル読めるのですよね。今回、読んでいて、伊織の気持ちの大きな揺れ幅について行けなくなってしまいまして……
忙しい中で読んだ所為もあるかもしれません。気力体力が充実している時に読むべきだった、と後悔しています。