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ouji to kosodate
タイトル通り、王子と子育てに勤しむ甘々シンデレラストーリー。
子育てモノの常で子どもは可愛く描写されていますが、ストーリーとしてはご都合主義が過ぎる上、展開も平坦で、星3つにはちょっと届かないかな……
そんな印象を抱いてしまった作品でした。
まず、受けの瀬名の設定。
どこかの国のセレブor王子様に嫁ぐための条件が揃いすぎており、さらにそれらの設定が物語序盤からバンバン出てきて、見せ方としてあまり上手くないな…と、まずそこで気持ちが冷めてしまいました。
唯一の身寄りである祖母を亡くしたため家族がおらず、内定先の会社は倒産し職もなく、非常に身軽。
それに加え、子どもが集まりやすい遊園地でバイトしており、
翻訳の勉強をしているため外国語能力はあり、
更に、攻めの息子には出会い頭に「マミィ!」と懐かれ…
この手の子育て+花嫁モノはおしなべてご都合主義なものですが、本作はあまりに作為性を感じてしまい、個人的には萎えてしまいました。
攻めのジェラルドは、若くて優しくてイケメンで…と申し分ない人物ですが、欠点がなさすぎてちょっと物足りない印象も。
また、いくら息子が懐いているとは言え、会って間もない東洋人に大事な息子のベビーシッターを任せるなど、とても一国の王子のやることとは思えませんでした。
ストーリーとしては、後に瀬名がジェラルドの身分を知って驚いたり、身分差に引け目を感じたり…といった展開はありますが、大事件に発展するでもなく、基本的にほのぼの。
子どもや子育て描写自体がお好きな方は楽しめそうな内容でしたが、個人的にはそれだけで引っ張られるのはちょっとキツかったです。
評価を下げてしまい申し訳ないですが、中立評価とさせて頂きます。
大学生の瀬名(受け)はテーマパークでのアルバイト中、天使のように可愛い外国人の子供を保護した。その子供、フランを迷子センターに連れて行こうとしたら、乱暴にフランを拐かそうとする黒服の集団が現れ、あらがっていたところをフランの父親・ジェラルド(攻め)に助けられる。フランを保護してくれた礼がしたいと言われてジェラルドやフランと過ごすうち、ベビーシッターとして雇われることになったが、ジェラルドが某国の王子であることが判明して…。
タイトルそのまんまの話です。
唯一の肉親だった祖母を亡くし、天涯孤独になった受け。バイトで笑顔を作ることにすら疲れていましたが、天使のような外国の子供に「シェナ、だいちゅき!」と懐かれ、いつしか笑顔が戻ります。
そして天使のパパである攻め。こちらもキラッキラの王子様です。でもちみっこの可愛さがすごすぎて、やや印象が薄くなっていたのは否めません。
ちみっこもので個人的にいくつか許せない展開があったりするのですが、この作品にはそのたぐいの不服は一切ありませんでした。たとえば結構早いうちから受けは攻めに惹かれているのですが、恋愛感情にかまけて子供の世話がおざなりになったりはしない。まず一番大事なのが子供、というのが徹底されているのがいいです。
攻めは子供にちょっぴりヤキモチ妬いてたりしてましたが、こちらも「自分の子供の世話してもらってるくせに、子供に集中する受けに不服を抱く」なんてことはありませんでした。子供の世話をしてもらっていることに心からの感謝をしてるのがよかったな。
お家騒動がうやむやになったり、そもそも隣国の王族が子供をさらおうとするのかありえないだろう、と思ったり、いろいろ気になるところはありました。あと挿絵が残念。肝心の子供が年齢設定おかしい。(2歳なのに5歳くらいに見える) なので評価は萌なのですが、ちみっこが可愛かったので萌×2で。
そういえばあと一箇所すごく気になったところがありました。
受けとちみっこを乗せて、攻めが運転する車でドライブ、というシーン。「日本は私たちの国と同じ、右側通行だからありがたいよ」って攻めが言うんです。
いやいや日本は左側通行ですから!(笑)
本当に本当にフランの可愛さに癒やされた1冊でした。
瀬名は天涯孤独で就職が決まっていた出版社が倒産になり、食い繋ぐためのアルバイトをして生活していました。
そのアルバイト先(フェアリーランド)で出会ったのが、天使と見紛うほどの可愛らしいフラン。迷子センターに行く途中、何者かにフランを奪われそうになり、元々鍛えていた護身術でフランを守り、そこに駆けつけたジェラルド(フランのダディ)に見初められ、日本にいる間のベビーシッターを頼まれます。
2人が北国のある小国の王子様だったと知り離れようとしますが、雇用という形で正式なベビーシッターとして雇われラプフェル国に行くことになるのですが‥。
お話自体はよくあるシンデレラストーリーかなあ?と思います。
でも、設定的にファンタジーさながらの子育て話が嫌いではないので楽しく読ませていただきました。
この本は子育てがメインなので、がっつりBLをお求めの方には物足りないかもしれませんが、子供の可愛らしさが本当に絶妙で、ジェラルドのプロポーズのシーンは外国だからこそ出来る素敵なシーンで、疲れた一時の癒しに是非読んでほしいな、と思える本でした。
あとは、あとがきにもあり訪問してみた墨谷さんのホームページに掲載されていた番外編SS。
本当に本当にひたすら可愛いフランと、少し残念なジェラルが見れてとても和まされました(*´∇`*)