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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
火を司る炎神の末裔である螢(受け)は、感情が高ぶると高熱を発し、発火させてしまう体質を持っている。それによって幼なじみを火傷させてしまったトラウマから、人と親しく付き合うことは避けていたのだが、大学の准教授である水伯(攻め)にはペースを乱されてしまうことに気づく。しかし水伯の冷たい手は螢の発熱を抑える力があるようで…。
既刊『風神×雷神』と同じ世界観の話ですが、前作キャラが絡んでくるわけでもないので、スピンオフというわけでもないです。未読でもまったく問題はありません。個人的には『風神×雷神』のほうがずっと面白かった。
さて今作は、炎神の受けと水神の攻めの話です。
炎神の受けは、感情が高ぶると身体が熱くなり、触るものを火傷させたりしてしまう体質持ち。昔幼なじみの大翔くんの足をちょろんと火傷させてしまい、以来人とかかわることは避けています。
同じ大学に通うその大翔くんの紹介で一緒にバイトすることになったのですが、そのバイトが攻めの研究室の水槽の掃除。しかしバイト中の受けに、攻めはなぜかしつこく構ってきます。攻めは飄々として明るい、チャラっとしたタイプ。18歳の受けに対して32歳というかなりの歳の差ですが、チャラいのであまり歳の差は感じません。
基本的に受けと攻めが絡むより、受けと幼なじみの大翔くんの絡みのほうが印象が強くて、別にくっつくのこっちとでもいいな、と思ってしまいました。大翔くんは受けの保護者みたいな感じで、すごくいい男でした。攻めに絡まれて大翔くんの背後に逃げ込む受けは微笑ましくて可愛かった。
あんまり攻めのインパクトが強くなくて残念でした。水神としての特性は、泳ぎが達者という以外は、異様に身体が冷えやすいというだけ。地味すぎる…。受けの発熱と相殺されて温まるから便利、というのもあまり萌えるような感じじゃなかったなー。
あと後半で沖縄に採取旅行に行くんですが、そこで起こる事件も取って付けたみたいでビミョウでした。
「風神x雷神」と同じ世界観の作品ですが、登場人物は全くかぶらないので関連作未読でも全く問題ありません。
本作の二人は水神の依代の家系である水伯龍司(32才)と、炎神の眷属の子孫、火野坂蛍(18か19才)。
出会いからずっと水伯は蛍に対して過度なスキンシップを仕掛けてきて、子供の頃から他人と接触しないように、感情を動かさないように自制をし続けていた蛍をイラつかせる展開。
確かに蛍にしてみれば、「オレに近づくとヤケドするぜ」が実際に起こりかねないわけで、しかもその訳を軽々しく話すわけにもいかない。そこにしつこくセクハラまがいに、蛍がいくら嫌がっても抱きついたり触ったりする水伯がウザい。
結局終盤にやっとお互いの家系の秘密を告白しあって、それがなぜか恋愛的告白になっちゃうのだけど(あらら、ご都合?)。
受けが一方的に攻めに助けてもらう関係性の風x雷CPに比べれば、攻めは受けの火の力を制御してあげられるし、受けの方も攻めの低体温を温めてあげられる、という相互的な関係が一応築けているので、恋愛的には進歩しているとは思いますが…
Hシーンはそれほどエロティックじゃないけど、みずかねりょうさんのイラストは可愛い綺麗系なのでとても良いです。
「水神≧炎神」
水伯x火野坂、その後。
初めての恋に戸惑い距離感のつかめない火野坂に、嫌がられるのがわかってるのにちょっかいを出す水伯。相変わらずおとなげない。
風神×雷神のスピンオフではないのか? これだけで終わってるし。 でも内容的には、ある力を持ってるのにはかわりなく、それが今回は水と火。 螢は感情が高ぶると体温が高くなったり火を出したりと、過去にそのせいで幼馴染に怪我をさせたことから周りに馴染まず過ごす日々。そして出会うのが准教授なんだけど、彼に触られると力が抑えられる。 その理由が最後の方で説明されるんだけど、もっと早く気付くんじゃね?と思ってしまう。お互いに必要な力を持つ2人がくっつくお話でした。
水神×炎神ときて、みずかねりょうさんのイラストときたら、もう読むしかないでしょ(笑)と意気込んで読みました。
しかも勝手な雰囲気からしたら、炎神が攻めで激しめ?(笑)
水神はクールな受け?(笑)
とか勝手に思っていましたが、全く正反対で…
とにかくあっさり感が半端ない感じで物足りない。
設定はメッチャ好みなのに、炎神の力を持つ螢(受)は小さい頃から力を制御する為に感情的にならないように生活してきたというだけあって、地味。
幼稚園の時に幼馴染みの靴を燃やしてしまってからは、他人との関わりを持たないようにしてきただけあって何も無くて地味。
一方の水神の影響のある水伯(攻)も色々と水に愛されているというだけで、後は感情が昂ぶった螢の熱を抑制するくらいで後はずっと寒がって螢を湯たんぽ代わりにしているだけ(笑)の印象しか残りませんでした。
せっかくのファンタジックな設定なのに、それを活かしたような事件も起こらないし、螢の事情も理解している幼馴染が当て馬になるのかなと思っていたけど、普通にオカン的な存在で終わり。
何だか全体的に物足りない。
後半で、小さい事件?がありますが、二人の能力に関係しないので今ひとつ印象がない。
派手な事件が起こって、それをそれぞれの力で解決…なんて大袈裟な展開が良い、面白い、なんて事は決して言わない。けれど、せっかくの設定が地味に抑えられていて勿体ないな、物足りないなというのが読後の感想です。