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tatta hitori no otoko
水原とほる作品の中でも、中々に大人なお話でした…最高に面白かったです。
水原とほる作品に多い、受けがとんでもなく可哀想&痛い目にあう展開はないのですが、当て馬キャラと一時恋人関係にあり、そういう描写もあるので地雷の方はご注意を。
攻めと受けは一時お付き合い(?)をしていたのですが、仕事上のある転機により、恋人では無く仕事上の大切な相手、という関係に落ち着くのだが…というお話。
当て馬の弁護士さんが言っていた「手を伸ばせば触れられる距離にいるのに無理やり背中を向け合っているようだ」という言葉がぴったりな2人。
側から見れば、お互いずっと意識しあっていたのに、当の本人たちが一歩踏み出せなかったんですね…そのもだもだ感が私は堪らなかったです。
受けがかなりしっかりしていて、またその考え方が面白くて一気に読んでしまいました。
水原とほる作品が痛くて苦手、という方にもおすすめ出来る作品だと思います。
別れた男に別の女がいても割り切ってその男の秘書をしている健気なクールビューティーな受けの秘書。結局、受けに他の男ができた時に、自分のことは置いといて不機嫌になる攻め。本の帯に「やっぱりお前は俺のものだ。誰にも渡せない」って書いてあったのを見て、そういうの大好きと思って読みましたが、途中で、「今更なんなんだよ、殺すぞ、このくそヤロウ!」と思わず口走ってしまいました。
攻めにそんな暴言を吐きたくなったのも、この当て馬になる弁護士の男の人が正直、一番素敵だったからです。スピンオフとかあまり好きではないんですが、彼が攻めのスピンオフを出してほしいくらいです。とってもかっこよかった。
受けも途中、この弁護士に完全に堕ちたと思ったんですけどね、そこは上手くいきませんね。それじゃあ、小説としてどうなのってなりますし。
でも、お話としてはすれ違いや、攻めも受けもお互い無理してる感じとかが良く伝わってきて、切なくてよかったです。
そういうシチュエーションが好きな人にはお勧めです。
情報処理会社“シロテック情報システム”は
社長の城山基弘が36歳で独立して立ち上げた城山商事の小会社です。
城山商事から引き抜いた人材のうちの一人、
石川暁生が元恋人で現社長秘書。
城山はバイで、現在付き合っている女性と上手くいっていない様子を
暁生に言い当てられ機嫌を悪くするなど
子どものような面もありながら
仕事に関しては攻めの姿勢を崩さないやり手社長。
そんな彼をサポートする暁生ですが…。
珍しく、本カプ(基弘×暁生)の甘さが少ない作品です!w
暁生に想いを寄せ、スマートに誘ってくる弁護士の佐賀が
当て馬となるわけですが
優しいし、暁生も誰より安心出来るような相手だと思うのに
どうしても城山への想いを断ちきれない切なさがありました。
城山と別れて3年、誰とも付き合いはなく
久しぶりの高揚感もあるし、
佐賀に抱かれれば感じられるのに…。
(ちなみに佐賀との描写の詳細は少ないので
私はそんなにモヤらずにすみましたw
基弘とモトサヤだろうことも予想したうえでw)
城山が、彼女との週末の旅行時の為に
プレゼントを見繕ってくれって頼むとか
デリカシーが無いように思いましたが
佐賀と暁生の事が気になって不機嫌だったりで
この辺のお互いの腹の探り合いにドキドキしました。
プライベートな関係を納得して終えた、というのが
実は城山のある懸念があった為で、
ちゃんと愛を感じられましたし
なんといっても割り切ったつもりでも嫉妬とか
心が揺れる様が……良かったです…!!
3年ぶりに感じる二人の体温と愛撫、
そりゃあ気持ちいいことでしょう!!とか
下世話な感想になってしまいますが
暁生の、幼い頃から思っていた疑問
「僕ってなんだろう……?」の答えを
遠回りして出せたハピエン、萌えました♪
1冊ぜんぶ表題作です。暁生(受け)の視点で進んで行きます。
暁生と基弘(攻め)は恋人同士でしたが、会社を独立するにあたり、基弘から別れを切り出されて社長と秘書の関係になります。それから3年、基弘は女性と付き合いそれを暁生はサポートをしていましたが、暁生にも恋人ができ…という話です。
第一章<現在の二人>、第二章<過去における二人>、第三章<未来へ向かう二人>と分かれているので読みやすいです。
暁生が佐賀と付き合いだしてから基弘の機嫌は悪くなりますし、暁生だけでなく基弘も好きなのは早い段階で分かります。なので、非常にじれったいです。ただ、イラつくようなものでなく、両思いはまだなの?とページをめくるのがもどかしくなる感じです。
暁生も基弘も恋人がいて、相手と肉体関係もあるので、苦手な方はご注意ください。ただ、二人の恋人と別れてからそれぞれと向き合う誠実な姿勢に私は好感を持ちました。暁生が佐賀へ抱く感情や行動も、基弘を忘れるためというネガティブなものでなく納得できるものでした。基弘が暁生に別れを切り出した理由も良いものでした。
佐賀は良い男でした。終盤に登場した少年と、暁生と基弘の仲間である杉原はスピンオフが出そうな雰囲気ですが、それより佐賀を幸せにして欲しいと思ったものです。少年の兄とかでもいいから(笑)
暁生の「僕ってなんだろう…?」という疑問への問い、会社の問題、二人の関係、すべてが解決したハッピーエンドは見事でした。ただ、暁生が本気で基弘の気持ちを推測できなかったり、平気で彼女のサポートする場面や佐賀を好きになろうとする部分とか、妙に切なさを感じてしまい肉体的に何かあったわけじゃないのにちょっと辛かったです。
あらすじ:
情報処理会社の社長・基弘(攻め)と秘書の暁生(受け)は、3年前に別れた元恋人同士。
弁護士の佐賀と関係を持つ暁生だが、基弘への想いも捨てられず…。
元は同じ会社の上司と部下で、恋人同士だった二人。
しかし、二人で独立し仕事上のパートナーとなったことを機に、公私混同を避けるため別れてしまいます。
自分から別れを切り出したものの、暁生は基弘にまだ未練が。
弁護士の佐賀と関係を持ちつつも、彼の想いに応えられずにいます。
二人の出会い、恋人時代のエピソードを経て現在の物語に戻るという構成は映画的でなかなか素敵なのですが、いかんせん現在編での基弘の影が薄く…。
佐賀と付き合う暁生の日常にたまに顔を出す程度です。
このため、ラストでやはりお互いしかいないと想いを打ち明けあい復縁する展開に、今一つ気持ちがついて行きませんでした。
頭脳明晰で仕事のできる男同士、互いに信頼し合っているという設定の割に、それを裏付ける仕事のシーンや会話がそれほど出てこないのもマイナス。
佐賀もエリートで良い男なだけに、彼を振って基弘を選ぶ展開に説得力を持たせるよう、もっと二人の優秀さや絆が感じられるエピソードがあればなと思いました。
二人の絡みが少ないため、BLとしても物足りず…。
すみませんが中立評価とさせて頂きますm(__)m