無愛想な媚薬

buaisou na biyau

無愛想な媚薬
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×22
  • 萌3
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
30
評価数
10
平均
3.3 / 5
神率
20%
著者
西條六花 

作家さんの新作発表
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イラスト
依田沙江美 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784775525227

あらすじ

ある事情から広大な農地に囲まれた町に出向になった節は、都会暮らしの今までとはあまりにも違う環境に、引っ越し一日目にしてくじけそうになる。新しい人間関係に不安を抱きはじめたとき、社宅の母屋に人が住んでいるのに気づく。引っ越しの挨拶に母屋へ出向いた節の前に、風呂上がりで半裸の男が現れた。長身で筋肉質な男の身体から目が離せなくなり──。

表題作無愛想な媚薬

津守鴻史,隣人,輪島塗の沈金師,29歳
樋口節,地方転勤になった会社員,23歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

情に流される

ゲイであることを会社の先輩に知られ、
それを言いふらされたために居づらくなり
田舎の支店に転勤してきた節。

社宅にあてがわれた離れの母屋に住む津守に
ゲイであることを見抜かれ、半ば強引に抱かれてしまう。
ぶっきらぼうだけど親切な部分もある津守と
同棲のようなセフレのような状態になり、
いつしか情も湧いてしまい…。

自分のセクシュアリティを完全に受け入れていなかった
主人公が最初のセックスに大変ショックを受けるなど、
描写が細やかでリアリティがあります。

言いふらした先輩は通常のBLでは悪役でしかないけど、
物語の後半で、先輩は先輩で性的な対象に
見られていたことに裏切られた気持ちを持ったのだ、
と言うことを主人公が知るというくだりなどは新鮮でした。

後半の突然の妻子登場と即退場は
若干、え~…と思ってしまったな…。
何であんな女と結婚してしまったのだ。

作者は元々TL作家さんだということで
文章も読みやすく、エロも結構多めで
津守は強引だけど痛いことはしないので
サラサラと読めました。

だけど萌えるまでに至らなかったのは、
二人は情に流されたという感じが否めないこと。
そこの場所にいたなら他の人でもよかったのでは。

そういう恋愛、実際にいくらでもあって
本当にその辺リアルだと思うけど、
物語でぐらい運命の愛を信じたい気持ち。

あと、職人攻めにワクワクしてたけど、
輪島塗の沈金師という設定はそんなに生かされていなかった気がします。
もうちょっと蘊蓄あっても良かったかな。

帯の「彼の筋肉質な半裸から目を離せず…」に
正直何故依田さんをイラストにしたの?と思ったけど、
カラー口絵の広い背中が色っぽかった。
そして普段の依田作品では見られない
エロ挿絵も見られたので良かったですw

2

ちょっと萌えづらかった

男が好きだと噂が流れ、会社に居づらくなって地方に出向してきた節(受け)は、母屋の住人に引越しの挨拶に行った際に「物欲しげな目」だと言われ無理やり抱かれてしまう。同性に性的な興味を覚えるとは言え、今まで誰とも経験を持ったことがなかった節はショックを受けるが、翌日水漏れで家中が水浸しになり、やむをえずその男・津守(攻め)の家に泊めてもらうことになる。伝統工芸の職人だった津守は家事能力は壊滅的で、泊めてもらう代わりに食事を作ることになったが、畳が入るまでと決めた同居生活は思いがけずなかなか順調で…。


大体最初の出会いが「物欲しげな目で見てただろ」からの強姦だというのが萌えないです。思い込みでヤっておいて、「ほら感じてるじゃねーか」ってのが受けの人格を尊重してないなぁと思ってしまう。この攻めが、人付き合いが嫌いな無愛想職人キャラだというのも萌えない一因でした。万事において攻めの立場が強く、受けが格下みたいな応対で、なのに受けは最初の攻めの態度が悪すぎたもんだから、ちょっとまともに扱われたらホイホイほだされちゃう。
視点は主に受けの視点で、時々攻めの視点が入ってくるのですが、攻めの内心が見えても彼のことは好きになれなかった。
受けはいい子でした。おばあちゃん子だったそうで、営業で回る農家さんたちにも可愛がられ、仕事には熱心、家事は万能、料理が地味な家庭料理だというのがほんのわずかな欠点(いやまったく欠点とは思わないけど)、という出来た子です。なのでどうも「こんないい子がろくでもない男に引っかかって…」的なイメージが拭えず…。もうちょっと攻めは受けを可愛がってあげてほしかったな。

作者さんは乙女小説を書かれていた方だそうです。
BLからTLに行く人は多いけど、逆は少ないのでちょっと新鮮でした。
それからイラストが依田沙江美さんだったのですが、依田さんはマンガならいいけど、小説の挿絵をするにはちょっと書き込みが少なすぎると思います。単調なライン、髪は真っ白か真っ黒、受けが脅されてるところに攻めが出くわすシーンの挿絵なんかは切り絵か貼り絵かと思いました。あと絵柄が幼くて29歳×23歳のカプにはとても見えない。高校生カップルのようでした。

2

イラスト目当てで

イラストの依田さん目当てで購入。あらすじさえも気にせず読み始める。TLで既に出版された本があるということで、文章は読み易く問題なし。設定も読んでみたらかなり好みで期待も高まる。
が、読んでも読んでも萌えない。何が問題なのか分からないけれど私の萌えレーダーには引っかからない。何故か作者さんのBLへの愛が解らなかったせいかもしれない。いい場面だと思う箇所もあるけれど、それがBL的に「いい」に繋がらなかった。BLって難しいと思う次第。

3

読みやすい文章の初読み作家さん

初読みの作家さん……というか、これがBLデビュー作の模様。
大好きな依田沙江美さんの挿絵、六花(雪の意味)というPNに釣られて
購入してみた。


自分の性癖を好きだった同僚に言いふらされ、田舎に出向した樋口節。
社宅(一軒家)の隣に挨拶に行ったところ、
あっという間に押し倒され……
セックスどころか恋愛だって経験がなかった節、
ショックと反発を感じていたところ、家が水浸しという事故が起き
親切にされた上、他に選択肢もなくしばらく居候することになる。

この隣人津守は、なかなかの男前なのだが無愛想な俺様。
何をしている奴かと思えば、実は結構有名な沈金師。
わっ!また珍しい職業を……と食い付いたのだが、
その辺の描写は残念ながら割にあっさり。

体を繋いでも、それは単なる自慰のようなもの……と言われるが、
一緒に暮らすうちにぶっきらぼうな津守の優しさに惹かれ
そんなドライな津守のセックス観にちょっと傷つき、
でもそれでも一緒に過ごせればいいか……と思うところに、
妻子登場という衝撃の事件発生!?


鬱屈を抱えて田舎にやってきた節は、実は素直で一生懸命。
おばあちゃん子で、地味ながら美味しそうな料理を作る節の
初めてづくしのでも体込みの恋は、微笑ましくキュンとする。
そんな彼に、人といるのが鬱陶しかった津守も
なんだか一緒にいるのが自然になっていき……

沈金師という職業は珍しいが、設定や展開はオーソドックスで
文章も読みやすく、攻めと受けの視点が交互で分かりやすい。
後半の事件が、解決を説明されて終わりという感じだったのと
攻めの魅力がもう一歩なのが惜しいところだが、
なかなか面白くスイスイ一気に読んだ。

評価は萌かなぁと思ったが、デビューご祝儀で色をつけて萌×2で。


ところで舞台は、政令指定都市から車で2時間強の農家の多い田舎……
政令指定都市って……(笑)
北国ということで北海道じゃあなさそうなので、仙台しかないね。

7

イラストに魅かれて

タイトル通り依田さんのイラスト目当てで買いました。最近漫画を描かれてないみたいなので。シンプルな線なのに雰囲気があって漫画も独特の世界観があり大好きな作家さんです。

小説は初めて見るお名前で新人さんかと思いきや、少女が主人公の小説を書いてた方のようで、文章は読みやすかったです。展開早くてサクサク読めました。割と早い段階で受けは攻めにやられちゃってます(笑)

都会で悲しい目に遭い田舎に越してきた受けが、無愛想だけど心は温かい攻めに出会い、少しずつ心がうちとけていくという正直あまり派手な設定ではありませんが、ほのぼのとしたイラストにもマッチした良作だったと思います。

4

無愛想な職人攻めがお好きなら

初読み作家さん。
BLは本書が初となるそうですが、TLではすでに何冊か本を出されているようです。

訳あって地方転勤になったリーマン・節(受け)は、隣人の津守(攻め)に性癖を見抜かれ、無理やり抱かれてしまう。
後日、社宅の部屋が水漏れで水浸しになり、しばらく彼の家に厄介になる…というお話。

節は、ゲイであることが社内で広まり、異動願を出したら地方の小さな営業所に飛ばされてしまったという苦労人。
今まで営業として培ってきたことが活かせない職場でも、腐らず目の前の仕事に一生懸命取り組む姿が健気です。

津守は、輪島塗の沈金師で、職人気質の無愛想な人物。
節を自宅に住まわせてくれる等、面倒見の良い一面もありますが、Hするタイミングにしても何にしても基本的に節の意見は聞かないので、どちらかというと俺様な印象の方が強いです。

俺様×健気という組み合わせはありがちですが、打ち解けていくにつれ、節の素の性格(無邪気でワンコ)が出てくる点は良かったです。
自転車二人乗り、祭りの射的など、田舎町という舞台設定を活かした各シーンも楽しめました。

ただ、沈金師という珍しい職業が出てくる割に、その作業風景や作品の描写が少ないのは残念。
単に「職人気質の攻め」が書きたかったのであれば、もう少し(説明の要らない)とっつきやすい職業設定で良かったのではないかと思いました。
津守の妻子問題についても、ラスト付近でいきなり妻子登場→即解決という展開に少々やっつけ感が。
辛い過去話が出てきたところで津守が俺様であることに変わりはないので、個人的にはあまり必要性を感じないエピでした。

少々物足りなさは感じるものの、読みやすい文章でサラリと楽しめました。
中立寄りです。

8

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