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slavers glace
全五巻に及ぶ『スレイヴァーズ』シリーズの最終巻。な、長かった…。そんで、つ、疲れた…。読了後は床に突っ伏してゼーゼーと肩で息するみたいな。最終的に柊一と鷹成の心が通じ合ってよかった。これがバッドエンディングだったら悲しすぎます。二人の幸せを願っていた一読者としても報われないところでしたよぉ。
主人公、倉橋柊一の出自がセレブの上に美青年という設定なので、ストーリー全体に漂う雰囲気はとても華やか。時代背景を踏まえてもロマンティックだったりドラマティックな演出がチラホラなので、そういったテイストが苦手な方にはツッコミどころ満載に感じるかもしれません。個人的には物語と同時代を経験してきた世代ですし、昔の少女漫画テイストが大好きなので、お祈りポーズで目をキラキラさせながらドップリと二人の世界に浸って読んでおりました。
倉橋物産の存続をかけた前社長の令息である柊一と、彼に良い影響を与えられるであろうと引き取られた元使用人の息子である冴木鷹成の、ライバルであり、義兄弟であり、主従であり、愛人のような摩訶不思議な関係を描き尽くした物語。冴木は柊一のことが大切過ぎて、彼を守るつもりなのにやることなすこと全てが柊一を傷つける結果となってしまう。柊一は父の思いに応えたいが為、また遺された会社の存続と家族の為に、冴木から提案された奴隷契約を結びます。その後二人は身体だけの情欲にまみれた日々を送り、清らかだった柊一は冴木によって次第に身体を開発されていき…。
四巻目の『スレイヴァーズ・ディア』では、やっと柊一に冴木の行動の裏が見えてきます。もしかしたら、彼は自分のことを愛しているのかもしれないと。柊一も冴木への思いが一体何なのか、ようやく自覚する段階に来るのですが、彼が未だ不確かな思いのまま温室で冴木と交わるシーンのとてつもなく美しく官能的なことといったら!!これは本当にベストシーン。また、柊一が社員としてフランスへの海外研修を希望し、それが奴隷契約解消となる契機となるのですが、旅立つ直前、柊一が空港で冴木からの電話を受けるシーンはもう、ズッキューン!です。この巻だけでゴハンが何杯でも食べられます(笑)二人で見にいこうと約束していたラベンダーの野原と海辺のペンションでのシーンもとっても素敵。
…にしても柊一が泣き虫さんで、女の子よりもすぐに泣いちゃいます。しかも病弱なのに冴木に身体を求められすぎです。大事なら相手の身体のこと考えてよ、冴木ぃ。メロメロなのは分かってるからさぁ。まぁ、そこはBLということで。このシリーズは柊一と己を同化して読むパターンでイケるか否かにかかっているかと思いますが、日常を忘れて濃ゆいラブストーリーの世界へトリップしたい時には是非、お手に取ってみられてはいかがでしょうか。