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noroimiya no hanayome
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
2015年刊。
残念ながら自分には、今回のタイトルに”花嫁”と付いているのにピンとこなかった。
先にネタばれを出すと、女系一族の四之宮家は婿を迎えて成り立っているし、馨も無事に家業を継いで切り盛りしていく訳だから家を出る訳でもない。
花嫁ものというよりも、馨の家系・四之宮家の中で男性がことごとく短命だという謎がメインだと思うのだが…
背景は格のある家名、何百年も昔の芸術品、蔵、呪いと横〇正〇ばりの雰囲気を彷彿とさせるものがある。
主人公もヒロインさながらにピンチに陥るというのに、読んでいてもグッと盛り上がってくる感情が湧いてこなかった。
登場人物にピンとくるキャラが居ないせいか、いまいち感情移入できなかったというのもある。
馨に女装させて呪いを避けようとする祖母や母親の考え方が女性特有の守りからくるものだとしたら、呪いが掛かっている書物を解析しようとする簾司の行動は男性ならではの攻めの姿勢ってのを感じたけれどね。
オカルト色も漂っていたものの、終盤の詰めでちょい役だった簾司の友人に呪詛解きというおいしいところを持っていかれた感が強い。
ただ、水原さんの小説を何冊か読んでいくうちに、一概に痛そうとばかり揶揄できなくなってきた。
でも薀蓄を盛り込むのは大好きだよね。
まぁ様々なカラーで水原さんの物語を読める事は嬉しい限りである。
非常によく調べてあって、歴史考証が正確だなという印象を受けました。
“呪い”についても、それを成立させる写本(願文)がちゃんとある(漠然とした“呪い”ではない)という設定も、おお……!と思いました。
ただ、それでも「しゅみじゃない」になってしまった理由は2つ。
①受けが少女すぎた
②受けと攻めの会話に入り込めなかった
①については、受けが心を許している妹の前でも常に「わたし」「〜だわ」「〜なのよ」という口調で話すためBLを読んでいる気がしなかったこと、そしてその思考も非常に少女で(世間知らずだからというのはありますが)、あまり萌えられなかったということです。
また、受けと攻めは割と早い段階で相思相愛となるのですが、好きになる理由が「古美術の話ができる」から。
ということでこの二人、キスしたり抱き合ったりしてない間は、ずっと古美術(主に書)の話や、歴史上の有名な呪いの話をしている。
最初のうちは、よく調べてあるなーと思いながら読んでいたのですが、段々と、「何やら盛り上がっている受け・攻め」と「それを外側から見ている読者である私」、みたいな構図になってきてしまいまして。
内輪受けの話で盛り上がってる二人を見ているような気持ちになって、感情移入できないまま読み終えてしまいました。それが②です。
オカルト的歴史について読むのが好きな人なら、ものすごくわくわくしながら読めるのかもしれません。
あれ、レビューがない・・・・ので やや詳細めに。
受けさん:双子の兄。数百年続く旧家(古美術商)の子。
女子として育てられる。虚弱体質。めちゃ美人。
家族は祖母(絶対権力者)、母、
双子の妹(同じく美人、明朗、いい子)
攻めさん:双子弟。同じく何代も続く和菓子屋の三男坊。
書に魅せられ研究者となる。割と自由人。
受けさんが女の子として育てられたのは、
何代も前に呪いをかけられたせいか、男子が早死にする家系だったため。
学校も通っておらず、何とか18歳まで生き延びたので、
大丈夫そうだ とのおばば様の方針により、社会で生きていく術を
身につけるべく大学には男性として通い始めたという設定。
でも家では女装。近所も女子の双子として通している。
(戸籍どうなってんの、義務教育どないしたん という
突っ込みありますが)
妹(世間では長女となってる)が婿を取るべく見合いした相手の弟が攻めさん。
攻めさんは、その見合いの場で、
「私は妹さんと(ほんとは兄である受けさん)お付き合いさせてください」と
ぶちかます。でも飄々としているので、みんな呆れつつ、
とりあえずといった感で受け入れ。
その攻めさんと、そもそもの呪いを何とかしようぜ と頑張るお話 です。
隠岐の島に流された天皇の呪い なんかの記載も出てきて
タイトル通り少しオカルト風。(どろんどろん怨念もの ほどではない)
読んでてどこまでほんとなのか、書かれてる内容をついつい
ググってしまいそうになりました。
1回受けさん攫われちゃう。
エチシーンはうーん、普通。
そんだなあ・・・・特色はそんなところですかね。
あんまり残んなくて さらりんと読んでしまって、
きゅんがあまりしなかったんで、やや中立に近い萌 ぐらいです。