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pure nibunnoichi
唯(受)のキャラクターをどうとらえるかによって、ガラッと評価が変わる作品だと思います。『ワガママ』『幼稚』としか思えなかったらダメなんでしょうね。私は好きなんですが。
私の大好きな『年の差もの』の楽しみがいっぱいでよかったです。喬(攻)が大学生なのに、すごく大人びてたから、実年齢よりも年の差を感じたんですね。
ストーリーは、実際にはちっとも『ピュア』じゃないんですよ。唯は従兄の喬が好きなのに、喬に紹介してもらった妻のある男と援交(Hもアリ)してるんですから。
唯は大好きなパパとママがお互いに不倫してることを知ってしまい、喬に『パパとママは結婚前に好きな人がいた』と聞かされます。しかも『自分もいずれは(唯のパパ・ママと)同じことをする』と言われるんですね。『どうして好きな人と結婚しないの?』という唯に対して『男が好きだけど、家のために結婚しなくちゃならないから』と答える喬。
『パパとママを好きでいるために』唯も汚れればいい、汚してあげるよ、と酔った勢いの喬に抱かれて、唯はそれが嬉しかったのに、酔いがさめた喬に謝られてしまってショックを受けるんです。
で、その『償い』として、唯に『何年か先の自分と同じ、嘘の結婚してる男の人を紹介して』と言われて逆らえずに紹介するんですね。
喬が大人っぽい分、唯との差が出てそれは良かったけど、若いんだからもう少し必死さ・熱さがあってもよかったかなとは思いました。まぁ、自分が紹介した援交相手に嫉妬はしてましたけどね。
初期作だからかなんとなくぎこちなさを感じるものの、松前さんらしい作品でした。いつも小道具の使い方が上手いですね。
それに、松前さんって確かにH描写そのものはほとんどない(薄い)んですが、露骨に書かないというだけで、『体の関係』そのものは決して少なくはないんですよね、意外にも。
私は、BLにおいてHはないと不自然だと思う方ですが、だからと言って必ずしも濃い描写はなくてもいい(いらないと言うわけではありません。濃いのが一律に嫌いなんじゃないです)ので、松前さんはそのあたりがちょうどいいんです。
かなり好きな作品です。
松前侑里さんの本は、いつもいつも評価に困ってます。
ぶっちゃけると、あまり萌えは感じないんですよ。登場人物もビミョーに魅力に欠けてる気がします。
でも、お話づくりは上手いと思う。
文章力もしっかりしている。日本語が崩壊しちゃってるBL(←結構たくさんある…)を読んだあとで松前さんの文章を読むと、肩からホッと力が抜けて安心して読めます。
この話は、援交してる高校生が主役です。
援交相手を紹介してくれたのが、片思い中のイトコ。頼んだら紹介してくれたのだ。
両思いなのに、なぜそうなるかな…。
でもって、そういう話なのに、妙に清潔感があります。
この清潔感さえなかったら、私の好きなストーリーです。
攻めがオトナなんだけど、もっとどろどろした感情に悩まされて、ぐちゃぐちゃのぐるぐるになって欲しいんだよね。
受けが小悪魔という設定も好きなんだけど、子供っぽい部分が多すぎて中途半端っていうか。
んー。
でも、よくできたお話だとは思います。
女の子のようなとても可愛らしい主人公、という設定なのですが、大人相手に身体を売っているというストーリーです。なので苦手な方はご注意を。
このお話、主人公の唯の周りには複数の男性がいて、誰をメインにしたいのかわかりにくい書かれ方をしていると思いました。
唯を初めて抱いてしまう従兄弟の崇と、唯が不倫しているサラリーマンの啓一、そして唯と啓一とのことをたてに唯を脅してくる同じ学校の譲。
唯は崇の事が好きなのですが、それを隠して啓一の愛人をやっています。
啓一も優しく、お互いにそれなりの愛情があると思います。しかし、不倫というのが私は少々苦手^^;
男性が多くからんでくるため、メインとなるはずの崇の出てくる割合がちょっと少ない気がします。そのため、何をメインにしたいかわかりにくいかったです。
唯が大人の男の人に身体を売るのは、両親の不倫を知り「好きな人たちを嫌いにならないためにもう一人の悪い自分が欲しかった」という理由。
それも少しわかりにくい。お金のため、愛情に飢えてるため、のほうがまだわかりやすい気がしました。そもそも唯はまだかなりの子供です。
なので身体を売るというのがなんだか結び付かないのですよね。
顔も美少女のようで、高校生で従兄弟の兄の崇を「お兄ちゃま」と呼ぶのはさすがに子供ぽいかもしれない…。
崇の存在が私には少し薄かったために萌え度は少し物足りないのですが
、もらったワニのぬいぐるみを電車に置いてきて号泣するシーンなど、きゅんとするシーンも多かったです。
萌2か萌の評価で五分ほど悩みましたが、萌に決定。
物語性では萌2なのですが、そもそもこのピュア1/2は「萌え~///」という感じの作品ではないからです。
エロも少なめというより性描写はありません。とくにキャラが立っている登場人物はいないし、主人公は攻めの紹介で援交をしています。しかも相手は妻帯者。
じゃあ何がいいの?と言われると、難しい。
面白い面白くないではなく、好きか嫌いで語る本。こういう設定や作風が独特すぎて他人に簡単に進められないけど好みの本に巡りあえると幸せだなと思いました。
建前と本音。どこにも存在しない"普通"。
重苦しい部分がありますが、それらがあるからこそ主人公唯の1/2のピュアな面が映えているなと思いました。総体としては素敵。また次の本が読みたくなる物語でした。