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jouge no sata mo nekoshidai
こちらは、上下の決着でもめる痴話喧嘩を、ネコに託して解決するお話です。
BLで、特にこの作品のように、ゲイの自覚のある子が、ノンケの幼なじみにずっと密かに片想いしていて、何かのきっかけでノンケだった子の方が、ゲイの子に思われているのに気づいて、そこから恋人関係になるお話は、受け攻めどちらが上下になるかですったもんだするのは定石ですが、こちらの作品では、その問題の解決に、猫の世界を登場させました。
ネコを決める話だから猫?
一応、ここに登場した猫世界の猫は、元々、涌谷が飼っていた猫のようですが、、、。
こんな風に軽いファンタジー設定のお話も、たまに読むと可愛くて楽しかった。
ケモミミに惹かれて、手に取りました。5年の付き合いになる同級生カップルの、ネコ(抱かれる=下になる)争奪戦を通して相手への想いを再確認して愛情が深まる、そんなお話でした。
受けになる累は、今日も攻めになる映次に組み敷かれています。でも、累は自分がネコをやるのは納得いかなくて。そこからいつものように喧嘩になり、何気ない一言で映次を傷つけてしまいます。そして、頭を冷やしてくると出て行った映次でしたが、次に映次に会えたのは病院で…。
映次が事故に遭い、意識不明になったのです。
映次が事故に遭ったのは自分のせいだと、自分を責める累。家族じゃないから面会できないと、病院側から突き放される累が切なくなります。
そんな中、映次の飼い猫2匹のことを思いだして、世話をしに映次のマンションに行きます。そこでウトウトした累が迷い込んだのは、映次の愛猫シロとクロそっくりの少年たちがいる「猫の国」でした。
その国では、白猫と黒猫のどちらが上になるかの争奪戦をしていて、その決定権が累にあったのです。
そのシロとクロに自分たちの関係を重ねて、自分たちの関係を見つめ直す累でしたが…。
最初から出来上がってる(エッチは最後までしてないけど)2人なので、喧嘩をしてすれ違っても、根っこの部分で愛し合ってるのが分かるので安心して読めます。冒頭から累が映次を大好きなのが伝わってくるし。そりゃあ、出すところに入れる初めての経験だとビビっちゃうよね…と共感できたり(でも、5年も待たせたのは長いと思うけど)。勝ち負けの問題が絡んだり、初めてのネコに戸惑いながらも愛で乗り越えた累にキュンとなりました。
そんな2人よりも興味を持ったのは、同時進行していたクロとシロの関係です。シロのツンツンしてるのにクロを溺愛してる様子や美少年ぶりに萌えました。累と通じていない会話(悩み相談)も微笑ましかったし。
そして、無事に決着がついた2人は、今度はエッチのし過ぎという問題で喧嘩してるのがゴチソウサマという感じでした。
そんな、可愛い猫たちと、2人のお互いを想う気持ちに、ホッコリと癒された1冊でした。