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yumemiru kitsune no koizoushi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
タイトルから可愛いおとぎ話のような話かと思ったのですが、呪いのせいで家から出られない気の毒な狐憑きの青年が、その境遇にも関わらず明るくて素直に自分の境遇を受け入れ一生懸命生きて、恋した人を健気に守ろうと頑張ったお話でした。最後のほうまで呪いの謎がわからず切なくてはらはらしました。
フリーライターの古鷹(攻め)は依頼された仕事のため、情報にあった村へ向かう途中、山で道に迷い滑落してしまいます。
気がつくと、狐の耳尻尾をつけた不思議な青年、葉月(受け)に助けられていました。
葉月は狐憑きと言われており、結界の張ってある中で人から隠れて暮らしていました。結界の中に入ってこられるのは一族の限られた人だけのはずなのに何故か古鷹は結界を抜けることができたのです。
足を捻挫していること、葉月が面倒を見たいと主張したことで、足が治るまで葉月の家で療養させてもらうことになります。
葉月はこの村一帯の地権者の一族に必ず一人存在するという狐憑きの青年で、山の中の結界に囲まれた家で外出できないよう足枷をつけて生活しています。その風貌のため人前に出られないことと、村から出ると一族から死人が出ると言われているからです。
葉月にはスイという天狐がついており、結界もこのスイが作ってい葉月を守っています
葉月は古鷹が結界の中に入ってきたということにも驚いたのですが、古鷹のその灰青色の眼を見た瞬間、何故か惹きつけられてたまらなくなります。よくわからない感情に突き動かされて怪我が治るまで療養させてほしいと一族の世話係に頼むのです。
両方の視点で読めるので、お互いが何故かわからないけど気になって、どんどん惹かれ合っていくのがわかります。
葉月の状況を不憫に思った古鷹は、葉月のことと自分の仕事にも絡んでいる葉月の一族の調査を密かに行います。
古鷹は葉月の父親と偶然会い、一族視点での葉月の境遇についての見解を聞きます。狐憑きは必ず一人生まれ、その狐憑きが村から出ると必ず一族の人間が次々と死んでいきます。今までさんざん調べた結果、どうしても詳細がわからず一族ではこの呪いから逃れるすべはないと諦めぎみです。
それでも、葉月の父親は葉月への愛情と一族の長としての葛藤でギリギリのラインを探っていることがわかります。
古鷹は葉月を連れ出してあげたいと思っても、それが葉月の幸せに繋がらなければ意味がないということもわかっていて、諦めきった葉月の父親には嗤われても、それでもどうにかできないか足掻こうとします。
二人が心を通わせる事によって一族にかけられた呪いとは違う呪いが発動します。
このことを葉月は先代の狐憑きの日記によって、古鷹は葉月の父親によって知ることになるのですが、葉月も古鷹もお互いが相手は呪いのことを知らないと思っていて、相手のために覚悟を決める姿にはぐっと来ました。
自分の命を賭して古鷹を助けることを決意した葉月が一度だけの思い出にと古鷹を誘って思いを遂げるところは切なくて切なくて泣けました。
のちに、古鷹も自分が葉月と繋がることで呪いが発動することを覚悟していたこともわかります。葉月も古鷹も自分のことではなく相手のことばかり心配する姿が心をうちます。
何故古鷹が他の人には見えないスイが視えたり結界を通り抜けることができるのか、何故一族に一人必ず狐憑きが生まれるのか、一族が何故呪いを受けているのか、何故生粋の日本人である古鷹の目の色が灰青色なのか、と謎がたくさんあり、対策もどうとればよいのか最後のほうまでわからないためハラハラしどおしでした。
一族との折り合いのため冷たい対応をするしかなかったができるだけの葉月の望みを叶えようとしした葉月父と、素直に息子と接することができず憎まれ口をたたき息子から殴られる羽目になった古鷹父。この一連の出来事により古鷹は逃げないで父親と向き合うことを決意し、葉月父は呪いがなくなって素直に葉月のことを気遣えるようになり、二組の父子が家族として向き合うことができるようになったことも良かったと思いました。
あとがきでせっかくのもふもふなのだからと頑張ったけどいつも通りになってしまったと書かれていましたが、そんなことありません。葉月の尻尾が可愛すぎます。感情に合わせて動く尻尾がブンブン振り回されたり、ピンと固まったり、ゆらゆら揺れたりするシーンがたくさんあって、もうかわいくてかわいくて。映像でみたらさぞかしかわいいだろうなと思いました。
イラストでは尻尾を抱きしめて涙目上目遣いの葉月の絵と尻尾をスイに踏まれて放してもらおうと足掻いている絵がすごくかわいいです。ふさふさ尻尾は本当にかわいいですね。
題名から、可愛くてホノボノとするケモミミな話かと思って、手に取りました。だけど、可愛いだけじゃなくて、受けの可哀想な境遇や、結末がどうなるのかとハラハラしながら読みました。
フリーライターの古鷹が取材でやって来たのは、民家も少ない山の中でした。そこで白い大きな犬を見かけたような気がして、写真を撮ろうと追いかけた時に、誰かに背中を押されて斜面を転げ落ちます。
怪我をして気を失った古鷹を助けてくれたのは、狐の耳と尻尾を持つ少年・葉月と巨大な天狐・スイでした。おまけに、葉月には足枷まであって幽閉されてるし、葉月以外に見えないはずのスイが古鷹には見えるし。
今までは面倒事に巻き込まれるのはイヤだったはずなのに、葉月が気になる古鷹は、しばらく滞在することを決めます。そこで、葉月の境遇が気になった古鷹は、葉月の監禁されている理由を調べようとするのですが…。
とにかく、半妖で狐憑きと呼ばれる葉月が、健気過ぎて可愛くてキュンとなります。
呪われて、孤独な境遇なのに、無邪気で明るいのも泣かせるし。閉じ込められた空間で恋を夢見て、古鷹と出会って初めての恋にドキドキワクワクしてる様子が可愛いし。最初で最後と決めて、自分から誘った初めてのエッチは切なすぎるし。そして、古鷹のためなら自分の命まで差し出した時には、胸が痛かったです。
そんな葉月に古鷹が惹かれて、何とかしてあげようとする気持ちもよく分かります。
2人のご先祖様達に繋がりがあったことや呪われた経緯、そのために初めから惹かれていた設定も、面白くて萌えました。
呪いを解くやり方があっさりしてるかなとも思ったけど、スイと一緒に立ち向かった古鷹がカッコ良かったです。
そして、スイのカッコ可愛いところや、葉月との強い絆に胸がホッコリしました。
おまけに、その後の呪いが解けて古鷹のマンションで過ごす、2人の甘々な様子も見れて良かったです。
健気な受けとかっこいい攻めとモフモフを堪能できる、そんな1冊でした。