鬼玉の王、華への誓い

onidama no ou hana eno chikai

鬼玉の王、華への誓い
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×24
  • 萌3
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
3
得点
83
評価数
23
平均
3.8 / 5
神率
47.8%
著者
橋本悠良 

作家さんの新作発表
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イラスト
絵歩 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784344834903

あらすじ

高校生の柊堂玲は、ある日不思議な鞘に導かれ、異世界に迷い込んでしまう。そこは、神によって選ばれた強靱な王・刹那が統べる鬼玉と呼ばれる国だった。玲が手にした「鞘」は、王が所持する「王剣」と対を成すもので、鬼玉で長年にわたり探し求められていたらしい。半ば強制的に鞘の持ち主にされた玲は、戸惑いのまま王宮に連れて行かれ、常に刹那と行動をともにすることを余儀なくされる。二人は運命を共する唯一無二の存在らしいが、自分を道具として扱う刹那の冷徹な態度に、玲は傷つき寂しさを覚える。しかし、王剣に宿る鬼の力に徐々に身も心も蝕まれる刹那の苦悩を感じた玲は、帰る手段を模索しながらもどうしても刹那を放っておけなくて―?

表題作鬼玉の王、華への誓い

神によって選ばれた王,24歳
高校生,17歳

レビュー投稿数3

読み応えのある異世界トリップ

異世界の王×異世界に召喚されてしまった高校生。

鬼を封じると言い伝えられる山奥の旧家に生まれた受けは、鬼を封じるための儀式の途中で異世界へ飛ばされる。受けは、剣に宿した鬼の力を借りて国を治める異世界の王の、長年行方不明だった鞘だったのだ。
最初は受けを道具扱いしていた攻めはやがて自分を恐れない受けに惹かれていき、受けにもまた鬼として恐れられる攻めを守りたいという気持ちが芽生える。そんなとき、ふたりは謀反に巻き込まれ…。

読み応えのあるファンタジーでした。異世界トリップもの大好きなのでわくわくしながら読みました。
言葉は通じるし、人々はおおむね親切だし、迫害されるわけでもないので異世界難度としては低めです。でも言葉が通じる理由もちゃんとあって、「なぜか言葉が通じる」都合の良さは感じずにすみました。
最初は甘さもラブもなく、まるっきり一般向けファンタジーノベル的な展開でしたが、想いが通じるくらいから急激に萌えが来ました。攻めは長年鞘である受けが現れなかったために鬼化が進んでおり、多くの人々から忌み嫌われています。強いし周りに人はたくさんいるけど孤独で寂しいのです。だから受けに惹かれるのはごく自然なことなのですが、その無愛想な愛情の示し方がなんとも可愛くて、不器用で、きゅーんとなりました。

ほぼ文句なしの作品だったのですが、口調が不自然なところがちょっと引っかかりました。丁寧なのは良しとして、なんか時代がかってるんですよね。17歳の現代日本に住む男子が「どこぞの方とお過ごしだったのかと思ったのです」とか言うかな、と。もうちょっと現代っ子ぽかったら完璧だったな。

1

ファンタジー好きには堪らない

大好きなファンタジー物で挿絵が絵歩さんとあって楽しめました!
橋本先生はデビュー作が結構好きで作家買いしている一人です。

ファンタジーは設定にのめり込めるかで楽しめる度が違ってくると思うのですが、このお話は前半に設定(剣と鞘、公子と晶玉の事など)の説明がドカーンと入ってくるので理解するのに少し時間がかかりました。登場人物も一気に増えたので、この人はどこの誰なのかと言うのを把握するのも大変でした。しかし後半からはキャラの立ち位置や関係なども頭に入ってきて楽しむことが出来ました!

最初は玲の事を道具としてしか見ていなかった刹那ですが玲の真っ直ぐな性格にふれ、次第に距離が近付いていきます。ゆっくり進む2人の関係が微笑ましいです。
色々と事件が起こったりするので飽きることなく読むことが出来ました!

個人的にはもう少しいちゃいちゃが読みたかったですが、読了感はすっきりしてます。

4

鬼の伝説が繋ぐ異世界ファンタジー

大好きな異世界ファンタジーものと知り、手に取りました。結果は、期待以上の面白さで、読んで大正解でした!
健気な受けや、傲慢かと思えば実は国民思いだった王や、独特の世界観に引き込まれて、続きが気になってあっという間に読んでしまいました。
ちなみに、2段構成で読み応えたっぷりです。

お話は、高校生の玲が、不思議な鞘を手に取ったことで異世界に迷い込み、神によって選ばれた王が統治する世界で、王の対の存在として生きていく…というものです。

その世界は150年前まで鬼が支配する世界で、一人の最強の鬼が現れて鬼たちを退治してからは、鬼の力が封じられた剣に選ばれた王が統治するところだったのです。そして、剣には対になる鞘が必要で、鞘の力で鬼の力が弱められる…という理があったのでした。おまけに、刀や鞘は持ち主を選び、持ち主以外が触ろうとすると電気が流れたようになるのです。
それなのに、現在の王・刹那には鞘も持ち主も現れなくて、何年も待っていて。剣に鞘がなかったために鬼の力が増幅されて、刹那が鬼化し銀髪になり、赤い瞳になって、小間使いたちにも恐れられる日々で。
そんな時に、異世界の玲が鞘を持って来て、その鞘が刹那の王剣にピッタリとハマったのです…。

刹那は、嬉しさよりも待ちわびた苛立ちや、玲が異世界人であったこと、鞘がみすぼらしかったことに戸惑って、なかなか玲に打ち解けることができません。
人から鬼だと恐れられてることや子供の頃の孤独さゆえの不器用さも手伝って、最初は玲に無理矢理迫っちゃうし。ただ、この刹那は聞く耳を持ってる人なので、玲が嫌がって理由を話すとそれ以上は無理なことをしません。
最初は自分に対して傲慢で怖い存在だった刹那の、その不器用さを知って、いつしか玲は愛しくなっていくのです。実は玲も、ハーフの容姿から住んでいた村では異端児扱いされていて、刹那の気持ちがよく理解できたのでした。
だから、刹那に対して恐れずに心を開く玲に、刹那の方も心を寄せるようになっていきます。そして2人で、鬼の剣を使わなくてもいい世界にできないかを考えていくようになるのです。

2人のキャラがとても好きだったし、2人が心を通わせるようになるまでの過程がキュンキュンして萌えます。玲と双子の妹とのエピソードでは、切ないのに胸がホッコリしました。玲の覚悟と決断にもキュンとなり、これからの2人の幸せそうな未来に心が温かくなります。謎解きのような展開にもハラハラドキドキしたし、まさかの悪役登場にも驚かされました。異世界なのに鬼の伝説が繋ぐ世界観も面白くて、読後は、満足な気分に浸れました。

11

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