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孤独な竜王と癒しの手を持った青年との、ただひとつの恋を成就させるラブストーリーです。
小さな村の神父・シエンは、病を治す左手を持っています。その力で村の人たちを癒していると、国王を助けてほしいと請われ国王の元へ向かいます。
そして、国王の治療にあたった夜に、紅蓮の竜に攫われてしまいます。
次に気付いた時には、赤毛の屈強な男に組み敷かれていて。
その日から、紅蓮の竜で赤毛の男のイグニスに監禁されてしまいます。
でも、毎晩シエンを抱きながら苦しそうなイグニス。
実はそのエッチには、ある目的があったのです。
それは、200年前に生きていた、奇跡の少女・ルシオラが関わっていて。
ルシオラは、シエンと同じ神の手を持っていてイグニスと恋をしていたけど、その力ゆえに国民に殺された悲惨な過去があって…。
その力が消えるからと、最後までイグニスとエッチをしなかったのです。だから、シエンの力を失わせるために、シエンとエッチをしていたのでした。
全てシエンを守るために。もう一度、叶わなかった恋を成就させるために。
でも、シエンの力は失われなくて。
国王を助けたいと、ルシオラと同じ道を歩もうとするシエンにイグニスが出した結論は…。
前世と同じ運命を辿るシエンだったけど、イグニスのおかげで悲しい過去を幸せな未来に上書きできて、本当に良かったです。
ただ、イグニスの不器用な愛情も分かるし、シエンがほだされていくのは伝わってきたけど、なんだか淡々と進んだ印象でどちらにも感情移入できずに終わりました。あと、シエンは国王を助けに行ったはずなのに、結局何もせずに帰ったのでアレ!?と思っちゃいました。大好きなファンタジーものだったけど、あまりワクワク感がなかったのも残念でした。
伝説の竜王×癒しの力を持つ神父。
受けも攻めもやってることにちょっと説得力がないので、始終「???」となりながら読みました。攻めは、受けの癒しの力を失わせたくて受けを何度も強○するんだけど、それ以前に二度と城から解放しないつもりで監禁してるんだから能力失わせなくてもよくない? と思いました。ただ単にヤりたかっただけ?
受けも、「自分は人を助けたいんだ! 王を助けに行きたいんだ!」って言い張って、惹かれはじめていた攻めの制止も振り切って城を出て行くくせに、結局自分の命に危機が迫ったら中途半端なまま攻めの元に戻るし。それくらいなら最初っから出て行くなよと思った。
あと、最初に強○されたときに受けさんは自害を企てます。その時点では「久しぶりに骨のある受けが!」と思ったんですけど、強○二度目以降は急に平気なかんじになってしまいました。ちょっと心が沸き立っただけにガッカリ感ハンパない。自害にお付の少年のひとりを巻き込んじゃったから罪の意識が、みたいに書かれてましたが、巻き込まなきゃいいんじゃないの、と。いくらでも窓が開いてんだから再度身投げを企てたりしてほしかった。
そのお付の少年たちも可愛くなかった…。口は悪いし受けをあなどってるし受けにビンタかますし…それでもお世話係か! 人外な彼らにも妙な設定がついてて、嘘言ったら倒れる子と、本当のことを言ったら倒れる子とがいるんですが、えっ今までいくらでも本当のこと言ってたじゃん、とそこでも疑問。
ラストも、城の周りが急に花ざかりになっちゃうんですが……なんで?
いろいろ説得力なくて、ファンタジーにこそ確たる設定と説得力が必要、と日々思っている身としてはハマれない作品でした。