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akutou
あら、レビューが無い…
経営コンサルタント、その実態は闇の「かぶり屋」と、若き実業家だったが脱税で全てを失った男、のあれこれ。
かぶり屋っていうのが社会の実際の呼称なのかは知らないけれど、企業が脱税する時にダミーを使って、架空の取引をしていいところで全てをかぶって先に倒産し逃げる役割、のようです。
そんな「かぶり屋」稼業の大城に目をつけられたのが、自分の興した会社に査察が入り、全てを失って今は建設現場で肉体労働をする祥。
大城はゲイでもないのに祥を無理やり抱いてハメ撮りし、その写真を盾に脅して「かぶり屋」の手伝いをさせる。
祥は大城を恐れ、嫌い、心を許しませんが、体は次第に快楽に馴染み始め…
…と、BLとしては大城と祥の、はじめ反発次第に…というある意味王道的パターン。
そこに、祥のどこかゲーム感覚で生きていた過去、落ちるところまで落ちて這いつくばる姿、意外と真っ当な考え方、向上心。
一方、法律の裏をかき、何も誰も信じず、金を冷徹に追う大城がなぜか祥に興味を持ち可愛がるさま。
これらが絡んでなかなかスリリングで面白い。
大城は悪い大人の余裕。
祥も大城に飲み込まれまいと自分を強く保ちながらも、大城の心の奥底に触れるたびに堕ちそうになる…
しかし、本当に過去と訣別して前に進もうとした時に、祥は大城を出し抜くのか否か?
ラストに向けて疾走感があり一気に読みきった。
悪党には悪党の情がある、温もりがある。そこにしびれました。