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ningyo ouji to utakata no koi
人魚姫といえば自らの愛に殉ずる自己犠牲つきの悲恋ではありますが、こちらの作品は、その人魚姫の放つ魅力的要素を貴重にしながら更に美しく儚く描かれておりました。
切ないお話ではありますが、主人公人魚の恋のお相手コンラートの飄々としながらも力強い雰囲気がとても良い要素となって何とも素敵な雰囲気を醸し出していた気が致します。
もう本当にどっからどうみたって王子様みたいな感じで、これなら大人の狡さスキルを発揮しても全然許せちゃいます(*´エ`*)
寧ろその狡さがまた魅力を助長させているんじゃないかな。
主人公の凛々もとても可憐で健気でキュンとなってしまいます。
コンラートを先生と呼ぶところもキュンキュンです!
なんといっても二人の全てを擲ってでも相手を想う気持ちに心を打たれました。
恋愛をまだ知らない人魚が人魚姫のような激しい情熱的なロマンスに憧れを抱いた先に見つけた切ないけれどしっとりと、水面で揺蕩う浮草のように穏やかな気持ちになれる恋物語。
人魚姫お好きな方、健気全快のお話がお好きな方には特におススメかと思います。
ふんわり優しいファンタジーでした!!
yocoさんの挿絵もとっても雰囲気にあっていて素敵です( *ˊᵕˋ)
恋に憧れるりりが健気で可愛くて…
個人的に大好きなキャラクターです。
世界観も素敵です。
陸上の暮らしでりりのお母さんが大きな水槽の中で暮らしていたり、魚が人に変身したり…
アニメとかマンガになってほしい♡
評価がここまで横一線なのも珍しいなー。
私の場合は、序盤の持って回ったようなプロローグですでに読む情熱が失せてしまいました。「人魚姫」というキーワードを活かして、透明感やファンタジーっぽさを強調するために情報を小出しにする…というアプローチをあえて取っているのでしょうが、小説に限らず、導入部分でこういう表現をするのって諸刃の剣だと思います。
あんまり勿体ぶって書かれると「…いや、あらすじで大体知ってるから早いとこ核心に近づいてくれまいか」などと雰囲気ぶち壊しなことを考える私のような輩もいるしね。
物語自体はあらすじで予想したとおりでした。「人魚姫」のお話がヒントになっているので分かって当然ですが…。凛々とコンラートのキャラクターを楽しむのが正しい読み方なのかなと思いました。その二人のどちらにも惹かれなかったので、残念ながら「しゅみじゃない」評価です。
※辛口注意※
題材中途半端、設定中途半端、キャラ中途半端、展開中途半端、ラストも中途半端。
全部全部ぜーんぶ中途半端でまるで雲を掴むような話でした。
初読み作家さんですが、最強によかったのは挿絵だけでこの挿絵に惹かれたのがそもそもの間違いだったというような気分です。人魚というパワーワードに見事にやられました。
人魚姫は読んだことない人の方が少ないほど有名な話ですが、ここまで酷い人魚姫ははじめてです。
基本的にこの手の題材を扱うのは元になってる話がすでに完成されているため、相当筆力がないと難しいし、簡単に手を出していい題材じゃないと個人的には思ってます。
まず主役2人が好きになれない性格してます。
受は名前がまるで女の子な上、性格も男である必要が見いだせません。
攻も不思議ちゃんで好きになる要素がまず見つけられない。
題材を上手に活かすかと思いきや、人魚姫の上澄みだけさらった薄っぺらさが、次々に出てくる凝った設定と思わせぶりな展開でちぐはぐな印象を与え、どうなるどうなる?? というワクワクを最後まで引っ張ったのに、見事にぶっ壊すというまさかのラスト。
というか、そのラストはあまりにありきたりなご都合過ぎて絶対ないと思ってたわ……。
あまりに薄っぺらい枠組みにこれだけ盛りだくさんの肉付けたら、そりゃまぁ持ちこたえられずに崩壊するよね、と納得ではあるんですが、本の厚みのわりにどうしてここまで全てが中途半端なのかと読み終えた後の脱力感が凄かったです。
別に人魚姫だからといって必ずしも悲恋にする必要性はないと思うけど、このハッピーエンドは酷かった。
感動もなにもないし、最後の方に至っては変なギャグじみてて引いてた熱が更に凍りついた。
あれもこれもと欲張らず、書きたいエピソードは搾ってから肉付けして欲しかったです。
挿絵だけは本当に素晴らしすぎるので読めたけど、挿絵だけは良かったので中立、と出来ないくらい言葉通りしゅみじゃない話でした。