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mitsu no wana
松浦さんは当たり外れがあるんですが、これはよかった。短いですが読み応えある1冊。
一言で言えば緊縛もので、前編に緊縛プレイがあるのでひたすらエロいです。描写が緻密で、読んでいて、作者さん自身がノってる感じで、お好きなんだろうなあというのが伝わってくる。「被虐のボディーガード」でも軽い縛りプレイがありましたが、作中一番エロい場面でした。
不幸な身の上だが、不思議な魅力をもつアオと、緊縛師の辻井。その丁寧な調教過程がメインで描かれます。
ただし、物語としての出来もよくて、最後のどんでん返しにはやられました。
おすすめの1冊。
尺が短いからこそ、ラストの『翻し』が活きる物語!
前にレビューされた方々も書かれていますが、なかなか想像出来ない結末です。
評価数が4とか(私がこれを送信すれば5になるのだけれど)のままで、埋もれて行っちゃう(?)のは惜しいですよ。読み終わった直後(あまりにも古いので知っている姐さまは少ないと思いますが)ロアルド・ダールの『南から来た男』の衝撃と似たようなものを感じちゃったもんね。
政財界の黒幕に献上される為、緊縛調教を受けるアオ。
調教する辻井は、恐怖や苦痛ではなく快楽によって調教を完成させる緊縛師。
アオは、抵抗せず、かと言って媚びもせず、淡々と調教を受けます。おまけに、縛られることに適性があるタイプなんですね。辻井にとっては正に『理想の生徒』なんです。
アオに対する辻井評が「もし自分が犬を飼うならアオのような犬を飼いたい」。
アオも辻井の行う調教を『心地良いこと』と受け止め、辻井が次に何をするのか心待ちにするようになって行きます。
互いが互いに対して、執着はあるんですよ。
でも、その執着には熱がない。
だからこそ、ラストの意外性が更に深まる結果となって「うわーっ!」ってなるんです。
実際の行為よりエロイのは『縄酔い』の表現。
『縄酔い』って不思議ですよねぇ。
メッチャクチャ、エロイです。
あまり内容について書けない種類のお話なので、この辺で止めておきますが、緊縛好きの姐さまのみならず、短編小説、それも驚きをもたらす短編小説がお好きな姐さま方に「強くお薦めしたい!」お話です。
アオは極道者にスリを働き取り押さえられ、そして辻井と言う緊縛師のところへ送られた。
辻井から調教される日々が始まる。アオは「御前」と呼ばれる政財界の大物の慰み者になるために連れてこられたのだった。
辻井の調教は怖いものではなくアオを丁寧に扱った。調教はするが辻井はアオを自分では抱こうとしなかった。
長い時間を過ごすうちに辻井に飼われてもいいと思うようになるが、御前へ差し出される日が近づく。
最後にえっ?!となるどんでん返しがあります。
予想はちょっとつかないです。とても面白い展開でした。
辻井はさぞ驚いたでしょうw
アオはそれでいいのか?辻井はそれでいいのか?
もうちょっと先のお話も読みたかった気がしますが、このお話に関しては自分で想像して楽しむのもアリだなと思いました。
調教場面はキツいものではなくて妖艶でとてもエロかったです!
小説のトピで姐さんより紹介いただいた作品。電子限定の短編です。
全く事前情報なく読み出したのですが、内容は「緊縛調教」。
しかし、痛くありません。
でもこわい。
こわいというのは、ある特殊な性癖に触れて、知らずにその性癖を受け入れる才能が開花するところ。
主人公のアオはスリ。しかしソノ筋の一団に仕掛けてしまい…
だが整った容姿と美しい体つきをしたアオは「御前」への献上物となる。
「御前」の性癖は、美青年を縛って抱くこと。だからまず縛られる事に慣れ、男を受け入れるための体に作り変える必要がある。
それを担うのが「御前」専属の縄師・辻井。
辻井はいつも通りアオに緊縛調教を施すのだが、アオは辻井が驚くほどどんどん順応し、縛られるごとにリラックスし、縛られたまま眠ったりするようになる。
そんなアオに辻井も惹かれていくが…
…という風に展開していくのですが、縛り方が仔細に書かれていたり、調教は痛みや恐怖で屈服させる事ではなく、安心を与えることでみずから身を委ねるように変えていく事なのだ、というある種の「哲学」が示されて非常に興味深い。
ラストはいわゆるどんでん返しですが、「緊縛」に静かなるエレガンスを感じました。