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作者さんが歴史系少女漫画が大好き!と書かれていたように、山あり谷ありの冒険活劇+恋愛あり、とで出しからグっと引き込まれて面白かったです。
痛々しいシーンもありますが、抱き合ってあたたかく幸せを感じるシーンも同じくらいあります。
普段はとっつきにくいかな、て思うような設定のお話は、BLだと避けてしまうのですが、入りやすいようにしたという作者さんの言葉通り、本当に読みややすかった。
特に冒頭はよかったです。いきなりだーっとややこしい設定や世界感の説明をされたら、私はちょっと引け腰になってしまうのですが、これは文章が軽快で難しい表現も多くなく読みやすい!面白い!と感じました。
罪人として孤島に流れ着いたレイが、その罪人の流される島で王になり、島を抜け出すという冒険活劇です。
けれど脱出して終り・・・ではなく、そこからまた長いお話が始まります。
こういう映画のようなノリ、BLだと珍しいかもしれません。
主人公は幼い頃に罪人として流れ着いたチュール。元気がよくお人よしで主人公らしいキャラでした。
レイは反対にクールで、目的のためなら手段を選ばない。「自分に出来ないことはない」という絶対的自信家のキャラです。
大事な人は大事にするけど、敵は容赦なく、簡単に命を奪うシーンもあります。
私はBLでははあまり流血や戦うシーンはみたくないタイプなんですが、この作品は設定上、避けては通れないところだと思います。
誰かを傷つける描写、反対に暴力を受ける描写も多くあるので、暴力的な展開が苦手な方はご注意ですが、困難を乗り越えて育まれる愛てこういうのなんだなぁとロマンス小説としても奥深いと思う。
レイの目的は島を抜け出すことではないので、この先もまだまだ血の予感です。
しかし、罪人、流刑、復讐、輪姦などどろどろしたテーマのわりには意外と明るかったです。チュールが軽快なキャラだからだと思いますが、次から次にノンストップな展開が飽きさせない、普通のお話としても楽しめる本でした。
チュールは本当に魅力的なキャラクターですが、顔は女の人に劣らないくらい綺麗で、前の看守の長の「オンナ」として扱われていました。
その立場を利用するのがレイなのですが、レイはチュールを「オンナ役」として見ていなくも無いふしがあって、それが私のBLを読むにあたっての萌え要素をちょっと、というかかなり阻害していました。
自分が島の王になったとき、レイは自分を王でチュールは王妃だと言います。チュールは前の王(看守)の「女」だともういうし、いつか本当に自分が王になったなら、王妃にしてやるとも言います。
このフレーズは、もしもこれが、たとえば青年漫画などであったなら、この子がそのまま女の子でも成り立つのではないかと思います。
チュールはチュールで女のような扱いを嫌がっているふしはあまりないように感じ、都にいるであろうレイの女に嫉妬して、自分のほうが魅力的であればいいと考えたりもします。
これが私は最後までどうしても気になってしまいました。
「男×男」でないと成り立たないストーリーとはなんだろう、男だからこそ萌える、ということは?
自分はBLに何を求めてるんだろうか、こういうのとはちょっと違うかもしれない…と思ったため萌えにしました。
購入してから、何故かしばらく放置してしまっていたこの本。
タイトルの意味がなかなか自分に入ってこなかったのと、全部平仮名だったことで、幼稚な印象を持ってしまったからでしょうか…。ですが!
何でもっとちゃんと早く読まなかったんだ、私のバカ!と詰り倒したくなるくらい、一気に惹き込まれました。
受けの、赤髪の綺麗な少年チュールは、薄幸で幼少の頃から不幸を背負い込んでいます。
お話の中でも何度も酷い目に合わされ、想い人とのすれ違い、誤解などでキリキリと胸を引き裂かれる切なさが満載でした。不幸に不幸を塗り重ねているようなチュールなのに、それらに対するネガティブさはなく、むしろ前向きで心根が優しい。そこに好感を覚えました。レイに対しては不安定ですけどw
そして攻めであるレイ。
彼はチュールとは正反対で、裕福で煌びやかな世界に生きてきた人物です。けれど、冒頭から裏切りによる絶望を味わわされます。人生最大で最初の屈辱だったんだと思います。
元々の性格もあり、この出来事も影響し、とても冷酷で無慈悲な面も持つレイ。チュールへの執着と相俟って、ある意味ホラーでした。
2人の出会いは流刑島。チュールがレイを助けた事により、レイはチュールを助け、そして少しずつ2人は寄り添う関係となっていきます。
チュールはレイに対する気持ちを、反発しつつも比較的素直に認めてますが、レイは何処までも頑固に自分の気持ちは恋愛などとは違うと否定しまくります。プライドは元来のお貴族様特有のものなんでしょうね。そのせいで、チュールを何度も失う羽目になり、その度後悔と自責の念に駆られます。
3巻とも必ず泣き所があり、チュールの気持ちに全部感情移入しては泣きました。でも、1番泣いたのは3巻の冒頭です。
レイの気持ちは傍から見れば、一目瞭然だったんですけど、この時のレイの行動、態度で、どれだけ自分を悔いているのか、責めているのかが伝わってきて、とにかく胸がギリギリ引き絞られるほど痛くてボロ泣きしました。
まぁ、いろいろと紆余曲折がありましたが、とても良いハッピーエンドを迎えられるので、安心して読んで頂きたい。
他のレビュアーさんも仰られているように、確かに拷問シーンはかなり痛々しいんですけど、表現は比較的サラッとしてる方じゃないかと(私的には)。
チュールが案外元気だったからですかね。いや、もちろん凄いトラウマだとは思うんですけど、それをいつまでも引き摺って書かれてはいないので、私は意外に平気でした。
凄く凄く面白かったので、もっとたくさんの人に読んで貰いたいです。
不幸受け、すれ違い、痛いくらいの切ない話が好きな人は、多分お気に召すんじゃないかと思います。
シリアス、泣ける、鬼畜&拷問シーンあり
最高に好きな作品です。
全三巻。
何度も読み返しました。
書いたとおりに受けが敵から受ける拷問シーンがちょっとすごい。
NGな人はパスしてください。
強姦、鞭打ちはもちろん、そんなものじゃなく骨折られたり……もっと。。。。。
結構平気な(映像だと駄目だけど、文章は平気)私でも、そりゃ酷い……って引きましたから。
ただその分泣けます。
どっぷりキャラの不幸に浸りたい人に(苦笑)
陰謀で流刑地に流された攻めがそこで受けに出会いそこを脱出。
その後自分の嫌疑を晴らしながら地位を取り返す……
そんな中で翻弄される受け。
歴史大河ロマン風ファンタジーって感じでしょうか?
全三巻の厚みがある流れの中でたっぷりと翻弄される二人が読めます。
私的には超お勧めですが、精神的肉体的にかなり痛いので不向きな人も……その分マイナス1で
満足度 : ★★★★☆
鈴木あみさんの傑作本の一つだと思います。
すごく好きな本で、読み返すたびに涙腺を刺激される話です。
夢花李さんの淡いタッチのイラストもよかったです。
3巻に渡るすれ違いラブストーリーで、山あり谷あり山あり嵐もあったりで、読み応えも抜群です。
俺様なレイ×強気受けなチュール
受けが他の男の愛人だった過去有、集団レイプ、女装、攻めが他の女を好き──この要素を見ただけで、ダメな方は避けた方がいいです。
描写はさらりと書かれているので、そんなに殊更痛いものでもないです。
犯罪者が流されてくる流刑島に、この辺では見かけたことがない美しい青年レイがやってくる。
島は、支配者の男が囚人によって倒されて、新しいボスの座はとりあえず3人でまとめられていたが。
髪の毛も長く少女のように華奢なチュールは、支配者の愛人になることで全員の慰み物になることを逃れていたが、秩序がなくなってすぐに乱暴される羽目に。
自分が拾って助けた男──レイが、島をいとも簡単に支配する。
レイが島を掌握した目的は別にあって、もっとずっと高い所を目指していた。
出来る男は違うというか、レイの頭の良さに感心しきりです。
特権階級にいたような男特有の冷酷な面も見せつつ、ちゃんとチュールのことへの嫉妬も忘れない。
チュールのことも意識しているんだなと、嬉しかったりも。
でも、1巻では、まだまだ自分のモノ感覚だけだと思います。
都に帰れば、レイは好きな人の元に行ってしまう。
自分なんかいらないじゃないか。
そう考えてしまうチュールの気持ちに共感しきりで、1巻のラストシーンもたまらなかったです。
1巻だけでもうほろりと泣きが入るのですが、まだまだ先はそんなに甘いものじゃありません。