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keep out
真式マキさんのデビュー作とのことで電子版を読みました
三つ子の魂百までとばかりに(?)
いかにも真式マキさんでした
好きな作家はデビューあたりからモチーフをおさえておくと、
その後の展開が楽しめるので、
じっくり味わって時間をかけました
けっこう疲れます^^;
その価値ありの佳作でした
キープアウトは危険!の意で使われ、
のち自縄自縛の締め出しを表すのだと読みました
(縄はじっさいも使うわけですが…)
恋人を得るまで、といえばそれだけでも
ほぼ一人称で苦しみを長く吐露したあとなので
カタルシスにも似た開放を
祝福したいような気になりました
わたしは『キャンディ』がとくに好きですが、
複数の著作を読んで慣れていたはずでも、
この文体はちょっとどうかな~^^;
と思わないでもない…
ほぼ一人称と書きましたが、三人称と混ざるとか
Web連載作だったそうなので、そのままつなげて
刊行したのかしら と疑う表現の重複がつらい とか
あるにはあるのですが、雰囲気を味わい、
心理描写を楽しむには、やはり真式マキさんはいい と
思わせてくれるデビュー作です
カギカッコを使わない作品が(で)読みたいな、と
思いました
この作家さんが改名されてからの作品はいくつか読んでいましたが、そういえばデビュー作を読んでなかったなということで購入。
今よりも読みにくい文章。
繰り返されるフレーズのくどさ。
妙に作られた世界観。
それでもこの作家さんのいい所がたくさん垣間見えました。
攻めキャラの魅力と独特の空気感。
それが密度を持って迫ってくるような感じです。
二冊目の作品も読んでみようと思いました。
もう、登場人物が魅力的です。
そして、感動も!!
読みはじめ、かなり刺激的でややビックリしまた。
ラストも、攻め視点からのストーリーなどもあり読んでいて飽きないと思います。
受けの葛藤も、感じられて一気に読めました。
何故、主人公がそうなったのか・・・攻め様の愛を感じました。
2014年フルールさんの小説優秀賞の作品です。
ちるちるさんでの評価はあまりよくないようですが、小説漫画合わせて数千冊のBLを読み漁った私からすればとても楽しんで読めました。
フルールさんの総評にあるとおりまさに新しいタイプのBL。
最近では珍しい一人称での描写でしたが、それがまた味がありました。
タイトルのつけかたもなるほどと思いました。
ただ個人的にですが、作中にと同じ単語が何度も出てきたのが惜しいと感じました。
例えばキープアウト。
数見を初めて見たときに感じた印象の場面でに使っているのを見たときはなるほどうまいタイトルをつけられたなと思ったのですが、その後何度もキープアウトの表現がでてきたので、なんだか逆にくどく感じてしまいました。
使うとすれば後一ヶ所くらいまでにおさえたほうがもっとインパクトがあったのではないかと思います。
他の単語でも同じことを感じました。
性的だ、とかエロティックとか歩く成人指定とか…。
そんなに何度も説明してくれなくても一度で理解できますので…。
後、登場人物の口調が所々違和感がありました。
(丁寧だったり突然命令口調だったり)
わざとされているのかもしれませんが、同じ「」の中で突然口調が変わるのはかなり違和感がありました。
例えば「泣き喚け、俺を呼べ、でも、駄目なら止めて」等。
ネット連載時は仕方ないとおもうのですが、本にする段階でもう少し推敲が必要だったのではないかと思います。
面白くないと感じた本は途中で読むのをやめたりするのですが、最後まで一気読みする程に個人的には面白いと思っただけに、いろいろ惜しい作品です。
推敲さえもっとしっかりされていれば、他の方のちるちるさんでの評価もまた違ったものだったんだろうなと感じるだけに本当に惜しくてなりません。
今回どちらかといえば作家さんに色々不満を思うというよりも、フルールさんは編集でアドバイスされないのかということに疑問を感じた作品です。
(デビュー作とのことなので)
とえらそうな事を書いてますが、それを差し引いても面白かった&今後に期待できそうな作家さんですので神評価です。
ありきたりのBL展開に少し飽き飽きしている玄人さん向け。
次回作も期待してます。
帯に『2014年フルール新人賞 満場一致の優秀賞』とあったので
否が応でも期待値上がってしまうのは不可避ですw
あらすじも、大学生の頃、親友と思っていた男友達に
自分の彼女の前で犯されたという酷い過去を持つ受けが
どんな風に攻めに優しく愛されていくのだろうと
興味津々でした。
冒頭から読みやすく、刺激的でシリアスなお話のわりに
するする進められそうだと安堵したのですが、
申し訳ないのですが私は同じ単語が何度も出てくると
気になって仕方ないんです;;
アダルトグッズを売っている店の店長・数見を例える「歩く成人指定」、
受けの宮の容姿を褒めて数見が呼びかける「綺麗なひと」、
宮の過去を濾過してあげようと言う「コーヒーのフィルタのように」、
あとはやはりタイトルの「キープアウト」。
確かに立入禁止のあの黄色と黒のテープは
誰の侵入をも拒絶する宮を表す有効なイメージですが
何度も使われるとなんとなく……。すみません。
あと、どうしても二人とも綺麗じゃなかったら
惹かれあう事はないんだなぁと思ってしまって。
勿論、宮の薄暗い目の奥の翳りと、
数見の只者では無さげで色気を放ち
全て見透かされてしまいそうな危うさを
お互いが感じ取ったのは特別だったからかもしれませんが。
宮の心の抵抗が「無理だ」「駄目だ」って
惹かれている自分を誤魔化しているにしても
ここも多すぎたような気がしてしまいました。
宮を強姦した長谷川が、忘れられなかったというなら
もっと執拗な何かをしても良かったんじゃないかとか
そのわりにあっさり引いてしまうんだなぁ、なんて…。
悪質なストーカーは好ましくないのですが
そこまで宮にこだわる様子も伝わりづらかったです。
数見の店の従業員・相川という綺麗な男も、
数見を好きだろうに意外な程宮に譲ってしまっていて、
拍子抜けしましたです;
聡明な男だから、好きあっている二人の間には
誰もきっと入れないという事かもですが
冷めていそうな男の熱い恋心をもっと読みたかったなー。
数見が、宮を呼ぶ「あなた」は好ましかったけど
「おれの名前を呼んで」「呼んでくれ」って前は言ってたのに、
後で「おれを呼べ」という言い回しになってて違和感が…。
多少気持ちの距離を縮めたからってことなのかとも考えましたが
優しく解いていきたいなら言い方って大事なんじゃないかなと
ここも気になってしまいました。
たまに出る命令口調は、ベッドではサディストだからという設定故か…。
気になることだらけのわりに中立なのは、
数見が自分の欲望をただぶつけずに
すぐ手を出さないとか
宮が望んだ事でもちゃんと「ストップ?」って聞いてあげたりしたので。
そうでもしないと宮は心も体も開いてくれなかったでしょうけど。
ただ、数見の過去まではページ数が足りなかったかもしれませんが
“札束が積みあげられる夜の商売を渡り歩いた”というだけでは
重さが足りなかったかな…。
厳しい事を言ってしまったかもしれませんが
やっぱり読者としてはあれこれ欲してしまうので;
失礼致しました!
一昔?前ならもっと評価が変わってきたかもしれませんが、このBL作家デビュー戦国時代にデビューした割には…………。
他社の新人さんの作品と比べてしまうとどうしても見劣りしてしまいます。
設定は◎
過去に友人に強姦され、トラウマを植え付けられ、アブナイ性癖に逃げ込む受け。それを優しく包み込んでくれる攻め。
これだけ見るととても萌えるんですが、ふたを開ければスカスカでした。
まず、受けが最初から攻めを褒めすぎる。
「この人なら~」とか「この人だから~」みたいな、後半に行けばいくほどやたら褒めちぎってます。
けれど、攻めの凄さに関しては雰囲気で伝わってきましたが、具体的にあまり出てこないので読者は「そこまで褒めるほどすごい?」と置いてけぼりです。
そもそも、トラウマを持っていたらもう少し警戒した方がいいと思うんですけどね。
一度レイプされている割に、攻めへの警戒心の形が違うとでも言いましょうか。
「この人に近づいてはいけない」みたいな心理描写が何度かあるんですけど、それが「男に対する恐怖」っていうより、「攻めに溺れてしまいそうな自分への恐怖」に見えて仕方なかった。
酷いレイプをされた割には、一段階すっ飛ばしたなぁというところ。
レイプのトラウマを長年引きずって、とても長い間彷徨ってた割にはわりとあっさりでしたね。
そして、攻めと受けが少しいい感じになったところでお決まりのように出てくる受けトラウマの原因になった「元友人」
ここで読者は攻めの立ち回りを期待すると思うんですが……。一、二行で解決するわけですよ。その件は何とかなったから心配しなくていいヨと。
「元友人」が出てきたときの緊迫感あふれる盛り上がりが良かった分、そこで肩すかしをくらい。
最後に、当て馬とおぼしき攻めの店で働く店員さん。
自分も攻めが好きだ!と堂々と宣言するんですが、次に登場したときは、貴方の方が攻めにふさわしいとあっさり身を引くんですね。
ここでもまた「はぁ……?!」って気持ちになりました。
もちろん全てを掘り下げたらクドくなると思うんですけど、どれも掘り下げないって。。そのせいで、攻めと受けの恋愛模様が単調に、薄っぺらく見えました。
文章に関しては、全く合わなかったです。
好みの部分もあると思うんですけど、攻めの口調が統一されていないのがものすごく気になりました。いつも丁寧な口調なのに、突然少しだけ命令口調になったりするんですよ。これはSMを題材にしているわけですから、それをコマンドとして活用していれば良かったんでしょうけど、そういうわけでもなさそう。ワンシーンの中で丁寧になったり、そうでなかったり、とても引っかかりました。
おそらく、作者さんには意図があったことなんでしょうが、この構成力では伝わってこないかな。
そして、もう一つ引っかかったのは二人称の使い方。
これもころころころころ変わるんですよ。
攻めは受けを「綺麗な人」「宮くん」「あなた」
受けは攻めを「数見さん」「あんた」
代表的なのものはこれくらいですが、もっとあるかもしれません。
たとえば、出会ってから徐々に言い方が変わるなら分かるんです。でも、ワンシーンでこれだけ変わるんです。
たとえば、攻めの方。「綺麗なひと」ってなんだ……。と思うわけですよ。用例としては「綺麗な人、どうしたの?」みたいな。そんな日本語使う日本人いるの?と首をひねざるを得ませんでした。付き合ってからも「あなた」って言うし。すごく違和感を覚えました。
これは、フルールのHPで番外編が掲載されているので、試しに読んでみてください。短い番外編の中でもかなり顕著に出てます。本編はそれにプラスαです。これで大丈夫だったら、本編でも大丈夫かと。
受け様 宮くんは、
彼女の目の前で、親友レイプされたトラウマを持っている。
SMて 痛くて、苦しくて 精神的に受け付けないイメージがあるけど、
このストーリーでは、「癒しに」なっている。
攻め様 数見は 怪しい アダルトグッズショップ店長。
宮くんを 口説いてトラウマを「癒して」いった。
舞台は、とても怪しくて、攻め様 数見もさらに怪しいのに、
とても優しい雰囲気。
バイトくんもいいやつ。
恋のライバルのはずなのに、宮の窮地に数見を呼んでくれた。
ここでの悪役は 「元親友」
数見氏が、「元親友」を追い払うストーリーもむあったけど、
数見氏には、裏社会とのつながりがありそうな、
そんなミステリアスな魅力を感じます。
ちょっと アブノーマルな世界が 優しく感じられた不思議なストーリーでした。優しいバイト君にも出会いがあるとイイナァ。