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teiou to bara no hanayome
初読み作家さんです。
タイトルからも分かる通り花嫁モノ、そして表紙の攻め様が左手に持っている物は…拳銃…という事で裏社会モノという個人的には好きな設定のお話でした。
お話の舞台はほぼ全編にわたり架空の国、グラームズ王国という外国で繰り広げられます。
そこに訳あって留学してきた日本人の高校生の光紀は、偶然見つけた薔薇園でその薔薇園の持ち主と出逢います。
個人的には攻め様の強引でありながら受け様には優しい所が感じられ、かなり序盤から受け様を大好きということが読み取れる描写にキュンキュンしました(笑)。
こういう強い男が何の力も持ってなさそうな、でも芯は強くて健気な受け様を溺愛するお話が大好きです。
寂しかった者同士、お互いが慰めるようにくっついたような作品でした
帝王と呼ばれ恐怖で多くのマフィアを納める攻め様の苦悩
大企業の経営者の息子として生まれてきたが、上の兄とは比べられ
親には半分みはなされたも同然の受け様
お互いが「薔薇」の存在のおかげで出会い、お互いを好きになっていきます
攻め様がマフィアの方なので、いたしているのは野獣・・・
だけどなんだか優しいし
おとなしめな受け様は、無理やりではありますが
自分の大好きな薔薇園の持ち主ということで嫌になれません
最初からお互いがいい感じだったのに
素直になれないがために、受け様が酷い目にあったり・・・
マフィア設定ならではですがw
そこがとても美味しく頂けました(*´∀`*)
マフィアの帝王として君臨しながらも孤独を抱えているベルナルドと、薔薇の育種家になりたいという夢を家族に理解されずに海外留学に出された光紀。
留学先のグラームズ王国で荒れ放題となった薔薇園を偶然見つけた光紀は、何の見返りもなく庭の手入れをするようになったところを主のベルナルドに見初められる。
話の中で、弱った薔薇を綺麗に咲かせてあげたいとか、薔薇を愛でる人に悪い人はいないって発想とか、とにかく光紀の薔薇に込める想いが強い。
一冊通じて光紀の頭の中は薔薇に対する優しさで回っているんだなぁ…というのが伝わる。
そんな光紀をベルナルドは強引に抱くものの、光紀はそれを恐れるばかりでなく、彼が見せない心優しい素顔を探そうとする気持ちが健気だ。
ちなみに、光紀が別のマフィアに連れ去られて慰みものにされそうになるのは他の人物の陰謀に巻き込まれそうになったのが原因。
ここで割愛されたとはいえ、光紀の家族の愛情の無さが透けて見えるのが気の毒かな。
本の表紙から帯から激しく官能を煽ってくれちゃっているけれど、お互いが薔薇を愛でる気持ちを通じて心を通わせようとする様子が漂っているので、二人の純情さのほうが見どころかと思う。