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tsugunai no konrei
えっ!?これホントに華藤先生の本??と思うほどストーリー構成やキャラの作り方に違和感だらけでした。
ストーリーは主人公の桐矢。医師であり、研修している病院のオーナーに恋しています。が、そのオーナーの妹が強盗殺人に遭い、その犯人として扱われてしまうというもの。サスペンス要素も混じってきてこれは大変そうだな・・・と思ったのも束の間。
冒頭は復讐という名の結婚式シーンから始まるのですが、中盤でも全く同じシーンが出てきます。くどい。その場面、最初に全部読んだよね・・・と冷めた目で読み飛ばしをしました。
他にもツッコミどころが多すぎて感情移入できず、だんだん読むことがストレスになるほど・・・。
キャラクターも心情がブレブレのため、何を考えているのかよく分からず、また突飛な行動に出たりと意味不明になるため、読者を置いてけぼりにしている感じが否めませんでした。
また、桐矢が半年間植物状態で人工呼吸器で生かされていたのに、目を開けた瞬間人工呼吸器が止められ外される、という奇跡の回復(笑)その辺の描写も稚拙で素人の創作並で驚きでした。
華藤先生といえば、情景描写が素晴らしく、また職業や病についても手を抜かれることなく細かい描写をされる印象があっただけにめちゃくちゃショックでした。
結末としても、あっという間に真犯人が捕まっていてご都合主義的にまとまってしまいます。
攻めの妹が殺されなければならなかった理由や受けの桐矢に犯人として仕立てあげられる意味もよく分からず。警察やマフィア、貴族間でのいざこざなど複雑な背景があったのは分かるのですが、これらが大まか過ぎてきちんと解明されたわけでもなく話は終わりました。
攻めの友人であるカジノ王と呼ばれる日系人やマフィア幹部であるミシェルなど物語の中では重要人物だったはずなのにあっさりと消えてしまい謎だらけです。
とにかく謎やツッコミどころが多すぎて感想が纏まりませんが、ストーリーもキャラ構成も浅すぎて、それを華藤先生が書かれた事にただただ驚くばかりでした。
電子書籍になりました!
物語の舞台は、南フランス。
日本人医者桐矢誠人は、フランス貴族イレールに恋をする。
ふたりは互いに想いを寄せ合うものの、誠人は身分の違いに引け目を感じ、イレールの想いを受け入れない。
そんな時、誠人はイレールの妹を殺した罪を着せられ投獄されてしまう。
真犯人を見つけるために脱獄した誠人を捕まえたイレールは、誠人を愛人として一生飼い殺しにすると宣言し、神の前でウェディングドレス姿の誠人を犯す。
華藤先生の作品に時々出没する、大長編のダイジェスト的なお話でした。
気になった点は2つ。
*脱獄
一般人であるはずの受がフランスの刑務所からあっさり脱獄します。
終身刑の殺人犯なのに扱いテキトーですね・・・
この大脱走エピソードをじっくり描いてくれたら、面白くなりそうだったので残念です。
*妹の意図
攻の妹が生前「攻と受の結婚」をすすめていたらしいのですが、なぜ?
自分の兄を男と結婚させたい女の子なんて存在するのでしょうか。
もうひとつ、受が自分をレイプしようとしたという妹の証言は結局何だったか。
薬の副作用で精神的に不安定だったとか、兄をふった受への復讐とか、マフィアに脅されたとか。
色々考えてみましたが、亡くなった妹の意図がイマイチ分からず、もやもやしました。
その辺りを掘り下げてほしかったです。